アイヴォ・ワッツ=ラッセル
アイヴォ・ワッツ=ラッセル[1](Ivo Watts-Russell、1954年 - )は、イギリスの音楽プロデューサーであり、レコード・レーベルの重役。彼はピーター・ケントとともに、インディーズ・レコード・レーベル「4AD」の共同創設者となった[2]。いくつかのレコードをプロデュースしたが、「音楽監督 (musical director)」という用語を好んで使用している。
生い立ち
編集ワッツ=ラッセルはエディンバラで、デヴィッド・ワッツ=ラッセル少佐とジーナ・スピノーラ(旧姓ベイカー)の8人の子供の末っ子として生まれた。両親のどちらとも「感情的に関わったことはなく」、「ほとんどビクトリア朝みたいな狂気の雰囲気の中で、ノーサンプトンシャーの荒廃した邸宅で」育った[3]。オウンドル・スクールで教育を受けた。父方の祖父であるコールドストリームガーズのアーサー・エガートン・バーチ大尉(植民地行政官アーサー・ノナス・バーチ卿の息子)は、21歳の時に母親の姓を名乗った。彼女はスタッフォードシャーにあるイラム・ホールの上流家庭であるワッツ=ラッセル家の出身だった[4][5][6]。アーサー・エガートン・ワッツ=ラッセル大尉はグレンフェル男爵家出身のシルヴィア・グレンフェルと結婚しており、アイヴォ・ワッツ=ラッセルを通じて戦争詩人ジュリアン・グレンフェルのいとこにあたる[7]。
1977年に、彼はベガーズ・バンケット・レコードがレーベルを立ち上げようとしていたときに参加した[7][8]。
キャリア
編集彼のよく知られた作品の1つは、コクトー・ツインズのデビュー作『ガーランズ』である(コクトー・ツインズの1984年のアルバム『トレジャー』のリード・トラック「アイヴォ」と同名である)[9]。彼はまた、ディス・モータル・コイルを率い、曲を書いたりセレクトして、各曲の担当者の人選を行い、そして時としてキーボードを弾くこともあった。ディス・モータル・コイルの最後のスタジオ・アルバムのリリースから数年後、彼はザ・ホープ・ブリスターというバンドを結成し、プロデュースを行った。『...smile's OK』(1998年) と『Underarms』(1999年)という2枚のアルバムをリリースしている。4ADは最初に『Underarms』を限定版CDとしてリリースしたが、レーベルは2005年に『Underarms and Sideways』として再発し、その2枚目のディスクにはマルクス・ゲントナーによる7つのリミックスが収録されている[10]。
晩年
編集1994年に神経衰弱を患い、1999年に4ADの半分をマーティン・ミルズに売却した。彼はアメリカのサンタフェに移り、現在もそこに住んでいる[7]。
脚注
編集- ^ 「イーヴォ・ワッツ」の表記もある。
- ^ Murphy, Gareth (2014). Cowboys and Indies: The Epic History of the Record Industry. St. Martin's Press. p. 350. ISBN 9781250043375 3 November 2014閲覧。
- ^ “Facing the Other Way: The Story of 4AD by Martin Aston – Review”. TheGuardian.com (12 September 2013). 23 September 2023閲覧。
- ^ Burke's Peerage, Baronetage and Knightage, 107th edition, vol. 2, ed. Charles Mosley, Burke's Peerage Ltd, 2003, p. 1658, "Watts-Russell formerly of Ilam Hall"
- ^ Burke's Landed Gentry, 17th edition, ed. L. G. Pine, Burke's Peerage Ltd, 1952, p. 181, "Birch of Beaumont Hall"
- ^ Burke's Landed Gentry, 18th edition, vol. 2, ed. Peter Townend, Burke's Peerage Ltd, 1969, pp. 543-544
- ^ a b c “4AD: the 'pure' label behind Pixies and Cocteau Twins”. The Guardian (10 October 2013). 6 February 2017閲覧。
- ^ “Facing The Other Way: Ivo Watts-Russell & Vaughan Oliver On 4AD Records”. The Quietus. The Quietus. 6 February 2017閲覧。
- ^ “4AD boss Simon Halliday on living with the label's past, and his vision for its future”. Fact Magazine (7 August 2012). 6 February 2017閲覧。
- ^ “Art-rock Adventurism: The complete 4AD story”. The Vinyl Factory (7 May 2015). 6 February 2017閲覧。
外部リンク
編集- 4AD公式ウェブサイト
- アイヴォ・ワッツ=ラッセル - IMDb
- アイヴォ・ワッツ=ラッセル - オールミュージック
- アイヴォ・ワッツ=ラッセル - Discogs
- 4AD-L Frequently Asked Questions at the Wayback Machine (archived 7 February 2007)(アーカイブ)