まめバス
まめバスは、千葉県野田市が運行するコミュニティバスの愛称。正式名称は野田市コミュニティバスであるが、旅客向け案内では「まめバス」が多用される。野田市と関宿町の合併を機に運行開始された。茨城急行自動車と朝日自動車に運行を委託している。
概要
編集かつて合併前の野田市内と関宿町内には、東武鉄道直営時代の東武バス(野田営業所・境営業所)が一般路線バスを運行していた。
1993年7月26日、東武バス野田営業所が野田市からの委託を受け、野田市内循環線(市役所 - 野田車庫 - 市役所 - 愛宕 - 中野台 - 下町 - 野田車庫)間を運行開始した[1]。この路線はコミュニティバス的な路線で、試験運行的な性格が強かったが利用不振により短期間で運行終了し、1997年9月30日をもって廃止された。
東武バス境営業所は境出張所への格下げを経て1999年に朝日自動車境営業所へ移管、東武バス野田営業所は野田出張所への格下げを経て2001年に茨城急行自動車野田営業所へ移管された。東武の路線はそれぞれの会社へ移管され、東武バスは野田市から完全に撤退した。
2003年6月6日に野田市は関宿町を合併(編入合併)したが、合併の際の新市設立計画の中で「都市基盤の整備」の項目にコミュニティバスの運行が盛り込まれた。合併協議会やそれに伴う住民説明会などで市民の意見などを取り入れながらコミュニティバスの運行計画案をまとめ、2004年1月9日より運行が開始された。
野田市の枝豆の出荷量が全国一であること、小回りのきく小さいバスであること、市民にこまめに乗ってもらいたいことなどから、一般公募により「まめバス」の愛称が付けられた。車両デザインにも枝豆の色や形が取り入れられている。また専用車両の上部や、主要ターミナルのバス停に設置された雨よけの上部に「まめバス」と書かれた枝豆のオブジェが設置されているのが特徴である。
インターネットラジオ配信サイトの音泉で配信されている番組『ほめられてのびるらじおPP』第179回(2010年8月26日配信分)で、まめバスが「そうだ、ニッポンを知ろう!」のコーナーで取り上げられた。
2023年10月7日に茨城急行自動車野田営業所が松伏営業所へ統合された[2][3]。
運行事業者
編集利用状況
編集運行開始以降の利用者数は増加傾向にあり、2007年9月に利用者数100万人を達成した。
- 2004年1月 - 2005年3月期:25万9,000人
- 2005年度:29万4,000人
- 2006年度:30万7,000人
- 2007年度:34万8,000人
- 2012年6月3日:利用者数260万人突破。
沿革
編集- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)4月1日:新ルートを開設。
- 2007年(平成19年)10月1日:新ルート(新南・新北ルート)開設。
- 2011年(平成23年)4月1日:各ルートのルート・ダイヤ改正。
- 2019年(平成31年)4月1日:各ルートのルート・ダイヤ改正。ルートの分割により、運営会社を朝日自動車と茨城急行自動車に分ける[5]。
- ルート・ダイヤの大幅な変更を行い、同時に各ルートに番号が付けられた。また一部の土・休日運休をやめ、全ルートが毎日運行するようになった(年末年始を除く)。
- 2021年(令和3年)7月1日:関宿城ルート・北ルート関宿(七光台経由)・北ルート関宿(イオンタウン経由)のダイヤ改正[6]。
運賃・乗車券類
編集現行路線
編集2019年4月1日以降の路線。年末年始(12月31日 - 1月3日)は全便運休する。後述するとおり、かつては12月29日・12月30日も運休対象であったが、現行路線では29日・30日は土休日ダイヤで運行されている。
1 関宿城ルート
編集運行は朝日自動車
関宿中央ターミナル行き始発便、関宿城博物館行き最終便は「やすらぎの郷」を経由しない。
2 北ルート関宿(七光台経由)
編集運行は朝日自動車
野田病院は平日の一部の便のみ経由する。
3 北ルート関宿(イオンタウン経由)
編集運行は朝日自動車
イオンタウン野田七光台を経由する。野田病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 関宿中央ターミナル - いちいのホール - 羽貫 - 木間ケ瀬小前 - (野田病院) - イオンタウン - 北コミセン入口 - 川間駅南口
4 新北ルート
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- いちいのホール - 下総利根大橋入口 - 木間ケ瀬小前 - 関宿総合公園 - 須賀神社入口 - 川間駅南口 - 北コミセン入口 - イオンタウン - 清水公園駅東口 - (キッコーマン病院) - 市役所
5 北ルート清水
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- イオンタウン - 北コミセン入口 - 川間駅南口 - 総合公園 - 清水公園駅 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所
- イオンタウン → 北コミセン入口 → 川間駅南口(平日の最終便のみ)
6 北ルート堤台
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 川間駅南口 - 七光台駅 - 桜の里2丁目 - 堤台向山 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所
7 中ルート
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 堆肥センター入口 - イオンタウン - 北コミセン入口 - 川間駅南口 - 堤台向山 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所 - 前耕地 - ゆめあぐり野田 - 堆肥センター入口
8 南ルート中根
編集運行は茨城急行自動車
- 市役所 → ノア前 → 桜台南 → 花井 → 梅郷駅 → みずき通り → みずき4丁目公園 → 緑ヶ丘公園 → 西亀山 → 緑ヶ丘公園 → みずき4丁目公園 → みずき通り → 梅郷駅 → 花井 → 桜台南 → ノア前 → 市役所
9 南ルート愛宕駅
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 市役所 → (キッコーマン病院) → 愛宕駅 → 上町 → 仲町 → 桜台南 → 大和田 → 梅郷駅 → みずき4丁目公園 → みずき通り → ハローワーク野田 → 梅郷駅 → 大和田 → 桜台南 → 仲町 → 上町 → 愛宕駅 → (キッコーマン病院) → 市役所
10 南ルート大殿井
編集運行は茨城急行自動車
- 市役所 → 野田市駅 → さわやかワークのだ → 大殿井 → 下鹿野 → 電建第一住宅 → みどり橋 → 大殿井 → さわやかワークのだ → 野田市駅 → 市役所
- 野田市駅 → 市役所(平日の始発便のみ)
- 市役所 → 野田市駅 → さわやかワークのだ → 大殿井 → 下鹿野 → 電建第一住宅 → みどり橋 → 大殿井 → さわやかワークのだ → 野田市駅(最終便のみ)
11 南ルート(循環)
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 老人福祉センター - 野田梅郷住宅 - 二ツ塚 - 野田梅郷住宅入口 - 電建第一住宅 - みどり橋 - 大殿井 - さわやかワークのだ - ノア前 - 市役所 - (キッコーマン病院) - 愛宕駅 - 中野台 - 欅のホール - 仲町 - 桜台南 - 大和田 - 梅郷駅 - ハローワーク野田 - みずき通り - みずき4丁目公園 - 緑ヶ丘公園 - 老人福祉センター
- 老人福祉センター → 緑ヶ丘公園 → みずき4丁目公園 → みずき通り → ハローワーク野田 → 梅郷駅(平日の最終便のみ)
12 新南ルート
編集運行は茨城急行自動車
キッコーマン病院は平日の一部の便のみ経由する。
- 老人福祉センター - 梅郷駅 - 今上上中 - 欅のホール - 中野台 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所 - 野田市駅 - さわやかワークのだ - 大殿井 - 下鹿野 - 保木間 - 大利根温泉
- 野田市駅 → さわやかワークのだ → 大殿井 → 下鹿野 → 大利根温泉(始発便のみ)
- 大利根温泉 → 保木間 → 下鹿野 → 大殿井 → さわやかワークのだ → 野田市駅(平日の最終便のみ)
過去の路線
編集2019年3月31日までの路線。年末年始(12月29日 - 1月3日)は全便運休する。一部ルートでは、土曜と休日は運休するものもあった。
関宿城ルート(土・休日運休)
編集北ルート
編集関宿中央ターミナルと市役所を結ぶ路線である。清水公園駅を経由する清水経由と、堤台向山・イオンタウンを経由する堤台経由が運転されていた。
- 関宿中央ターミナル - いちいのホール - 羽貫 - 木間ケ瀬小前 - (野田病院) - 七光台 - 北コミセン入口 - 川間駅南口 - 清水公園駅 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所
- 関宿中央ターミナル - いちいのホール - 羽貫 - 木間ケ瀬小前 - (野田病院) - イオンタウン - 北コミセン入口 - 川間駅南口 - 堤台向山 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所
新北ルート(土・休日運休)
編集いちいのホールと市役所を結ぶ路線である。
- いちいのホール - 下総利根大橋入口 - 木間ケ瀬小前 - 関宿総合公園 - 須賀神社入口 - 川間駅南口 - 七光台駅 - 桜の里2丁目 - 堤台向山 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所
中ルート(土・休日運休)
編集小山を起終点とする小山経由と、堆肥センター入口・USS流通会場前を起終点とする木野崎経由が運転されていた。
- 小山 - イオンタウン - 清水公園駅東口 - 愛宕駅 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所 - 前耕地 - 小山
- 堆肥センター入口・USS流通会場前 - イオンタウン - 清水公園駅東口 - 愛宕駅 - 中野台 - 欅のホール - 上町 - 愛宕駅 - (キッコーマン病院) - 市役所 - 斎場前 - 堆肥センター入口・USS流通会場前
南ルート
編集老人福祉センターを起終点とする循環ルートである。
- 老人福祉センター - 野田梅郷住宅 - 二ツ塚 - 野田梅郷住宅入口 - 電建第一住宅 - みどり橋 - 大殿井 - さわやかワークのだ - ノア前 - 市役所 - (キッコーマン病院) - 愛宕駅 - 中野台 - 欅のホール - 仲町 - 桜台南 - 大和田 - 梅郷駅 - ハローワーク野田 - みずき通り - みずき4丁目公園 - 緑ヶ丘公園 - 老人福祉センター
新南ルート
編集みずき4丁目公園と大利根温泉を結ぶ路線である。今上上中(いまがみ かみなか)を経由する今上経由と、花井を経由する花井経由が運転されていた。
車両
編集- 現行車両
- 日野・ポンチョ(2代目ショートボディ、定員29名) - 13台
- 枝豆を意識した黄緑色をベースとし、大豆のベージュ色、小豆の小豆色が使われており、前述のとおり上部には枝豆のオブジェが置かれている。
- 前方には100円を意識したイラストが、側面と後方部分にはイメージキャラクターが描かれている。当初はまめバスのキャラクターである「まめ太郎」[7]のみが描かれていたが、後に野田市に関連するキャラクターである「やんわりまえだ君」(野田みこしパレードPRキャラクター)、「のんちゃん」(野田夏まつり躍り七夕PRキャラクター)、「やど助」(関宿商工会青年部キャラクター)の3体が、まめ太郎と並んでデザインされるようになった。
- 100円バスであることから、全車両が希望ナンバーで「100」を取得している。
- 過去の車両
- 日野・ポンチョ(初代)
- 旧型車は、車椅子は横と後ろのスロープで2台まで乗ることができる。
- 代走
脚注
編集- ^ 東武鉄道社史編纂室編『東武鉄道百年史 沿線とともに歩んだ百年』東武鉄道、1998年(平成10年)9月。
- ^ a b 重要なお知らせ | 茨城急行自動車松伏営業所移転と野田営業所廃止・統合のお知らせ
- ^ a b “茨城急行自動車株式会社野田営業所の廃止等について”. 野田市役所企画財政部企画調整課 (2023年10月3日). 2023年10月8日閲覧。
- ^ コミュニティバス 朝日自動車
- ^ “平成31年4月から新運行計画による運行を開始”. 野田市役所企画財政部企画調整課. 2021年11月30日閲覧。
- ^ “令和3年7月1日から3ルートでまめバス時刻表を改正”. 野田市役所企画財政部企画調整課 (2021年6月11日). 2021年11月30日閲覧。
- ^ 『まめバス公式キャラクター愛称決定』(プレスリリース)野田市、2019年11月27日 。2022年2月13日閲覧。