おおぐま座オミクロン星

おおぐま座ο星(おおぐまざオミクロンせい、ο UMa / ο Ursae Majoris)は、おおぐま座にある3等星の恒星である。

おおぐま座ο星[1]
Omicron Ursae Majoris
仮符号・別名 ムシダ[2], Muscida[3][4]
星座 おおぐま座
見かけの等級 (mv) 3.42[1]
3.30 - 3.36(変光)[5]
変光星型 疑わしい[5]
分類 黄色巨星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  08h 30m 15.87064s[1]
赤緯 (Dec, δ) +60° 43′ 05.4115″[1]
赤方偏移 0.000066[1]
視線速度 (Rv) 19.80 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経:-133.76 ミリ秒/年[1]
赤緯: -107.45 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 18.21 ± 0.16ミリ秒[1]
(誤差0.9%)
距離 179 ± 2 光年[注 1]
(54.9 ± 0.5 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.3[注 2]
ο星の位置
物理的性質
半径 14.1+1.0
−0.9
R[6]
質量 3.09 ± 0.07 M[6]
表面重力 2.64 ± 0.03 (log g)[6]
自転速度 3.83 km/s[6]
スペクトル分類 G5III[1]
G4II-III [6]
光度 138 L[6]
表面温度 5,242 ± 10 K[6]
色指数 (B-V) +0.84[7]
色指数 (U-B) +0.52[7]
色指数 (R-I) +0.42[7]
金属量[Fe/H] -0.09±0.02[6]
年齢 3.6×108[8]
他のカタログでの名称
おおぐま座1番星[1]
BD +61 1054[1]
FK5 317[1],
HD 71369[1]
HIP 41704[1], HR 3323[1]
SAO 14573[1],
NSV 4093[1]
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概要

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G型スペクトルの巨星または輝巨星で、恒星の進化では水素核融合が終わってからヘリウムの核融合が始まるまでの「ヘルツシュプルングの間隙」と呼ばれる段階にある[8]。この段階は非常に早く終るので、相対的に珍しい存在となっている[8]。また、7離れた位置に見える15等級の赤色矮星連星の関係にあるとされている[8]。この伴星は、主星から少なくとも400auの距離の軌道を4,100年以上かけて周回していると見られる[8]

2012年に、東京工業大学国立天文台広島大学兵庫県立大学らのグループによって、主星おおぐま座ο星Aに木星の4.1倍の質量を持つ太陽系外惑星が発見されている[6][9][10]

おおぐま座ο星Aの惑星[6][9]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b >4.1 MJ 3.9 1,630 ± 35 0.130 ± 0.065 1.6006[11] RJ

名称

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固有名のムシダ[2] (Muscida[3][4]) は、ラテン語で「鼻づら」を意味する言葉に由来する[3]。中世の「アルマゲスト」から見られる、比較的新しい名称である[3]。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Muscida をおおぐま座ο星の固有名として正式に承認した[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for omi UMa. 2016年11月27日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、105頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 58. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月27日閲覧。
  5. ^ a b NSV”. Results for NSV 4093. 2016年11月27日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j Sato, Bun'ei; Omiya, Masashi; Harakawa, Hiroki; Izumiura, Hideyuki; Kambe, Eiji; Takeda, Yoichi; Yoshida, Michitoshi; Itoh, Yoichi et al. (2012). “Substellar Companions to Seven Evolved Intermediate-Mass Stars”. Publications of the Astronomical Society of Japan 64 (6): 135. arXiv:1207.3141. doi:10.1093/pasj/64.6.135. ISSN 0004-6264. 
  7. ^ a b c 輝星星表第5版
  8. ^ a b c d e Jim Kaler. “Muscida”. STARS. 2016年11月27日閲覧。
  9. ^ a b Planet omi UMa b” (2016年11月27日). 2016年11月27日閲覧。
  10. ^ 巨星を回る新たな惑星系の発見”. 国立天文台 岡山天体物理観測所 (2012年8月). 2016年11月27日閲覧。
  11. ^ omi UMa b”. Extrasolar Planet's Catalogue. 京都大学. 2017年2月18日閲覧。