ぐんまワンデーパス
ぐんまワンデーパス・ぐんまワンデーローカルパスは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が発売する特別企画乗車券(トクトクきっぷ)。主に群馬県内の鉄道路線をフリーエリアとして、前者は2022年3月22日より、後者は同年11月9日より発売されている[1][2][3][4]。
本項では、前身の特別企画乗車券にあたる「ぐんまワンデーパス」[注 1]「ぐんまツーデーパス」、「ぐんまワンデーパスSP」「ぐんまツーデーパスSP」、「ぐんまワンデー世界遺産パス」についても併せて記す。
概要
編集2010年に「ぐんまワンデーパス」(初代)および「ぐんまツーデーパス」が発売され、フリーエリアは群馬県内のJR東日本線のみとなっていた。
2011年から2013年までは「ぐんまワンデーパスSP」および「ぐんまツーデーパスSP」として発売され、フリーエリアも群馬県内の鉄道ほぼ全線および、隣接する栃木県の一部路線に乗車できるようになった。
2014年7月1日より、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録が決定したことを記念して、それまでの「ぐんまワンデーパスSP」をマイナーチェンジする形で「ぐんまワンデー世界遺産パス」として発売されることとなった[5]。フリーエリアは「ぐんまワンデーパスSP」の全エリアに加えて、高崎線の深谷 - 新町間が追加され[注 2]、埼玉県の一部路線も含まれることとなった。2019年にはバス路線であるジェイアールバス関東志賀草津高原線の一部区間がフリーエリアに追加された[6]。2021年利用分以降はJR線に限り自動改札機を利用できるようになった[注 3]。
2022年4月利用分より、ジェイアールバス関東碓氷線がフリーエリアに追加され、券名が登場当初の名称である「ぐんまワンデーパス」に変更された[1]。さらに特典として、JR東日本レンタリース指定の営業所で、駅レンタカーSクラスが2000円引きで利用できる「駅レンタカー利用補助券」が追加された[1]。当初は、9月30日までの発売だったが[2]、2023年3月31日に期間が延長された[3][注 4]。
2022年11月8日、前橋市・JR東日本高崎支社・ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構による三者連携協定が締結されたことにより[8]、翌11月9日から「ぐんまワンデーローカルパス」が発売された[4]。スマートフォンサイト「GunMaaS」[注 5]で購入し、チケット画面を係員に提示することで利用する形式のデジタルチケットである。「ぐんまワンデーパス」と概ね効力は共通しているが、新幹線区間がフリーエリアから除外されていること、「駅レンタカー利用補助券」の利用可能日が「ぐんまワンデーパス」と比べて限定されているという差異がある。それに伴い発売額が「ぐんまワンデーパス」よりも低廉に設定された[4](後述)。
フリーエリア内では、普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗車できる。また、東武鉄道を含む特急列車および新幹線は特急券を購入することで乗車でき、さらに指定席への乗車は座席指定券、グリーン車への乗車はグリーン券を購入することで利用可能となる。ただし、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車では利用することができないため、乗車する区間の乗車券および整理券を別途購入する必要がある。
それぞれのフリーエリアの詳細については、以下に説明する。
ぐんまワンデーパス・ぐんまワンデーローカルパス
編集利用期間中の1日間、フリーエリア内の普通列車(快速含む)の普通車自由席が乗り降り自由のきっぷである[注 6]。
さらに特典として、JR東日本レンタリース指定の営業所で、駅レンタカーSクラスが2000円引きで利用できる「駅レンタカー利用補助券」が付属する[注 7]。「補助券」の有効期間は、「ぐんまワンデーパス」は本券の有効日の前日・当日・翌日のいずれか1日間[注 8][1][2][3]、「ぐんまワンデーローカルパス」は利用日当日のみ[4]。
「ぐんまワンデーパス」の2023年版は以下のように設定されている[9]。
「ぐんまワンデーローカルパス」は発売期間・利用期間とも2022年11月9日から2024年3月31日まで[注 9]となっている。
「ぐんまワンデーパス」は購入時に利用日を指定する必要がある。「ぐんまワンデーローカルパス」は購入時に利用日を指定せず、利用当日に旅客がスマートフォンで使用開始操作を行うことで利用可能となる[4]。
内容
編集2023年版のフリーエリアは以下の通り[9]。
- 東日本旅客鉄道
- ジェイアールバス関東
- 志賀草津高原線(長野原草津口駅 - 草津温泉バスターミナル間)
- 碓氷線(横川 - 軽井沢間)
発売額は以下の通り。
過去に発売されていた同様の特別企画乗車券
編集ぐんまワンデーパス(初代)・ぐんまツーデーパス
編集2010年6月1日から9月30日までの間、「ぐんまワンデーパス」(初代)および「ぐんまツーデーパス」として発売されていた[10]。「ぐんまワンデーパス」(初代)は1日間、「ぐんまツーデーパス」は連続する2日間有効。
内容
編集フリーエリアは以下の通りであった。
- 東日本旅客鉄道
発売額は以下の通りであった。
- ぐんまワンデーパス(初代)
- おとな 1,500円
- こども 750円
- ぐんまツーデーパス
- おとな 2,800円
- こども 1,400円
ぐんまワンデーパスSP・ぐんまツーデーパスSP
編集2011年から2013年にかけて、2010年に発売された「ぐんまワンデーパス」(初代)および「ぐんまツーデーパス」をリニューアルする形で発売された。JR線以外の路線もフリーエリアに追加され、群馬県内の鉄道路線ほぼ全線を網羅するようになった[11]。「ぐんまワンデーパスSP」は1日間、「ぐんまツーデーパスSP」は連続する2日間有効。
内容
編集フリーエリアは以下の通りであった。わたらせ渓谷鐵道については、年ごとにフリーエリアが変わっていた。
- 東日本旅客鉄道
- 高崎線(新町 - 高崎間)
- 八高線(群馬藤岡 - 倉賀野間)
- 上越線(高崎 - 土合間)
- 信越本線(高崎 - 横川間)
- 両毛線(全線)
- 吾妻線(全線)
- 上越新幹線(高崎 - 上毛高原間)
- 北陸新幹線(高崎 - 安中榛名間)
- 東武鉄道
- 桐生線(全線)
- 小泉線(全線)
- 伊勢崎線(川俣 - 伊勢崎間)
- 佐野線(館林 - 佐野間)
- 上信電鉄(全線)
- 上毛電気鉄道(全線)
- わたらせ渓谷鐵道
- 2011年 - 全線
- 2012年 - なし(全線フリーエリア外)
- 2013年 - 桐生 - 沢入間
2013年の発売額は以下の通りであった。
- ぐんまワンデーパスSP
- おとな 1,900円
- こども 950円
- ぐんまツーデーパスSP
- おとな 3,600円
- こども 1,800円
ぐんまワンデー世界遺産パス
編集2014年から2021年[注 10]にかけて、それまでの「ぐんまワンデーパスSP」をリニューアルする形で発売された。有効期間は1日間[注 11]。
発売期間・利用期間の変更が度々あったため、以下に年ごとの発売期間・利用期間を記す。
- 2014年 - 発売期間・利用期間ともに7月1日から12月31日[5]
- 2015年 - 発売期間・利用期間ともに5月1日から12月31日
- 2016年・2017年 - 発売期間・利用期間ともに7月1日から12月31日[12][13]
- 2018年 - 発売期間は6月21日から12月31日[注 12]、利用期間は7月1日から12月31日[14]
- 2019年以降 - 発売期間は3月22日から9月30日、利用期間は4月1日から9月30日[15][16]
- 2021年分は発売期間・利用期間が2022年3月31日まで延長された[17]。
内容
編集2021年[注 10]のフリーエリアは以下の通りであった。
- 東日本旅客鉄道
- 高崎線(深谷 - 高崎間)
- 八高線(群馬藤岡 - 倉賀野間)
- 上越線(高崎 - 土合間)
- 信越本線(高崎 - 横川間)
- 両毛線(全線)
- 吾妻線(全線)
- 上越新幹線(高崎 - 上毛高原間)
- 北陸新幹線(高崎 - 安中榛名間)
- 東武鉄道
- 桐生線(全線)
- 小泉線(全線)
- 伊勢崎線(川俣 - 伊勢崎間)
- 佐野線(館林 - 佐野間)
- 上信電鉄(全線)
- 上毛電気鉄道(全線)
- わたらせ渓谷鐵道(桐生 - 沢入間)
- ジェイアールバス関東志賀草津高原線(長野原草津口駅 - 草津温泉バスターミナル間)[注 13]
発売額は以下の通りであった。
脚注
編集注釈
編集- ^ 同名の現行のものとの区別のために、こちらは以降『「ぐんまワンデーパス」(初代)』と表記する。
- ^ これにより、高崎線深谷 - 神保原間が「休日おでかけパス」と重複することとなり、東京近郊と群馬県が2つのフリーパスのみで往復することが可能となっている。
- ^ それまでは自動改札機非対応の120mm券での発券であったが、同年分より自動改札機対応の85mm券での発券となった。
- ^ JR東日本高崎支社公式Facebookページでは「延長」と案内されている[7]ことによる。ただしパンフレット上では「当初分」の延長ではなく、10月1日以降利用分を9月30日以前利用分とは別に設定されていると読み取れる(発売期間が3月22日からではなく9月1日からとされ、利用期間が4月1日からではなく10月1日からとされている)ため[3]、ここではパンフレット表記にならい、区別して記述している。
- ^ 2023年3月14日までは「MaeMaaS」。
- ^ 前述通り、別途料金券を用意すれば特急列車・新幹線(「ぐんまワンデーパス」のみ)・指定席・グリーン車といった列車ないし設備が利用可能。
- ^ 本券1枚につき1枚。
- ^ ただし、本券の有効日が4月1日である場合に限り、前日3月31日に「補助券」を利用することはできない。
- ^ 当初は2023年3月31日までであった[4]。
- ^ a b 2021年分については、結果として2022年3月31日まで設定された。
- ^ 「ぐんまツーデーパスSP」のような、2日間有効となるものは設定されなかった。
- ^ 利用期間開始の10日前から前売りされるようになった最初の年である。利用期間が変更された2019年以降も現行の「ぐんまワンデーパス」を含めて踏襲されている。
- ^ 2019年よりフリーエリアに追加された。
- ^ 2018年までは2,100円、2019年分は2,200円であった。
- ^ 2018年までは1,050円、2019年分は1,100円であった。
出典
編集- ^ a b c d 『鉄道+駅レンタカーで旅の選択肢が広がる!「ぐんまワンデーパス」を発売します!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本高崎支社、2022年2月28日 。2022年4月19日閲覧。
- ^ a b c d “ぐんまワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2022年3月25日). 2022年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月19日閲覧。
- ^ a b c d e “ぐんまワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2022年8月22日). 2022年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “ぐんまワンデーローカルパス” (PDF). JR東日本高崎支社. p. 1 (2022年11月9日). 2022年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。
- ^ a b 『祝 世界遺産! 富岡製糸場と絹産業遺産群「古きを知る、新しきを乗る。」 新幹線で富岡製糸場へ行こう!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本高崎支社、2014年6月23日 。2022年4月19日閲覧。
- ^ 『「ぐんまワンデー世界遺産パス」を春・夏(4月~9月)に発売します!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本高崎支社、2019年1月22日 。2022年4月19日閲覧。
- ^ “【ぐんまワンデーパスの発売期間を延長します】”. Facebook JR東日本高崎支社 (2022年8月29日). 2023年2月22日閲覧。
- ^ 『MaeMaaS の更なる発展に向けて三者連携協定を締結しました』(PDF)(プレスリリース)JR東日本高崎支社、2022年11月9日 。2023年2月22日閲覧。
- ^ a b “おトクなきっぷ:JR東日本”. JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社. 2023年8月3日閲覧。
- ^ “ぐんまワンデーパス・ぐんまツーデーパス 発売”. 鉄道コム (2010年6月2日). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “ぐんまワンデーパスSP・ぐんまツーデーパスSP 発売”. 鉄道コム (2011年6月1日). 2022年4月19日閲覧。
- ^ 『群馬県の鉄道事業者5社がフリーエリアになった「ぐんまワンデー世界遺産パス」を今年も発売します!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本高崎支社、2016年6月24日 。2022年4月19日閲覧。
- ^ “ぐんま世界遺産ワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2017年6月). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “ぐんま世界遺産ワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2018年). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “ぐんま世界遺産ワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2019年). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “ぐんま世界遺産ワンデーパス” (PDF). JR東日本高崎支社 (2020年). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “【「ぐんまワンデー世界遺産パス」の発売期間延長が決定♪】”. Facebook JR東日本高崎支社 (2021年8月26日). 2022年4月19日閲覧。