むらくも (護衛艦)
むらくも(ローマ字:JDS Murakumo, DD-118、TV-3511)は、海上自衛隊の護衛艦。みねぐも型護衛艦の3番艦。艦名は「叢雲(群がり集まった雲)」に由来し、日本の艦艇としては旧海軍東雲型駆逐艦2番艦「叢雲」、吹雪型駆逐艦5番艦「叢雲」に続き3代目。
むらくも | |
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基本情報 | |
建造所 | 舞鶴重工業舞鶴造船所 |
運用者 | 海上自衛隊 |
艦種 | 護衛艦(DDK) |
級名 | みねぐも型 |
艦歴 | |
発注 | 1967年 |
起工 | 1968年10月19日 |
進水 | 1969年11月15日 |
就役 |
1970年8月21日 1998年3月16日(練習艦に種別変更) |
退役 | 2000年6月13日 |
要目 | |
基準排水量 | 2,150 トン |
満載排水量 | 2,800 トン |
全長 | 115m |
最大幅 | 11.8m |
深さ | 7.8m |
吃水 | 4.0m |
機関 | マルチプル・ディーゼル方式 |
主機 |
三井造船1228V3BU-38Vディーゼル × 4基 三井造船1628V3BU-38Vディーゼル × 2基 |
出力 | 26,500PS |
推進器 | スクリュープロペラ × 2軸 |
速力 | 27ノット |
乗員 | 220名 |
兵装 |
68式3インチ50口径連装速射砲 × 2基(後に1基撤去) 62口径76mm単装速射砲 × 1基(1979年3月、後部3インチ砲から換装) 74式アスロック8連装発射機 × 1基(1979年3月装備) ボフォース対潜ロケット4連装発射機 × 1基 68式3連装短魚雷発射管×2基 |
搭載機 | QH-50 DASH×2機(1979年3月廃止) |
FCS |
72式射撃指揮装置1型B 射撃指揮装置2型試作機(1975年10月装備、後2型-21Eに換装) Mk.63 砲射撃指揮装置(1975年撤去) |
レーダー |
OPS-11B 対空 OPS-17 水上 |
ソナー |
66式探信儀 OQS-3 SQS-35 可変深度式ソナー |
電子戦・ 対抗手段 |
NOLR-1B ESM →NOLR-6(1983年6月換装) |
艦歴
編集「むらくも」は、第3次防衛力整備計画に基づく昭和42年度計画2,100トン型護衛艦2206号艦として、舞鶴重工業舞鶴造船所で1968年10月19日に起工され、1969年11月15日に進水、1970年8月21日に就役し、第1護衛隊群第22護衛隊に編入され呉に配備された。
本艦は艦尾を1m延長し基準排水量が50トン増加、VDS(可変深度ソナー)を新造時から装備され艦橋上には上部指揮所が新設された。
1975年度の特定修理の際に、後部Mk-63射撃指揮装置を撤去し、国産の射撃指揮装置2型を搭載する工事を行い10月に完工した。その後、同射撃指揮装置の海上試験を行った。
1978年9月27日から1979年3月30日の間で特別改装工事を行い、後甲板のダッシュ装置を撤去し、アスロック発射機を装備。また、後部の3インチ砲を撤去してオート・メラーラ社製の62口径76mm単装速射砲に換装した。これは、同砲が海上自衛隊の新型護衛艦の主砲として採用が決まったため、その事前試験をするために購入し本艦に搭載した。以後、射撃指揮装置2型の機能試験とともに76mm砲の試験も実施した。
1982年3月27日、第22護衛隊が第2護衛隊群隷下に編成替え。
1985年3月27日、第3代護衛艦隊旗艦となり定係港が横須賀に転籍。指揮管制関連装備の新設・改造工事が施される。
1998年3月16日、練習艦に種別変更され、艦籍番号がTV-3511に変更。練習艦隊第1練習隊に編入され、定係港が再び呉に転籍。なお、練習艦への改造工事は2月9日から4月24日の間で行われ、アスロック弾庫を撤去し、実習員講堂を新設した。
2000年6月13日、除籍。総航程は620,329浬に達した。
参考文献
編集- 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
- 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
- 『世界の艦船 第750集』海人社、2011年11月号