World Register of Marine Species
海洋生物のオンライン版データベース
(WoRMSから転送)
World Register of Marine Species(略称:WoRMS)とは、国際的な海洋生物のデータベースである[1][2]。日本語に訳した名称としては、国際海洋生物種目録[3][4]、海洋生物種の世界登録簿[5][6]がある。
略称 | WoRMS |
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設立 | 2008 |
本部 | ベルギー, オーステンデ |
座標 | 北緯51度13分40.25秒 東経2度56分28.07秒 / 北緯51.2278472度 東経2.9411306度 |
ウェブサイト | marinespecies.org |
2008年に、ベルギーのフランダース海洋研究所を拠点に活動が開始され、世界中の研究者200人以上が編集者となりデータベースを構築した。2015年3月12日時点の公式発表では、41万9000種近ほどが記載され、約22万8445種に有効性が確認され、残りの約19万400種が重複(シノニム)とされ無効となった[7]。
毎年、「注目すべき海洋生物の新種トップ10」(Ten remarkable new marine species)を選出し、3月19日の「分類学者に感謝する日」に発表を行う[8]。
注目すべき海洋生物の新種トップ10
編集2007‐2017 年
編集- コンドロクラディア・リラ[10]
- パラオムカシウナギ
- バシへディレ・ボウケッティ
- ダーウィンシリス - 日本では、世界3例目発見となるキングギドラシリスの近縁種として著名。
- Marivagia stellata
- キワ・ティレリ
- テウティドドリルス・サマエ[11]
- Dinochelus ausubeli
- ザマミハナゴケ - 沖縄の座間味で発見。
- ウロコフネタマガイ
2017
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[10]。
- マリアナスネイルフィッシュ
- ハリープラクス・セブルス - 「ハリー・ポッター」シリーズの登場人物セブルス・スネイプから命名
- Desis bobmarleyi
- Thylacodes vandyensis
- Carybdea confusa - アンドンクラゲ属のクラゲ
- Antipathozoanthus remengesaui
- Aschemonella monilis
- カクレマンボウ
- Epimeria pyrodrakon(ファイヤードラゴンヨロイヨコエビ)
- Eurathea solomonensis(ソロモンチビクチキレ) Eurathea属の貝
2018
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[12]。
- Hana hanagasa[13]
- Sinelobus stromatoliticus
- Ambulobdella shandikovi
- Squalus hawaiiensis ‐ ハワイアンツノザメ
- ホンコンシードラゴン - 微生物
- Paguropsis confusa - 深海に棲むキンチャクヤドカリの仲間
- ハチジョウタツ(別名:ジャパニーズピグミーシーホース、ジャパピグ)[14]
- Odontonia bagginsi ‐ ホビット・シュリンプ
- Ptilophora spongiophila ‐ 紅藻
- Parallelolebes virilis ‐ 吸虫
2019
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[15]。
- The Green Rat Clingfish, Barryichthys algicola
- Thiel's Boring Amphipod, Bircenna thieli
- Brenner's Bobtail Squid, Euprymna brenneri
- The 'Star of the Sea' Seed Shrimp, Maristella chicoi
- Jim Henson's Egg-Eating Slug, Olea hensoni
- The Christmas-Light Brittle Star, Ophiopsila xmasilluminans
- The Mediterranean Branching Placozoan, Polyplacotoma mediterranea
- The Octopus-Dwelling Worm, Spathochaeta octopodis
- Thomas' Coral-Eroding Sponge, Cliona thomasi
- The Vibranium Fairy Wrasse, Cirrhilabrus wakanda
2020
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[16]。
- The E.T. Sponge, Advhena magnifica
- The Patrick Sea Star, Astrolirus patricki
- The Branch-Armed Nostril Copepod, Dendrapta nasicola
- The Yellow Sea Slug of Ørland, Dendronotus yrjargul
- The Giant Plastic Amphipod, Eurythenes plasticus
- Haffi’s Upside-Down Tapeworm, Gyrocotyle haffii
- The Beautiful Branching Bryozoan, Hornera mediterranea
- The Tree-of-Life Tardigrade, Neoechiniscoides aski
- The Feisty Elvis Worm, Peinaleopolynoe orphanae
- Red Wide-Bodied Pipefish, Stigmatopora harastii
2021
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[17]。
- The Hidden Horniman Mysid, Heteromysis hornimani
- The Cebimar Moon Jellyfish, Aurelia cebimarensis
- The Emperor Dumbo, Grimpoteuthis imperator
- The Yokozuna Slickhead, Narcetes shonanmaruae ‐ ヨコヅナイワシ
- The Quarantine Shrimp, Periclimenaeus karantina
- The Japanese Twitter Mite, Ameronothrus twitter ‐ 和名:チョウシハマベダニ。Twitterに投稿された写真から新種と判明したことから学名に twitter と命名された[18]。
- The Jurassic Pig-Nose Brittle Star, Ophiojura exbodi
- Ramari’s Beaked Whale, Mesoplodon eueu
- The Balloon Backpack Isopod, Akrophryxus milvus
- Winter’s Basket Coccolithophore, Syracosphaera winteri
2022
編集一年前から登録された中から、注目すべき海洋生物の新種トップ10が選ばれた[19]。
- Fluffy Sponge Crab, Lamarckdromia beagle
- King Ghidorah's Branching Worm, Ramisyllis kingghidorahi ‐ 和名:キングギドラシリス
- Demian Koop's Yoda Acorn Worm, Yoda demiankoopi
- The Japanese Retweet Mite, Ameronothrus retweet ‐ 和名:イワドハマベダニ、学名は2021年の注目すべき海洋生物の新種トップ10となったツイッターダニ(Ameronothrus twitter)のリツイートで送られた同種とみられる写真が新種であったことから、学名に retweet と名付けられた[20]。
- The Golden Cloak Anemone, Stylobates calcifer ‐和名:ヒメキンカライソギンチャク、学名は『ハウルの動く城』に登場する火の悪魔から[21]。
- Satan's Mud Dragon, Leiocanthus satanicus
- Squidward's Sphyriid Copepod, Tripaphylus squidwardi ‐ 寄生虫
- Falkor's Black Coral, Antipathes falkorae ‐ 黒サンゴ
- The Ballerina Sponge, Latrunculia (Latrunculia) tutu † ‐ 3,500万年前の海綿の化石。
- Reynolds' Deep-Sea Crown Jelly, Atolla reynoldsi
出典
編集- ^ “「ヒメキンカライソギンチャク」が世界の注目すべき海洋生物の新種トップ10(2022年)に選ばれました - 千葉県立中央博物館分館 海の博物館”. www2.chiba-muse.or.jp. 2023年7月11日閲覧。
- ^ 東京大学大気海洋研究所. “20230319|AORI NEWS|東京大学大気海洋研究所”. www.aori.u-tokyo.ac.jp. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “ジブリキャラ命名の新種イソギンチャクが「世界注目トップ10」に:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年4月21日). 2023年7月11日閲覧。
- ^ “北大関係者の記載した海産無脊椎動物2種が2019年の新種トップテンに選ばれました”. 北海道大学 理学部 生物科学科(生物学). 2023年7月11日閲覧。
- ^ 大学通信,大学プレスセンター (2023年4月12日). “法政大学島野教授がTwitterによって発見した新種ダニ「学名リツイート」、海洋生物種の世界登録簿(WoRMS)から『2022年の注目すべき海洋生物の新種トップ10』に再び選出”. 大学プレスセンター. 2023年9月23日閲覧。
- ^ 日経クロステック(xTECH) (2022年6月28日). “ツイッターダニとライチョウ保全に見た希望、SNSは市民科学の可能性を広げるか”. 日経クロステック(xTECH). 2023年9月23日閲覧。
- ^ Cressey, Daniel (2015-03-12). “Dolphins, diatoms and sea dragons join census of all known marine life” (英語). Nature. doi:10.1038/nature.2015.17094. ISSN 0028-0836 .
- ^ “三重大Rナビ -三重大学の研究最前線-”. 三重大学. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “南極の深海で“雪男ガニ”を発見、白く剛毛生やす”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023年7月11日閲覧。
- ^ a b “Press release WoRMS” (英語). www.lifewatch.be. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “驚きの新種環形動物、スキッドワーム”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “Ten remarkable new marine species from 2018” (英語). lifewatch.be. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “大学院生の Yee Wah Lau さん、ライマー・ジェームス准教授らが記載した八放サンゴが「The top-ten marine species of 2018」に選出”. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “日本で発見 米粒サイズのタツノオトシゴは新種”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “Ten remarkable new marine species from 2019” (英語). www.lifewatch.be. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “Ten remarkable new marine species from 2020” (英語). lifewatch.be. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “Ten remarkable new marine species from 2021” (英語). lifewatch.be. 2023年7月12日閲覧。
- ^ 大学通信,大学プレスセンター (2023年4月12日). “法政大学島野教授がTwitterによって発見した新種ダニ「学名リツイート」、海洋生物種の世界登録簿(WoRMS)から『2022年の注目すべき海洋生物の新種トップ10』に再び選出”. 大学プレスセンター. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “Ten remarkable new marine species from 2022” (英語). lifewatch.be. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “法政大学島野教授がTwitterによって発見した新種ダニ「学名リツイート」、海洋生物種の世界登録簿(WoRMS)から『2022年の注目すべき海洋生物の新種トップ10』に再び選出 :: 法政大学”. www.hosei.ac.jp. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “ヒメキンカライソギンチャクが作り出す「擬貝」”. 鳥羽水族館 飼育日記 (2022年12月24日). 2023年7月12日閲覧。
関連項目
編集- 生物分類樹データベース
- ウィキスピーシーズ - ウィキメディア財団が運用する生物分類データベース
- AlgaeBase - 藻類のデータベース
- Catalog of Fishes、FishBase - 魚のデータベース
- 地球規模生物多様性情報機構
- アメリカ国立生物工学情報センター(略称:NCBI)
- European Research Infrastructure Consortium(ERIC) - 「注目すべき海洋生物の新種トップ10」を発表してる研究機関。
- ニューヨーク州立大学環境森林科学部(略称:ESF) ‐ Top 10 New Speciesを発表。
- Encyclopedia of Life
- MarBEF Data System - もともとあったヨーロッパの海洋生物のデータベース。2009年に終了
- Interim Register of Marine and Nonmarine Genera
- 海洋生物のセンサス (Census of Marine Life、略称:CoML)
- 海洋生物地理情報システム (Ocean Biodiversity Information System、略称:OBIS) ‐ CoMLが運用する海洋生物の分布などのデータベース。