アイスクリン
特徴
編集アイスクリームをはじめする、アイスクリーム類乳製品に比べ、乳固形分・乳脂肪分の割合が小さく、氷菓に分類される。また、アイスクリームなどと同じように、香料(フレーバー)を調整することにより様々なバリエーションが存在する[2]。
原材料
編集製法
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アイスクリンの製造は原料の混合・殺菌・攪拌凍結からなり、アイスクリームと比べて単純である。このことから、家庭でもアイスクリンを簡単に作るためのレシピも数多く公開されている。
- 原料の混合
原料を混合し完全に溶解させる。卵の変性を防ぐため常温で混合する。
- 殺菌
混合した原料を加熱し殺菌する。アイスクリンはアイスクリームなどと比べ、大型プラントで作られる機会が少ないため、連続流動式の高温瞬間殺菌法が用いられることが少なく、小型タンクやタブ型の容器を用いたバッチ式の殺菌法がとられていることが多い。
- 撹拌凍結
殺菌された原料をフリーザーへ導入し、空気とともに激しく攪拌しながら凍結させる。出来上がったばかりのアイスクリンはサクサクとした食感ではなく非常に滑らかであるが時間の経過とともに、含有水分が再結晶することによってシャーベット状の食感が生まれる。
アイスクリンの最終工程はアイスクリームの製造工程と同様であり、この時点で取り出されたアイスクリームはソフトクリームと呼ばれる。そのため製造工程から見れば、アイスクリンは通常のアイスクリームよりソフトクリームに近い。
歴史
編集アイスクリンの歴史は、日本でのアイスクリームの歴史から派生したものである[3]。
1860年(万延元年)に咸臨丸で渡米した人たちがアイスクリームを食べた際、「あいすくりん」と呼んだ[4]。1869年(明治2年)に日本初のアイスクリームを横浜馬車道で元旗本の町田房造が「あいすくりん」の名称で販売した[5][3]。当初は外国人にしか売れなかったが、1年のうちに評判を呼び、東京の西洋料理店や西洋洋菓子店のメニューに加わったのをはじめ日本中に広がっていった[5]。その後、アイスクリンは物資事情などから、生クリームや牛乳の代わりに脱脂粉乳や卵を用いたものに変化し、アイスクリームから派生した現在のアイスクリンが生まれたものと考えられる。
販売・消費形態
編集2023年7月現在、以下のメーカーの製品の流通が確認されている。
他にロッテ、赤城乳業等も商標登録しているが、販売中の製品はない[9][10]。
高知城などの観光地付近で移動式パラソルで販売されることが多い[2]。
脚注
編集出典
編集- ^ a b “夏秋冷菓のアイスクリンとは | 夏秋冷菓” (2019年12月20日). 2024年4月28日閲覧。
- ^ a b “アイスクリン|高知の加工食品|高知まるごとネット”. 高知まるごとネット. 2024年4月28日閲覧。
- ^ a b “”あいすくりん”の誕生|アイスクリームの歴史|アイスの国へようこそ|日本アイスクリーム協会”. www.icecream.or.jp. 横浜馬車道で「あいすくりん」誕生. 2024年4月28日閲覧。
- ^ “”あいすくりん”の誕生|アイスクリームの歴史|アイスの国へようこそ|日本アイスクリーム協会”. www.icecream.or.jp. 渡米使節団とアイスクリーム. 2024年4月28日閲覧。
- ^ a b 畑中三応子『ファッションフード、あります。』2013年、紀伊國屋書店 ISBN 9784314010979
- ^ “昔なつかしアイスクリン | アイス”. オハヨー乳業株式会社. 2024年4月28日閲覧。
- ^ “商品詳細 - 高知県産品データベース”. www.kochikensanhin.com. 2024年4月28日閲覧。
- ^ “商品詳細 - 高知県産品データベース”. www.kochikensanhin.com. 2024年4月28日閲覧。
- ^ “第2585890号”. www.j-platpat.inpit.go.jp. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “第5412527号”. www.j-platpat.inpit.go.jp. 2024年8月26日閲覧。