アメリカ探偵作家クラブ
アメリカ探偵作家クラブ(アメリカたんていさっかクラブ、英 : Mystery Writers of America、略称:MWA)は、アメリカ合衆国の推理作家の団体。「アメリカ推理作家クラブ」とも訳される。ニューヨークを基点とする。1945年に、クレイトン・ロースン、アントニー・バウチャー、ローレンス・トリート、ブレット・ハリデイによって設立された。エドガー賞(MWA賞とも)を主催している。
1995年に、「史上最高のミステリー小説100冊」と題したリストを発表した。
シェイマス賞を主催するアメリカ私立探偵作家クラブ(英 : Private Eye Writers of America、略称:PWA)とは別の団体である。
主な会長経験のある会員
編集- アンソニー・バウチャー(初代会長)
- ヘレン・マクロイ(1950-)
- ジョルジュ・シムノン(1955-)
- マーガレット・ミラー (1957-1958)
- レックス・スタウト (1958-)
- ジョン・D・マクドナルド(1962)
- ロス・マクドナルド(1965)
- J・J・マリック(1966-1967)
- ヒラリー・ウォー(1972-)
- ミニオン・G・エバハート
- ウィリアム・P・マッギヴァーン(1980-)
- スチュアート・M・カミンスキー
- エドワード・D・ホック
- ジョー・ゴアズ
- マイクル・コナリー(2003-2004)
エドガー賞
編集エドガー賞又はMWA賞は、アメリカ合衆国の文学賞。アメリカ探偵作家クラブによって前年にアメリカで発表されたミステリの分野の作品から選ばれる。
長編、短編などのジャンルごとの部門に加え、小説以外のテレビや映画の部門がある。アメリカの作家エドガー・アラン・ポーにちなんで命名されたこの賞の受賞者には小さなエドガー・アラン・ポーの胸像が贈られる。
この他、ロバート・L・フィッシュやエラリー・クイーン等の小説家の名を冠した部門が存在する。
作者がアメリカ探偵作家クラブの会員でなくとも受賞できるが、アメリカで出版されている必要がある。
作品賞
編集- 長編部門(1954年〜)
- 処女長編部門(1946年〜)
- 短編部門(1951年〜)
- オリジナルペーパーバック部門(1970年〜)
- 犯罪実話部門(1948年〜)
- 評論・評伝部門(1977年〜)
- ヤングアダルト部門(1989年〜)
- ジュブナイル部門(1961年〜)
- メアリー・ヒギンズ・クラーク賞(2001年〜)
- TVエピソード部門(1952年〜)
- TVシリーズ部門(1972年〜)
- 映画脚本部門(1946年〜)
- 演劇部門(1972年〜・不定期)
長編賞
編集処女長編賞
編集短編賞
編集- 1951年:ローレンス・G・ブロックマン "Diagnosis: Homicide" (短編集)
- 1952年:ジョン・コリア "Fancies and Goodnights" (短編集)
- 1953年:フィリップ・マクドナルド "Something to Hide" (短編集)
- 1954年:ロアルド・ダール 『あなたに似た人』(短編集)
- 1955年:スタンリイ・エリン 「パーティーの夜」
- 1956年:フィリップ・マクドナルド 「夢みるなかれ」
- 1957年:スタンリイ・エリン 「ブレッシントン計画」
- 1958年:ジェラルド・カーシュ 「壜の中の謎の手記(壜の中の手記)」
- 1959年:ウィリアム・オファレル 「その向こうは―闇(そのさきは―闇)」
- 1960年:ロアルド・ダール 「女主人」
- 1961年:ジョン・ダラム 「獣の心(虎よ)」
- 1962年:エイヴラム・デイヴィッドスン 「ラホーア兵営事件」
- 1963年:デイヴィッド・イーリィ 「ヨットクラブ」
- 1964年:レスリー・アン・ブラウンリッグ "Man Gehorcht"
- 1965年:ローレンス・トリート 「殺人(ホミサイド)のH」
- 1966年:シャーリイ・ジャクスン 「悪の可能性」
- 1967年:リース・デイヴィス 「選ばれたもの」
- 1968年:エドワード・D・ホック 「長方形の部屋」
- 1969年:ワーナー・ロウ 「世界を騙った男」
- 1970年:ジョー・ゴアズ 「さらば故郷」
- 1971年:マージェリー・フィン・ブラウン 「リガの森では、けものはひときわ荒々しい」
- 1972年:ロバート・L・フィッシュ 「月下の庭師」
- 1973年:ジョイス・ハリントン 「紫色の屍衣」
- 1974年:ハーラン・エリスン 「鞭打たれた犬たちのうめき」
- 1975年:ルース・レンデル 「カーテンが降りて」
- 1976年:ジェシ・ヒル・フォード 「留置場」
- 1977年:エタ・リーヴェス 「恐ろしい悲鳴のように」
- 1978年:トマス・ウォルシュ 「最後のチャンス」
- 1979年:バーバラ・オーエンズ 「軒の下の雲」
- 1980年:ジェフリー・ノーマン 「拳銃所持につき危険」
- 1981年:クラーク・ハワード 「ホーン・マン」
- 1982年:ジャック・リッチー 「エミリーがいない」
- 1983年:フレデリック・フォーサイス 「アイルランドに蛇はいない」
- 1984年:ルース・レンデル 「女ともだち」
- 1985年:ローレンス・ブロック 「夜明けの光の中に」
- 1986年:ジョン・ラッツ 「稲妻に乗れ」
- 1987年:ロバート・サンプスン 「ピントン郡の雨」
- 1988年:ハーラン・エリスン 「ソフト・モンキー」
- 1989年:ビル・クレンショー 「映画館」
- 1990年:ドナルド・E・ウェストレイク 「悪党どもが多すぎる」
- 1991年:リン・バレット 「エルヴィスは生きている」
- 1992年:ウェンディ・ホーンズビー 「九人の息子たち」
- 1993年:ベンジャミン・M・シュッツ 「メアリー、ドアを閉めて」
- 1994年:ローレンス・ブロック 「ケラーの治療法」
- 1995年:ダグ・アリン 「ダンシング・ベア」
- 1996年:ジーン・B・クーパー 「判事の跡継ぎ」
- 1997年:マイケル・マローン 「赤粘土の町」
- 1998年:ローレンス・ブロック 「ケラーの責任」
- 1999年:トム・フランクリン 「密猟者たち」
- 2000年:アン・ペリー 「英雄たち」
- 2001年:ピーター・ロビンスン 「ミッシング・イン・アクション」
- 2002年:S・J・ローザン 「ペテン師ディランシー」
- 2003年:レイモンド・ステイバー 「メキシカン・ギャッビー」
- 2004年:G・ミキ・ヘイデン 「メイドたち」
- 2005年:ローリー・リン・ドラモンド 「傷痕」
- 2006年:ジェイムズ・W・ホール 「隠れた条件」
- 2007年:チャールズ・アーダイ 「銃後の守り」
- 2008年:スーザン・ストレイト 「ゴールデン・ゴーファー」
- 2009年:T・ジェファーソン・パーカー "Skinhead Central"
- 2010年:ルイス・アルベルト・ウレア "Amapola"
- 2011年:ダグ・アリン "The Scent of Lilacs"
- 2012年:ピーター・ターンブル 「鉄道運転士に帽子を掲げた男」
- 2013年:該当作品なし
- 2014年:ジョン・コナリー 「カクストン私設図書館」
- 2015年:ギリアン・フリン "What Do You Do?"
- 2016年:スティーヴン・キング "Obits"
- 2017年:ローレンス・ブロック "Autumn at the Automat"
ペーパーバック部門
編集- 1970年:スコット・C・S・ストーン "The Dragon's Eye"
- 1971年:ダン・J・マーロウ "Flashpoint"
- 1972年:フランク・マコーリフ 『殺し屋から愛をこめて』
- 1973年:リチャード・ワームザー "The Invader"
- 1974年:ウィル・ペリー 『四十二丁目の埋葬』
- 1975年:ロイ・ウィンザー 『死体が歩いた』
- 1976年:ジョン・R・フィーゲル 『検屍解剖』
- 1977年:グレゴリー・マクドナルド 『フレッチ 死体のいる迷路』
- 1978年:マイク・ヤーン "The Quark Maneuver"
- 1979年:フランクリン・バンディ 『ブラックボックス』
- 1980年:ウィリアム・L・デアンドリア 『ホッグ連続殺人』
- 1981年:ビル・グレンジャー 『目立ちすぎる死体』
- 1982年:L・A・モース 『オールド・ディック』
- 1983年:テリー・ホワイト 『真夜中の相棒』
- 1984年:マーガレット・トレイシー 『切り裂き魔の森』
- 1985年:モリー・コクラン & ウォーレン・マーフィー 『グランドマスター』
- 1986年:ウォーレン・マーフィー 『豚は太るか死ぬしかない』
- 1987年:ロバート・キャンベル 『ごみ溜めの犬』
- 1988年:シャーリン・マクラム 『暗黒太陽の浮気娘』
- 1989年:ティモシー・フィンドリー 『嘘をつく人びと』
- 1990年:キース・ピータースン 『夏の稲妻』
- 1991年:デイヴィッド・ハンドラー 『フィッツジェラルドをめざした男』
- 1992年:トマス・アドコック 『死を告げる絵』
- 1993年:デイナ・スタベノウ 『白い殺意』
- 1994年:スティーヴン・ウォマック 『殴られてもブルース』
- 1995年:リザ・スコットライン 『最後の訴え』
- 1996年:ウィリマウ・ヘファーナン 『誘惑の巣』
- 1997年:ハーラン・コーベン 『カムバック・ヒーロー』
- 1998年:ローラ・リップマン 『チャーム・シティ』
- 1999年:リック・リオーダン 『ホンキートング・ガール』
- 2000年:ルース・バーミングハム 『父に捧げる歌』
- 2001年:マーク・グレアム 『黒い囚人馬車』
- 2002年:ダニエル・チャヴァリア 『バイク・ガールと野郎ども』
- 2003年:T・J・マグレガー 『エヴァーグレイズに消える』
- 2004年:シルヴィア・マウルターシュ・ウォルシュ 『死、ふたたび』
- 2005年:ドメニック・スタンズベリー 『告白』
- 2006年:ジェフリー・フォード 『ガラスのなかの少女』
- 2007年:ナオミ・ヒラハラ 『スネークスキン三味線―庭師マス・アライ事件簿』
- 2008年:ミーガン・アボット 『暗黒街の女』
- 2009年:メグ・ガーディナー 『チャイナ・レイク』
- 2010年:マーク・ストレンジ 『ボディブロー』
- 2011年:ロバート・ゴダード 『隠し絵の囚人』
- 2012年:ロバート・ジャクソン・ベネット 『カンパニー・マン』
- 2013年:ベン・H・ウィンタース 『地上最後の刑事』
- 2014年:アレックス・マーウッド 『邪悪な少女たち』
- 2015年:クリス・アバーニ "The Secret History of Las Vegas"
- 2016年:ルー・バーニー "The Long and Faraway Gone"
- 2017年:エイドリアン・マッキンティー "Rain Dogs"
ヤングアダルト部門
編集- 1989年:ソニア・レヴィティン "Incident at Loring Groves"
- 1990年:アラン・ファーガスン "Show Me the Evidence"
- 1991年:チャップ・リーヴァー "Mote"
- 1992年:セオドア・テイラー "The Weirdo"
- 1993年:チャップ・リーヴァー "A Little Bit Dead"
- 1994年:ジョーン・ラウリー・ニクソン "The Name of the Game Was Murder"
- 1995年:ナンシー・スプリンガー "Toughing It"
- 1996年:ロブ・マグレガー "Prophecy Rock"
- 1997年:ウィロ・デイビス・ロバーツ 「ねじれた夏」
- 1998年:ウィル・ホッブス "Ghost Canoe"
- 1999年:ナンシー・ワーリン 「危険ないとこ」
- 2000年:ヴィヴィアン・ヴァンデ・ヴェルデ "Never Trust a Dead Man"
- 2001年:エレン・マリー・アルフィン "Counterfeit Son"
- 2002年:ティム・ウィン=ジョーンズ "The Boy in the Burning House"
- 2003年:ダニエル・パーカー "The Wessex Papers, Vols. 1-3"
- 2004年:グラム・マクナミー 「アクセラレイション シリアルキラーの手帖」
- 2005年:ドロシー・フーブラー&トーマス・フーブラー "In Darkness, Death"
- 2006年:ジョン・ファインスタイン 「ラスト・ショット」
- 2007年:ロビン・メロー・マックレディ "Buried"
- 2008年:テッド・アーノルド "Rat Life"
- 2009年:ジョン・グリーン 「ペーパータウン」
- 2010年:ピーター・エイブラハムズ "Reality Check"
- 2011年:チャーリー・プライス "The Interrogation of Gabriel James"
- 2012年:ダンディ・デイリー・マコール 「沈黙の殺人者」
- 2013年:エリザベス・ウェイン 「コードネーム・ヴェリティ 」
- 2014年:アナベル・ピッチャー 「ケチャップ・シンドローム」
- 2015年:James Klise "The Art of Secrets"
- 2016年:Mindy McGinnis "A Madness So Discreet"
- 2017年:Monica Hesse "Girl in the Blue Coat"
- 2018年:ジェイソン・レナルズ「エレベーター」
- 2019年:コートニー・サマーズ「ローンガール・ハードボイルド」
- 2020年:Naomi Kritzer "Catfishing on CatNet"
- 2021年:Katie Alender "The Companion"
- 2022年:Angeline Boulley "Firekeeper's Daughter"
- 2023年:June Hur "The Red Palace"
- 2024年:エイプリル・ヘンリー "Girl Forgotten"
ジュブナイル部門
編集- 1961年:フィリス・A・ホイットニー 「のろわれた沼の秘密」
- 1962年:エドワード・フェントン 「ゆうれいのでる農場」
- 1963年:スコット・コルベット "Cutlass Island"
- 1964年:フィリス・A・ホイットニー "Mystery of the Hidden Hand"
- 1965年:マルセラ・ツーム "Mystery at Crane's Landing"
- 1966年:レオン・ウェア[注 1] 「恐怖の第22次航海」
- 1967年:キン・プラット "Sinbad and Me"
- 1968年:グレッチェン・スプレイグ "Signpost to Terror"
- 1969年:ヴァージニア・ハミルトン "The House of Dies Drear"
- 1970年:ウィニフレッド・フィンレイ 「危険なかくれが」
- 1971年:ジョン・ロウ・タウンゼンド 「アーノルドのはげしい夏」
- 1972年:ジョーン・エイキン 「暗闇にうかぶ顔」
- 1973年:ロブ・ホワイト 「マデックの罠」
- 1974年:ジェイ・ベネット 「黒いコートの秘密」
- 1975年:ジェイ・ベネット 「たったひとりの証人」
- 1976年:ロバート・C・オブライエン 「死のかげの谷間」
- 1977年:リチャード・ペック 「レイプの街」
- 1978年:エロイーズ・ジャーヴィス・マグロー "A Really Weird Summer"
- 1979年:デーナ・ブルッキンズ 「ウルフ谷の兄弟」
- 1980年:ジョーン・ラウリー・ニクソン 「クリスティーナの誘拐」
- 1981年:ジョーン・ラウリー・ニクソン "The Seance"
- 1982年:ノーマ・フォックス・メイザー "Taking Terri Mueller"
- 1983年:ロビー・ブランスカム 「だれが、ぼくの犬を殺したか」
- 1984年:シンシア・ヴォイト "The Callender Papers"
- 1985年:フィリス・レイノルズ・ネイラー "Night Cry"
- 1986年:パトリシア・ウィンザー "The Sandman's Eyes"
- 1987年:ジョーン・ラウリー・ニクソン "The Other Side of Dark"
- 1988年:スーザン・シュリーブ "Lucy Forever and Miss Rosetree, Shrinks"
- 1989年:ウィロ・デイビス・ロバーツ "Megan's Island"
- 1990年:受賞作なし
- 1991年:パム・コンラッド 「ふたりのゾーイ」
- 1992年:ベッツイ・バイアーズ "Wanted...Mud Blossom"
- 1993年:イヴ・バンティング "Coffin on a Case!"
- 1994年:バーバラ・ブルックス・ウォレス "The Twin in the Tavern"
- 1995年:ウィロ・デイビス・ロバーツ "The Absolutely True Story..How I Visited Yellowstone Park with the Terrible Rubes"
- 1996年:ナンシー・スプリンガー "Looking for Jamie Bridger"
- 1997年:ドロシー・レイノルズ・ミラー "The Clearing"
- 1998年:バーバラ・ブルックス・ウォレス "Sparrows in the Scullery"
- 1999年:ウェンデリン・ヴァン・ドラーネン 「少女探偵サミー・キーズとホテル泥棒」
- 2000年:エリザベス・マクデヴィッド・ジョーンズ "The Night Flyers"
- 2001年:フランシス・オラーク・ドーウェル "Dovey Coe"
- 2002年:リリアン・エイジ "Dangling"
- 2003年:ヘレン・エリクソン "Harriet Spies Again"
- 2004年:フィリス・レイノルズ・ネイラー "Bernie Magruder & the Bats in the Belfry"
- 2005年:ブルー・バリエット 「フェルメールの暗号」
- 2006年:D. James Smith "The Boys of San Joaquin"
- 2007年:アンドリュー・クレメンツ "Room One: A Mystery or Two"
- 2008年:キャサリン・マーシュ 「ぼくは夜に旅をする」
- 2009年:トニー・アボット "The Postcard"
- 2010年:メアリー・ダウニング・ハーン "Closed for the Season"
- 2011年:ドリー・ヒルスタッド・バトラー 「消えた少年のひみつ」
- 2012年:マシュー・カービー "Icefall"
- 2013年:Jack D. Ferraiolo "The Quick Fix"
- 2014年:Amy Timberlake "One Came Home"
- 2015年:ケイト・ミルフォード 「雪の夜は小さなホテルで謎解きを」
- 2016年:Susan Vaught "Footer Davis Probably is Crazy"
- 2017年:ウェスリー・キング 「ぼくはO・C・ダニエル」
- 2018年:James Ponti "Vanished!"
- 2019年:ピート・ハウトマン 「きみのいた森で」
- 2020年:Susan Vaught "Me and Sam-Sam Handle the Apocalypse"
- 2021年:Elizabeth C. Bunce "Premeditated Myrtle"
- 2022年:Christina Diaz Gonzalez "Concealed"
- 2023年:Marthe Jocelyn "Aggie Morton Mystery Queen: The Seaside Corpse"
- 2024年:Adrianna Cuevast "The Ghosts of Rancho Espanto"
メアリー・ヒギンズ・クラーク賞
編集メアリー・ヒギンズ・クラーク賞は、「サスペンスの女王」として知られた作家、メアリ・H・クラークに因んで創設された。主人公が若い女性であること、その女性の日常が突然冒されることなど、クラークが7つのガイドラインを定めている[1]。
- 2001年:バーバラ・ダマート "Authorized Personnel Only"
- 2002年:ジュディス・ケルマン "Summer of Storms"
- 2003年:ローズ・コナーズ 『霧のとばり』
- 2004年:M・K・プレストン 『陽炎の匂い』
- 2005年:ロシェル・メジャー・クリッヒ "Grave Endings"
- 2006年:カレン・ハーパー "Dark Angel"
- 2007年:フィオナ・マウンテン "Bloodline"
- 2008年:サンディ・オールト "Wild Indigo"
- 2009年:ビル・フロイド 『ニーナの記憶』
- 2010年:S・J・ボルトン 『毒の目覚め』
- 2011年:エリー・グリフィス "The Crossing Places"
- 2012年:サラ・J・ヘンリー "Learning to Swim"
- 2013年:ハンク・フィリッピ・ライアン "The Other Woman"
- 2014年:ジェニー・ミルヒマン "Cover of Snow"
- 2015年:ジェーン・ケーシー "The Stranger You Know"
- 2016年:ローリー・レーダー=デイ "Little Pretty Things"
- 2017年:チャールズ・トッド "The Shattered Tree"
映画脚本部門
編集- 1946年:Murder, My Sweet – ジョン・パクストン
- 1947年:『殺人者』 – アンソニー・ヴェイラー
- 1948年:『十字砲火』 – ジョン・パクストン
- 1949年:『出獄』 – Jerome Cady (死後受賞), Jay Dratler, Leonard Hoffman, Quentin Reynolds
- 1950年:『窓』 - メル・ディネリ; コーネル・ウールリッチ
- 1951年:『アスファルト・ジャングル』 – ベン・マドウ
- 1952年:『探偵物語』 – マイケル・ウィルソン
- 1953年:『五本の指』 – マイケル・ウィルソン; オットー・ラング
- 1954年:『復讐は俺に任せろ』 – シドニー・ボーム
- 1955年:『裏窓』 – ジョン・マイケル・ヘイズ
- 1956年:『必死の逃亡者』 – ジョセフ・ヘイズ
- 1957年:該当作品なし
- 1958年:『十二人の怒れる男』 – レジナルド・ローズ
- 1959年:『手錠のまゝの脱獄』 – ネイサン・E・ダグラス; ハロルド・ジェイコブ・スミス
- 1960年:『北北西に進路を取れ』 – アーネスト・レーマン
- 1961年:『サイコ』 – ジョセフ・ステファノ
- 1962年:『回転』 – ウィリアム・アーチボルド; トルーマン・カポーティ
- 1963年:該当作品なし
- 1964年:『シャレード』 – ピーター・ストーン
- 1965年:『ふるえて眠れ』 – ヘンリー・ファレル; ルーカス・ヘラー
- 1966年:『寒い国から帰ったスパイ』 – ポール・デーン; ガイ・トロスパー
- 1967年:『動く標的』 – ウィリアム・ゴールドマン
- 1968年:『夜の大捜査線』 – スターリング・シリファント
- 1969年:『ブリット』 – ハリー・クライナー; アラン・R・トラストマン
- 1970年:『Z』 – コスタ=ガヴラス; ホルヘ・センプルン
- 1971年:『殺人捜査』 – エリオ・ペトリ; ウーゴ・ピッロ
- 1972年:『フレンチ・コネクション』 – アーネスト・タイディマン
- 1973年:『探偵スルース』 – アンソニー・シェーファー
- 1974年:『シーラ号の謎』 – アンソニー・パーキンス; スティーヴン・ソンドハイム
- 1975年:『チャイナタウン』 – ロバート・タウン
- 1976年:『コンドル』 – デヴィッド・レイフィール; ロレンツォ・センプル・ジュニア
- 1977年:『ファミリー・プロット』 – アーネスト・レーマン
- 1978年:The Late Show – ロバート・ベントン
- 1979年:『マジック』 – ウィリアム・ゴールドマン
- 1980年:『大列車強盗』 – マイケル・クライトン
- 1981年:『ブラックマーブル』 – ジョゼフ・ウォンボー
- 1982年:Cutter's Way – Jeffrey Alan Fiskin
- 1983年:The Long Good Friday – Barrie Keeffe
- 1984年:『ゴーリキー・パーク』 – デニス・ポッター
- 1985年:『ソルジャー・ストーリー』 – チャールズ・フラー
- 1986年:『刑事ジョン・ブック 目撃者』 – William Kelley, アール・W・ウォレス
- 1987年:『サムシング・ワイルド』 – E. Max Frye
- 1988年:『張り込み』 – ジム・カウフ
- 1989年:The Thin Blue Line – Errol Morris
- 1990年:『ヘザース/ベロニカの熱い日』 – ダニエル・ウォーターズ
- 1991年:『グリフターズ/詐欺師たち』 – ドナルド・E・ウェストレイク
- 1992年:『羊たちの沈黙』 – テッド・タリー
- 1993年:『ザ・プレイヤー』 – マイケル・トルキン
- 1994年:『フォーリング・ダウン』 – エブ・ロー・スミス
- 1995年:『パルプ・フィクション』 – クエンティン・タランティーノ
- 1996年:『ユージュアル・サスペクツ』 – クリストファー・マッカリー
- 1997年:『スリング・ブレイド』 – ビリー・ボブ・ソーントン
- 1998年:『L.A.コンフィデンシャル』 – カーティス・ハンソン; ブライアン・ヘルゲランド
- 1999年:『アウト・オブ・サイト』 – スコット・フランク (脚本); エルモア・レナード (小説)
- 2000年:『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 – ガイ・リッチー (脚本)
- 2001年:『トラフィック』 – スティーヴン・ギャガン (脚本); サイモン・ムーア (作家) (オリジナル ミニシリーズ)
- 2002年:『メメント』 – クリストファー・ノーラン
- 2003年:『シカゴ』 – ビル・コンドン
- 2004年:『堕天使のパスポート』 – スティーヴン・ナイト
- 2005年:『ロング・エンゲージメント』 – ジャン=ピエール・ジュネ (脚本); セバスチアン・ジャプリゾ (小説)
- 2006年:『シリアナ』 – スティーヴン・ギャガン (脚本); ロバート・ベア (著書)
- 2007年:『ディパーテッド』 – ウィリアム・モナハン
- 2008年:『フィクサー』 – トニー・ギルロイ
- 2009年:『ヒットマンズ・レクイエム』 – マーティン・マクドナー
- 2010年:該当作品なし
名誉賞・功労賞等
編集- 巨匠賞 (The Grand Master Award)
- 生涯に渡って推理小説に貢献し、良質の作品を多数発表した作家に対して与えられる賞。この賞は、1955年にアガサ・クリスティが受賞したのを皮切りに、1978年まで不定期に行われた。1979年からは、毎年1名が受賞している(2009年のみ、2名が受賞)。
- 大鴉賞 (The Raven Award)
- 作家以外で、ミステリーのジャンルに貢献した人に与えられる。
- ロバート・L・フィッシュ賞 (The Robert L. Fish Memorial Award)
- 1984年から。アメリカの処女短編ミステリー小説の作者に与えられる。
- エラリー・クイーン賞 (The Ellery Queen Award)
歴代の巨匠賞
編集日本への影響
編集受賞作の多くは日本で出版され、その際に宣伝として賞の名前が使用されている。
また日本人作家の作品として、2004年に桐野夏生の『OUT』が、2012年に東野圭吾の『容疑者Xの献身』がそれぞれエドガー賞長編賞に、2018年に湊かなえの『贖罪』がエドガー賞ペーパーバック部門にノミネートされた。2019年には竹内康浩の評論「マークX 誰がハック・フィンの父親を殺したか」がエドガー賞評論部門にノミネートされた。
アメリカ探偵作家クラブ傑作選
編集- 1946年からはじまった、MWAの会員が編者をつとめる、テーマ別アンソロジー
- 日本では以下がハヤカワミステリ文庫から刊行
- あの手この手の犯罪 ロバート・L・フィッシュ編 本国:1975年刊、日本:1982年刊
- レディのたくらみ ミシェル・スラング編
- 眠れぬ夜の愉しみ ハロルド・Q・マスア編
- 犯行現場へ急げ ジョン・ボール編
- 殺人心理学 ルーシー・フリーマン編
- エドガー賞全集 ビル・プロンジーニ編
- 密室大集合 エドワード・D・ホック編
- スペシャリストと犯罪 ローレンス・トリート編
- 犯罪こそわが人生 ブライアン・ガーフィールド編
- 愉快な結末 グレゴリー・マクドナルド編
- ショウほど素敵な犯罪はない メアリ・ヒギンズ クラーク編
- 遠い国の犯罪 ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク編
- 動物たちは共犯者 サラ・パレツキー編
- 新エドガー賞全集 マーティン・H・グリーンバーグ編
- 日本では以下がサンリオから刊行
- 私は目撃者―MWAアメリカ探偵作家協会アンソロジー ブライアン・ガーフィールド 編
脚注
編集- ^ 国立国会図書館 [1] より。米国議会図書館は、1942年からの活動歴が有るとしている[2]。IMDbも参照[3]。なお、en:Leon Ware を同一と見る情報源もある。
関連項目
編集- 推理小説の賞
- 江戸川乱歩賞
- 英国推理作家協会(CWA)賞 - 英国推理作家協会(CWA, The Crime Writers' Association)が主催する賞。ゴールドダガー賞などが含まれる。
- アーサー・エリス賞 - カナダ推理作家協会(Crime Writers of Canada)が主催する賞。「カナダ推理作家協会(CWC)賞」ともいう。
出典
編集- ^ “Edgar Award Category Information”. Mystery Writer of America. 2016年9月26日閲覧。
外部リンク
編集- Mystery Writers of America – Crime doesn’t pay… enough. アメリカ探偵作家クラブ
- Edgars Database(エドガー賞データベース)
- アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞エドガー賞 - ウェイバックマシン(2006年11月6日アーカイブ分)(海外ミステリ総合データベース MISDAS)