ざおう (巡視船)
「ざおう」(Zaō)は、海上保安庁のヘリコプター1機搭載型巡視船。つがる型巡視船の4番船にあたる。船種記号は、当初は他の大型巡視船と同じPL(Patrol vessel Large)とされていたが、後にPLH(Patrol vessel Large with Helicopter)に変更された[注 1]。また公称船型も、当初は単に「ヘリコプター搭載型」と称されていたが、2機搭載のみずほ型の出現によって「ヘリコプター1機搭載型」となった[3]。
ざおう | |
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基本情報 | |
船種 | 巡視船 (ヘリコプター1機搭載型) |
船籍 | 日本 |
運用者 | 海上保安庁 |
建造所 | 三菱重工業長崎造船所 |
母港 | 宮城 |
船舶番号 | 125966 |
信号符字 | 8KPB |
IMO番号 | 8221179 |
経歴 | |
発注 | 昭和55年度 |
起工 | 1980年10月23日[1] |
進水 | 1981年10月29日[1] |
竣工 | 1983年3月19日[1] |
要目 | |
総トン数 | 3,245トン(旧)[2] |
全長 | 105.0メートル |
幅 | 15.0メートル |
詳細な要目表はつがる型巡視船を参照 |
船歴
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1983年3月19日に竣工し、塩釜海上保安部(現在の宮城海上保安部; 第二管区)に配属された。大型巡視船の船名は、本来なら海峡・島嶼に由来することになっているが、塩釜海上保安部付近には金華山海峡以外に海峡・島嶼が無く、仮に「きんかさん」または「きんか」と命名しても「金隠し」などと揶揄される可能性があった。このため、巡視船の命名基準としては本来なら小型巡視船に用いられる山の名前ではあるが、蔵王連峰に因んで「ざおう」と名づけられた[4]。
2011年の東日本大震災の際には、地震発生から津波到達まで猶予がなかったことから出港できず、停泊状態で津波を受けたために係留索が切断し、漂流状態となったが、船内にいた一部の乗組員によって錨を投入し、座礁を免れた[5]。
平成30年度予算で延命・機能向上工事費が認められ、2019年8月にかけて工事を受けた[6]。改修費は約32億円であった[7]。
搭載機の変遷
編集機種 | 機番 | 愛称 | 配属期間 |
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ベル 212 | MH574 | しおかぜ | 1982年9月21日-2011年3月11日 |
MH566 | 2012年3月14日-2015年11月19日 | ||
MH930 | 2015年7月7日-2016年1月13日 | ||
シコルスキー S-76D | MH920 | うみねこ | 2015年12月22日- |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c Wertheim 2013, pp. 383–384.
- ^ 海人社 2001.
- ^ a b 海人社 1986.
- ^ 邊見 1993.
- ^ 第二管区海上保安本部 (March 2016). 東日本大震災への対応-第二管区5年間の対応、あの日を忘れないために (PDF) (Report).
- ^ “ヘリ巡「ざおう」が延命工事から復帰”. 世界の艦船. (2019年9月26日)
- ^ “宮城海保の巡視船ざおう大規模改修 東北の海、再び守る”. 河北新報. (2019年8月27日)
参考文献
編集- 海人社 編「海上自衛隊・海上保安庁 艦船の動向 : 昭和60年度を顧みて」『世界の艦船』第366号、海人社、61-67頁、1986年7月。NDLJP:3292150。
- 海人社 編「海上保安庁 PLHの全貌」『世界の艦船』第590号、海人社、53-59頁、2001年12月。 NAID 40002156202。
- 邊見正和『海上保安庁 巡視船の活動 (交通ブックス201)』成山堂書店、1993年。ISBN 4-425-77001-3。
- Wertheim, Eric (2013), The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World (16th ed.), Naval Institute Press, ISBN 978-1591149545