はなあかり
はなあかりは、西日本旅客鉄道（JR西日本）が保有する鉄道車両の愛称である。本項ではこの車両を使用した観光列車についても記述する。
概要
編集2022年（令和4年）10月12日に行われた社長会見[1]において導入が発表された[2]。
「季節ごとに、運行エリアを変えて、お客様と各地域を結び、地域のとっておきを発信する」列車として、JR西日本管内の各路線で運行することを想定している[1][2]。第1弾は、2024年（令和6年）秋より開催される「北陸デスティネーションキャンペーン」[3][4]開催に併せ、同年3月16日に金沢駅 - 敦賀駅間が延伸開業した北陸新幹線に接続する小浜線を中心に、若狭・京都府北部を経由し城崎温泉を結ぶ観光列車として運行される[1][2]。
車両デザインは「WEST EXPRESS 銀河」や「やくも」用の273系電車などを手掛けた川西康之が監修している[1][5]。
列車名の由来
編集列車名は「地域に光を当て、地域が華やぐイメージ」「西日本の様々な地域のとっておきに「あかりを灯す」列車であること、地域を明るく する列車であることを表現」としている[6]。
運行形態
編集2024年（令和6年）秋
編集| はなあかり | |
|---|---|
| 概要 | |
| 国 |
 日本 |
| 種類 | 特別急行列車 |
| 現況 | 運行中 |
| 地域 | 福井県・京都府・兵庫県 |
| 運行開始 | 2024年10月5日 |
| 運営者 |
西日本旅客鉄道（JR西日本） WILLER TRAINS（京都丹後鉄道）[注 1] |
| 路線 | |
| 起点 | 敦賀駅 |
| 停車地点数 |
下り：9 下り：11 （起終点含む） |
| 終点 | 城崎温泉駅 |
| 営業距離 | 184.4 km (114.6 mi) |
| 運行間隔 |
土曜日：下りのみ1本 日曜日：上りのみ1本 |
| 使用路線 |
JR西日本：小浜線・山陰本線 京都丹後鉄道：宮津線（宮舞線・宮豊線） |
| 車内サービス | |
| クラス | スーペリアグリーン車・グリーン車 |
| 座席 |
スーペリアグリーン車（指定席）：1号車 グリーン車（指定席）：2・3号車 |
| その他 | 2号車はフリースペース |
| 技術 | |
| 車両 | キハ189系気動車（吹田総合車両所京都支所） |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 電化 |
直流1,500 V（敦賀駅 - 西舞鶴駅・宮津駅 - 天橋立駅・豊岡駅 - 城崎温泉駅）[注 2] 非電化（西舞鶴 - 宮津駅・天橋立駅 - 豊岡駅間） |
| 最高速度 |
85 km/h（小浜線・宮津線） 95 km/h（山陰本線）[注 3] |
2024年（令和6年）10月5日 - 12月22日まで、土曜日に敦賀発城崎温泉行き、日曜日に城崎温泉発敦賀行きが1日1本ずつ運行される[7][8]。ただし、城崎温泉行きは宮津駅・天橋立駅・夕日ヶ浦木津温泉駅からの乗車、敦賀行きは宮津駅・天橋立駅・夕日ヶ浦木津温泉駅での降車は不可となっている[8]。
小浜駅 - 天橋立駅間において、地元食材を使用した弁当が用意される[8]。ただし、観光ナビ「tabiwa by WESTER」[9]での事前予約に加え、小浜駅 - 天橋立駅間を通し乗車する場合のみ購入可能となっている[8]。
停車駅
編集敦賀駅 - 美浜駅 -〔十村駅〕-〔上中駅〕- 小浜駅 -〔若狭本郷駅〕-（若狭高浜駅）- 東舞鶴駅 - 宮津駅 - 天橋立駅 - 夕日ヶ浦木津温泉駅 - 城崎温泉駅
- （ ）は城崎温泉行きのみ停車、〔 〕は敦賀行きのみ停車[8]。
| 実施駅・区間 | 内容 |
|---|---|
| 美浜駅 | ノベルティグッズの配布 道の駅 若狭美浜はまびよりでで利用できる割引券の配布 スタンプラリーの実施 へしこの試食・地酒の試飲（下りのみ） |
| 若狭本郷駅 （上りのみ） |
「SL義経号」と「風車の駅」を背景に記念撮影 特産品の販売 来訪記念の硬券ノベルティ配布 |
| 東舞鶴駅 | 横断幕を手にお見送り ホームにフォトパネルを設置 お土産の販売 |
| 夕日ヶ浦木津温泉駅 - 城崎温泉駅 （10月5日のみ） |
麦わら細工についての解説 |
| 展示車両 | 内容 |
|---|---|
| 全車両 | 越前和紙フラワー |
| 1号車 | 越前和紙フラワーアート |
| 1号車 | 丹後テキスタイルアート |
2025年（令和7年）冬
編集2025年（令和7年）1月6日 - 3月14日まで、木曜日を除き、大阪駅 - 浜坂駅間で運行される臨時特急「かにカニはまかぜ」の増結車両して運行される[10]。
増結期間中はスーペリアグリーン車に展示されている調度品が、兵庫県の工芸品・アート作品に入れ替えられる[10]。
使用車両・編成
編集| はなあかり | ||||||||||||||||
小浜線基準 ← 城崎温泉 敦賀 →
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吹田総合車両所京都支所に所属するキハ189系気動車H5編成（3両編成）を使用する[1][2][11][13]。改造は後藤総合車両所で施工された[13]。
キハ189系は全車普通車で新造されたが、改造後は全車グリーン車となり、形式が「キハ」から「キロ」へ変更され、元番号+7000となっている[13]。
1号車は「スーペリアグリーン車」として、グリーン車よりグレードの高い設備として新設され、個室空間となっている[6][14]。2号車は「フリースペース」として、特産品の販売やイベント等に使用される[11]。
| 展示車両 | 内容 |
|---|---|
| 全車両 | 京紐組タッセル |
| 全車両 | 京織物おじゃみ座布団 |
| 1号車 | 出雲たたら製鉄一輪挿し |
| 2・3号車 | 高岡銅器一輪挿し |
乗車には乗車人数分の運賃+特急料金に加え、グリーン料金またはスーペリアグリーン料金が必要となる[7][10]。2024年（令和6年）秋の運行では、京都丹後鉄道線内では、別途1,500円のグリーン料金（等級関係なく一律）が必要となる[7]。
| 区間 | 料金 |
|---|---|
| 100 kmまで | 7,000円 |
| 200 kmまで | 10,000円 |
| 400 kmまで | 12,780円 |
| 600 kmまで | 15,200円 |
沿革
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g 2022年10月社長会見 (PDF) - 西日本旅客鉄道（2022年10月12日）
- ^ a b c d e f 特別な旅を創る新たな観光列車～2024年秋 デビュー～ (PDF) - 西日本旅客鉄道（2022年10月12日）
- ^ 北陸デスティネーションキャンペーン - 西日本旅客鉄道・富山県・石川県・福井県（2024年10月21日閲覧）
- ^ 北陸デスティネーションキャンペーン - JRおでかけネット（2024年10月21日閲覧）
- ^ 車両紹介｜はなあかり - JRおでかけネット（2024年8月29日時点でのアーカイブ）
- ^ a b c d e 特別な旅を創る新たな観光列車の列車名・デザインについて (PDF) - 西日本旅客鉄道（2023年10月25日）
- ^ a b c d e f g h 観光列車「はなあかり」運行開始!! (PDF) - 西日本旅客鉄道（2024年8月21日）
- ^ a b c d e f g h 運行情報｜はなあかり - JRおでかけネット（2024年8月21日時点でのアーカイブ）
- ^ 観光ナビ「tabiwa by WESTER」 - JRおでかけネット（2024年10月21日閲覧）
- ^ a b c d e f 観光列車「はなあかり」編成を冬季は特急「かにカニはまかぜ」に増結して運行!! (PDF) - 西日本旅客鉄道（2024年10月18日）
- ^ a b c d 運行情報｜はなあかり - JRおでかけネット（2024年8月29日時点でのアーカイブ）
- ^ a b 「キハ189系「はなあかり」」-『鉄道ファン』2024年11月号（No.763）、P.52
- ^ a b c d 「キハ189系「はなあかり」が登場」-『railf.jp（鉄道ニュース）』、交友社（2024年6月28日）
- ^ a b 「キハ189系「はなあかり」」-『鉄道ファン』2024年11月号、P.53
- ^ 「観光列車「はなあかり」が営業運転を開始」-『railf.jp（鉄道ニュース）』、交友社（2024年10月7日）
参考文献
編集関連項目
編集
- 日本の列車愛称一覧
- デスティネーションキャンペーン
- WEST EXPRESS 銀河 - 区間を限定せず、広域運用される臨時特急列車。
外部リンク
編集- はなあかり - JRおでかけネット