交響曲第99番 変ホ長調 Hob. I:99 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1793年に作曲した交響曲。いわゆる『ロンドン交響曲』のうちの1曲であるが、『ロンドン交響曲』の他の作品と異なり、本作はウィーンまたはアイゼンシュタットで作曲されたと考えられている。

初演は翌1794年2月10日ロンドンハノーヴァー・スクエア・ルームズにおけるヨハン・ペーター・ザーロモン演奏会で行われた。

楽器編成 編集

編成表
木管 金管
フルート 2 ホルン 2 ティンパニ 第1ヴァイオリン
オーボエ 2 トランペット 2 第2ヴァイオリン
クラリネット 2 ヴィオラ
ファゴット 2 チェロ
コントラバス

第93番から第98番までの6曲の「第1期ロンドン交響曲」は、全てクラリネットを含まない2管編成で作曲されていたが、本作から第104番『ロンドン』までの6曲の「第2期ロンドン交響曲」は、第102番を除いた5曲がクラリネットを含む2管編成で作曲されている。本作はハイドンがクラリネットを取り入れた最初の交響曲である。

構成 編集

全4楽章、演奏時間は約30分。

  • 第2楽章 アダージョ
    ト長調、4分の3拍子、ソナタ形式。
     
     
    途中に木管楽器だけの印象的な楽句がある。
  • 第4楽章 フィナーレ:ヴィヴァーチェ
    変ホ長調、4分の2拍子、展開部のないソナタ形式。
     
    この楽章は、1793年にハイドン自身の手によって音楽時計用に『音楽時計のためのアレグロ ヘ長調』(Hob. XIX:32)として編曲されている。

外部リンク 編集