かんむり座T星 (T Coronae Borealis, T CrB) は、太陽系から見てかんむり座の方向、約3,000 光年の距離にある「共生星 (: symbiotic star)」と呼ばれる白色矮星赤色巨星の連星系[1]。約80年の周期で新星爆発を起こす再帰新星として知られる[2]

かんむり座T星[1]
T Coronae Borealis
星座 かんむり座
見かけの等級 (mv) 2.0 - 10.8(変光)[2]
変光星型 反復新星(NR)[2][3]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  15h 59m 30..1622265912s[1]
赤緯 (Dec, δ) +25° 55′ 12.613382940″[1]
赤方偏移 -0.000093[1]
視線速度 (Rv) -27.79 km/s[1]
年周視差 (π) 1.0920 ± 0.0275ミリ秒[1]
(誤差2.5%)
距離 2990 ± 75 光年 (920 ± 23 パーセク)
物理的性質
スペクトル分類 M3IIIe_sh[1][3] / 白色矮星
他のカタログでの名称
AAVSO 1555+26[1], BD+26 2765[1], SAO 84129[1], HD 143454[1], HIP 78322[1], HR 5958[1], 2MASS J15593015+2555126[1]
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通常の見かけの等級は10 等前後で、標準的な双眼鏡で観望できる限界に近い明るさである。これまでに2回の爆発が確認されており、1866年5月12日には2.0等、1946年2月9日には3.0等に達している[4]。更に最近の論文によると、1866年の爆発は最高で2.5 ± 0.5等と考えられている[5]

AAVSO かんむり座T星の2008年1月1日~2010年11月17日の等級の変化縦軸が等級で、日数はユリウス通日

観測史

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1866年[6]1946年[6]に増光が観測された。次回は2024年3月から9月の間と予想されていた[6][7]が、2024年10月現在、未だ大きな増光は観測されていない。かんむり座T星 最新情報

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p "T CrB". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2024年4月19日閲覧
  2. ^ a b c Samus’, N. N. et al. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ6621f3112cea93&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=16504. 
  3. ^ a b Otero, Sebastian Alberto (2023年8月22日). “VSX : Detail for T CrB”. aavso. 2024年2月26日閲覧。
  4. ^ Sanford, Roscoe F. (1949). “High-Dispersion Spectrograms of T Coronae Borealis.”. Astrophysical Journal 109: 81. Bibcode1949ApJ...109...81S. doi:10.1086/145106. 
  5. ^ Schaefer, Bradley E. (2009). "Comprehensive Photometric Histories of All Known Galactic Recurrent Novae". pp. 1–273. arXiv:0912.4426
  6. ^ a b c いよいよ近づいてきた、かんむり座Tの80年ぶりの新星爆発”. AstroArts. 2024年5月26日閲覧。
  7. ^ かんむり座で9月までに新星爆発か 約80年ぶり、明るさは北極星並み”. 産経新聞. 2024年5月26日閲覧。

文献

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関連項目

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外部リンク

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