アベベ・メコネン
経歴
編集少年時代から陸上競技の素質を見いだされ、マモ・ウォルデらからトレーニングを受けていた[1]。
1985年ワールドカップ広島大会で初めてサブテン(2時間10分未満)を記録。1986年のロッテルダムマラソンでマラソン初優勝を果たす。1988年から1989年にかけてがマラソン選手としてのピークで、4レースに続けてサブテンを記録し、うち3つ(1989年の第93回ボストンマラソンを含む)のレースに優勝し、その一つである1988年の北京国際マラソンでは自己ベストとなる2時間07分35秒を記録した。この記録は四半世紀の長い間コースレコードであった。この活躍により、1988年ソウルオリンピック前後には現役世界最強選手と謳われた。しかし、エチオピアがソウルオリンピック参加を見送ったため、同国のベライン・デンシモ(当時世界最高記録保持者)ともども出場することができなかった。
1988年に出場ならなかったオリンピックには、1992年のバルセロナオリンピック、1996年のアトランタオリンピックにと2度エチオピア代表として出場したが、バルセロナでは途中棄権、アトランタでは2時間29分45秒で81位に終わった。また、世界陸上競技選手権大会でも4度出場しながら3度は途中棄権、完走した1995年のイェーテボリ大会も47位と、これらのビッグタイトルには縁がなかった。 自己記録を出した1988年の北京をはじめ、1989年の福岡、1991年東京世界陸上など、レース中やレース直後に嘔吐することが多かった。
世界クロスカントリー選手権には何度も出場し1993年には2位になっている。
1998年のロンドンマラソンで最後のサブテンを記録。1985年のワールドカップから数えて、足掛け14年もの間サブテンを記録したアベベ・メコネンは、男子マラソンサブテン最長足掛け期間記録保持者である。
マラソン成績
編集年月 | 大会名 | タイム | 順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1984.03 | ウィーン | 2:17:25 | 8位 | |
1984.05 | ミュンヘン | 2:15:40 | 2位 | |
1984.08 | モスクワフレンドシップマラソン | 2:11:30 | 2位 | |
1985.02 | 東京国際マラソン | 2:12:39 | 4位 | |
1985.04 | ワールドカップマラソン(広島) | 2:09:05 | 5位 | |
1985.09 | モントリオール | 2:15:09 | 4位 | |
1985.12 | 福岡国際マラソン | 2:13:23 | 7位 | |
1986.02 | 東京国際マラソン | 2:08:39 | 3位 | |
1986.04 | ロッテルダムマラソン | 2:09:08 | 優勝 | |
1986.06 | アディスアベバ | 2:16:07 | 優勝 | |
1986.09 | モントリオール | 2:10:31 | 優勝 | |
1987.02 | 東京国際マラソン | 2:11:54 | 3位 | |
1987.05 | パリマラソン | 2:11:10 | 優勝 | |
1987.09 | 世界陸上(ローマ) | ----------- | (棄権) | |
1988.02 | 東京国際マラソン | 2:08:33 | 優勝 | |
1988.04 | ロッテルダムマラソン | 2:09:33 | 4位 | |
1988.10 | 北京国際マラソン | 2:07:35 | 優勝 | 自己最高記録 |
1989.04 | ボストンマラソン | 2:09:06 | 優勝 | |
1989.12 | 福岡国際マラソン | 2:14:29 | 7位 | |
1990.04 | ロッテルダムマラソン | 2:11:52 | 2位 | |
1990.08 | 北海道マラソン | ----------- | (棄権) | |
1991.02 | 東京国際マラソン | 2:10:26 | 優勝 | |
1991.04 | ボストンマラソン | 2:11:22 | 2位 | |
1991.09 | 世界陸上(東京) | ----------- | (棄権) | |
1991.12 | 福岡国際マラソン | 2:11:39 | 4位 | |
1992.04 | ボストンマラソン | 2:13:09 | 8位 | |
1992.08 | バルセロナオリンピック | ----------- | (棄権) | |
1993.02 | 東京国際マラソン | 2:12:00 | 優勝 | |
1993.04 | ボストンマラソン | ----------- | (棄権) | |
1993.09 | 世界陸上(シュトゥットガルト) | ----------- | (棄権) | |
1994.02 | 東京国際マラソン | 2:12:13 | 5位 | |
1994.04 | ロンドンマラソン | 2:09:17 | 2位 | |
1994.10 | 北京国際マラソン | 2:11:33 | 2位 | |
1995.02 | 東京国際マラソン | ----------- | (棄権) | |
1995.04 | ロンドンマラソン | 2:20:18 | 28位 | |
1995.08 | 世界陸上(イェーテボリ) | 2:32:35 | 47位 | |
1995.10 | 春川 | 2:20:42 | 11位 | |
1996.03 | びわ湖毎日マラソン | 2:11:55 | 3位 | |
1996.04 | ボストンマラソン | 2:10:21 | 6位 | |
1996.08 | アトランタオリンピック | 2:29:45 | 81位 | |
1996.10 | 北京国際マラソン | 2:13:21 | 7位 | |
1997.03 | 東亜マラソン(慶州) | 2:12:45 | 3位 | |
1997.04 | ロッテルダムマラソン | 2:08:46 | 5位 | |
1997.10 | 春川 | 2:10:27 | 4位 | |
1998.01 | ティベリアス | 2:14:09 | 2位 | |
1998.04 | ロンドンマラソン | 2:09:52 | 5位 | |
1998.06 | サンディエゴ | 2:16:38 | 7位 | |
1998.09 | ベルリンマラソン | 2:12:13 | 8位 | |
1998.10 | 北京国際マラソン | 2:27:34 | 36位 | |
1999.02 | 東京国際マラソン | 2:21:40 | 20位 |
脚注
編集- ^ 山田一廣『アベベを覚えてますか』(壮神社、2004年)には、1979年当時マモが「すばしこくて体が柔らかい。長距離ランナーとしてあいつはものになる」と語っていたことが記されている。
外部リンク
編集- アベベ・メコネン - 国際オリンピック委員会
- アベベ・メコネン - オリンピックチャンネル
- アベベ・メコネン - Olympedia
- アベベ・メコネン - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ
- アベベ・メコネン - 国際陸上競技連盟
- アベベ・メコネン - TrackField.brinkster.net
- アベベ・メコネン - Association of Road Racing Statisticians
先代 カルロス・ロペス |
ロッテルダムマラソン優勝者 1986 |
次代 ベライン・デンシモ |
先代 谷口浩美 |
東京国際マラソン優勝者 1988 |
次代 谷口浩美 |
先代 イブラヒム・フセイン |
ボストンマラソン優勝者 1989 |
次代 ジェリンド・ボルディン |
先代 中山竹通 |
東京国際マラソン優勝者 1991 |
次代 森下広一 |
先代 森下広一 |
東京国際マラソン優勝者 1993 |
次代 スティーブ・モネゲッティ |