りゅう座42番星 (42 Draconis, 42 Dra) は、りゅう座の方向にある5等級恒星である。2009年に周囲を公転している太陽系外惑星が発見されている[7][8]

りゅう座42番星[1]
42 Draconis[1]
りゅう座42番星(中央)
りゅう座42番星(中央)
仮符号・別名 Fafnir[2][3]
星座 りゅう座
見かけの等級 (mv) 4.823[1]
分類 橙色巨星[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  18h 25m 59.1369601368s[1]
赤緯 (Dec, δ) +65° 33′ 48.531343788″[1]
赤方偏移 0.000106[1]
視線速度 (Rv) 31.79 ± 0.32 km/s[1][4]
固有運動 (μ) 赤経: 105.816 /年
赤緯: -26.846 /年[1]
年周視差 (π) 11.056 ± 0.0841ミリ秒[1]
(誤差0.8%)
距離 295 ± 2 光年[注 1]
(90.4 ± 0.7 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 0.0[注 2]
42番星の位置
物理的性質
半径 21.76 ± 0.43 R[5]
質量 0.879 ± 0.05 M[5]
表面重力 2.1 ± 0.54 (log g)[5]
自転速度 1.76 ± 0.45 km/s[4]
スペクトル分類 K1.5IIIFe-1[1]
光度 142.55 ± 5.77 L[5]
表面温度 4,280 ± 16 K[5]
色指数 (B-V) +1.19[6]
色指数 (U-B) +1.11[6]
色指数 (R-I) +0.63[6]
金属量[Fe/H] -0.48 ± 0.02[4]
年齢 6.47 ± 1.77×109[4]
他のカタログでの名称
BD+65 1271[1]
FK5 3465[1]
HD 170693[1]
HIP 90344[1]
HR 6945[1]
SAO 17888[1]
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概要

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K型のスペクトルを持つ巨星[1]質量太陽よりやや小さいが、半径は20倍以上あることが知られている[5]

惑星系

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2009年に周囲を公転する木星の約4倍の質量を持つ木星型惑星が発見された。天文学者のウラジミール・リラは、Ladon と呼ぶことを提案していたが[9]、2015年12月にアメリカのアマチュア天文愛好家の団体が推した Orbitar という名前が国際天文学連合により正式に採用された[3]

しかし2021年に発表された研究では、観測された最近の主星の視線速度が予想されるりゅう座42番星bの軌道と矛盾しており、観測された視線速度が2つの惑星による影響で生じた可能性はあるものの、りゅう座42番星bの存在に疑義を呈している[10]太陽系外惑星エンサイクロペディアでは惑星の現況を Controversial(論争中)としている[8]

りゅう座42番星の惑星[7]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Orbitar)[8] ≥3.88 ± 0.85 MJ 1.19 ± 0.01 479.1 ± 6.2 0.38 ± 0.06

名称

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固有名の Fafnir[2][3] は、北欧神話に登場するドワーフに変身する能力を持つファフニールに由来する[3]。2015年に国際天文学連合によって太陽系外惑星系の名前の公募と投票が行われた際にこの星系も対象となり、2015年12月15日に国際天文学連合から、アメリカフロリダ州メルボルンにある天文愛好家団体「ブレバード天文協会」が提案した Fafnir が選定されたことが発表された[2][3]。同時に惑星に付けられた名称の Orbitar は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の宇宙開発に敬意を払って作られた造語である[3]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for 42 Dra. 2016年12月11日閲覧。
  2. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年12月11日閲覧。
  3. ^ a b c d e f NameExoWorld”. 国際天文学連合 (2015年12月15日). 2016年12月11日閲覧。
  4. ^ a b c d Jofré, E.; Petrucci, R.; Saffe, C.; Saker, L.; Artur de la Villarmois, E.; Chavero, C.; Gómez, M.; Mauas, P. J. D. (2015). “Stellar parameters and chemical abundances of 223 evolved stars with and without planets”. Astronomy & Astrophysics 574: A50. doi:10.1051/0004-6361/201424474. ISSN 0004-6361. 
  5. ^ a b c d e f Ligi, R.; Creevey, O.; Mourard, D. et al. (2016). “Radii, masses, and ages of 18 bright stars using interferometry and new estimations of exoplanetary parameters”. Astronomy and Astrophysics 586: 23. arXiv:1511.03197. Bibcode2016A&A...586A..94L. doi:10.1051/0004-6361/201527054. A94. 
  6. ^ a b c 輝星星表第5版
  7. ^ a b Döllinger, M. P.; Hatzes, A. P.; Pasquini, L.; Guenther, E. W.; Hartmann, M.; Girardi, L. (2009). “Planetary companion candidates around the K giant stars 42 Draconis and HD 139357”. Astronomy and Astrophysics 499 (3): 935–942. doi:10.1051/0004-6361/200810837. ISSN 0004-6361. 
  8. ^ a b c Jean Schneider. “Planet 42 Dra b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. Paris Observatory. 2016年12月11日閲覧。
  9. ^ Wladimir Lyra (2009). "Naming the extrasolar planets". arXiv:0910.3989v3 [astro-ph.EP]。
  10. ^ Döllinger, M. P.; Hartmann, M. (2021). “A Sanity Check for Planets around Evolved Stars”. The Astrophysical Journal Supplement Series 256 (1): 22. Bibcode2021ApJS..256...10D. doi:10.3847/1538-4365/ac081a. 10. 

関連項目

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