Zephyr (オペレーティングシステム)
Zephyr(ゼファー)は、通信機能を備えた省リソースのマイクロコントローラーで動作する組み込み機器向けリアルタイムオペレーティングシステムである[4]。複数のアーキテクチャをサポートし、Apache License 2.0リリースされている。Zephyrには、カーネルだけでなく、デバイスドライバ、プロトコルスタック、ファイルシステム、ファームウェアアップデートなどのアプリケーションを開発するために必要なすべてのコンポーネントとライブラリが含まれている[5]。
「Zephyr Project」のロゴマーク。 | |
開発者 | Linux Foundation、ウインドリバー・システムズ |
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プログラミング言語 | C、アセンブリ言語 |
OSの系統 | リアルタイムオペレーティングシステム |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | オープンソース |
初版 | 2016年2月17日[1] |
最新安定版 |
3.5.0 / 2023年10月20日 [2] [3] |
リポジトリ | |
対象市場 | IoT・Internet of things・Embedded Systemなど。 |
使用できる言語 | 英語 |
プラットフォーム | ARM (Cortex-M0、Cortex-M3、Cortex-M4、Cortex-M23、Cortex-M33、Cortex-R4、Cortex-R5)、x86、x86-64、ARC、RISC-V、SPARC、Nios II、Xtensa |
カーネル種別 | モノリシックカーネル |
ライセンス | Apache License 2.0 |
ウェブサイト |
www |
歴史
編集2015年11月、Zephyrはウインドリバー・システムズによってモノのインターネット (IoT) デバイス向けにRocketカーネルとして開発が開始された[6][7][8][9]。
2016年2月、ZephyrはLinux Foundationのプロジェクトになった[10][1]。
これ以降、初期メンバーとサポーターにはインテル、NXPセミコンダクターズ、シノプシス 、Linaro[11]、テキサス・インスツルメンツ、DeviceTone、ノルディック・セミコンダクター、オーティコン、ボーズが参加している[12]。
特徴
編集Zephyrは、リソースに制約のある組み込みまたはマイクロコントローラベースのアプリケーションを開発するために必要なすべてのコンポーネントを提供する[5]。含まれるコンポーネントの例は以下であるが、これに限定されない。
- フットプリントの小さなカーネル
- 必要なリソースとモジュールのコンパイル時定義のための柔軟な構成およびビルドシステム
- 一連のプロトコルスタック一式 (IPv4及びIPv6、OMA LWM2M、MQTT、802.15.4、Bluetooth Low Energy、CAN)
- 不揮発性ストレージ用の複数のフラッシュファイルシステムを備えた仮想ファイルシステムインターフェイス
- 管理およびデバイスファームウェアの更新メカニズム
構成およびビルドシステム
編集Zephyrは、Linuxカーネルから継承され、非Unixオペレーティングシステムへの移植性のためにPythonで実装されたKconfigおよびデバイスツリーを構成システムとして使用している[13]。RTOSビルドシステムはCMakeに基づいており、Linux、macOS、Microsoft WindowsでZephyrアプリケーションをビルドできる[5]。
カーネル
編集カーネルは、他の軽量OSと区別するいくつかの機能を提供する[5]:
- 単一のアドレス空間
- 複数のスケジューリングアルゴリズム
- コンパイル時に定義可能なリソース、柔軟に設定可能なモジュール
- MPUベースのメモリ保護
- AMP (OpenAMPベース) およびSMPサポート
セキュリティ
編集グループは、セキュリティの維持と改善が重視されている[14]。また、コミュニティによって所有およびサポートされているということは、世界のオープンソース開発者の目がコードを精査していることを意味し、これによりZephyrのセキュリティが大幅に向上している[10]。
脚注
編集- ^ a b Zephyr Project (2016年2月17日). “The Linux Foundation Announces Project to Build Real-Time Operating System for Internet of Things Devices”. Zephyr Project. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “Zephyr v3.5.0”. GitHub. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “Introducing Zephyr 3.5”. Zephyr blog. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “Meet Linux's little brother: Zephyr, a tiny open-source IoT RTOS” (英語). LinuxGizmos.com. (2016年2月17日) 2018年2月23日閲覧。
- ^ a b c d “Introduction” (英語). Zephyr Project. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “MCU Commercial Free RTOS for small embedded edge devices | Rocket” (英語). windriver.com. 2016年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月23日閲覧。
- ^ Jim Turley (2015年11月25日). “Wind River Sets Rocket RTOS On Free Trajectory”. EEJournal. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “Wind River* Rocket”. Intel. 2016年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月29日閲覧。
- ^ Niheer Patel (2016年2月17日). “Wind River Welcomes Linux Foundation's Zephyr Project”. Wind River Systems. 2019年10月29日閲覧。
- ^ a b Guerrini, Federico (2016年2月19日). “The Internet of Things Goes Open Source with Linux Foundation's Zephyr Project”. Forbes 2017年1月12日閲覧。
- ^ Osborne (2016年2月19日). “The Linux Foundation's Zephyr Project: A custom operating system for IoT devices”. ZDNet. CBS Interactive. 2017年1月12日閲覧。
- ^ “"Zephyr Project Members"”. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “"scripts/ folder on GitHub"”. 2019年10月29日閲覧。
- ^ Wallen (2016年2月18日). “Linux Foundation announces Zephyr Project, an open source IoT operating system - TechRepublic”. TechRepublic. CBS Interactive. 2017年1月12日閲覧。