ウィキペディアでは、いろいろな事情から管理者が、管理者またはインターフェース管理者以外の利用者がページを編集・移動または作成できない措置を取ることがあり、これを「保護」と呼んでいます。

保護にはいくつか種類があります。以下はその例です。

早見表 

保護種別 拡張承認された利用者 自動承認された利用者
保護
(全保護)
編集可能○ 編集不可能× 編集不可能× 編集不可能×
拡張半保護 編集可能○
半保護 編集可能○
移動保護 移動可能○ 移動不可能× 移動不可能× 移動不可能×
移動拡張半保護 移動可能○
作成保護
(白紙保護)
作成可能○ 作成不可能× 作成不可能× 作成不可能×
作成拡張半保護 作成可能○
作成半保護 作成可能○
アップロード保護 アップロード可能○ アップロード不可能× アップロード不可能× アップロード不可能×
アップロード拡張半保護 アップロード可能○

保護の種類

ここで表示されるアイコン画像は例示であり、実際にこの説明記事で適用されているものについては冒頭を参照。

全保護

 
全保護されたページは金色の南京錠が表示されます

(2003年11月10日運用開始)

全保護されたページは管理者およびインターフェース編集の権限をもつ利用者のみ編集することができます。管理者およびインターフェース管理者以外、すなわち自動承認された利用者新規利用者およびログインしていないIP利用者はページの編集ができなくなりますが、かわりに「ソースを表示」のタブが表示され、それをクリックすることでページの内容(ウィキテキスト)の表示が行えます。

全保護が施されると、保護記録には編集=管理者のみ許可が記録されます。

半永久的な保護

 
半永久的な保護がされたページは金色の南京錠と無限記号が表示されます

メインページウィキペディアの免責事項など編集されることで深刻な問題が起こりうるページなど、Wikipedia:保護の方針#半永久的な保護に基づいて保護されているページは、半永久的に全保護されます。

半永久的に保護されているページについてはWikipedia:保護されたページ#半永久的に保護されているページに記載されます。

拡張半保護

 
拡張半保護されたページは金色と銀色の2色の南京錠が表示されます

(2020年4月10日システム導入、2020年5月14日正式運用開始)

拡張半保護されたページは、管理者・インターフェース管理者および拡張承認された利用者が編集することができます。拡張承認された利用者になっていないログイン利用者とIP利用者は全保護や半保護と同様、編集することはできなくなりますが、かわりに「ソースを表示」のタブが表示され、それをクリックすることでページの内容(ウィキテキスト)の表示が行えます。

拡張半保護が施されると、保護記録には編集=拡張承認された利用者と管理者のみに許可が記録されます。

半永久的な拡張半保護

 
半永久的な拡張半保護がされたページはの金色と銀色の2色の南京錠と無限記号が表示されます

深刻な荒らしなどが原因で、半永久的な半保護での対応が困難な場合には、Wikipedia:拡張半保護の方針#半永久的な拡張半保護に基づいて拡張半保護されているページは、半永久的に拡張半保護されます。

半保護

 
半保護されたページは銀色の南京錠が表示されます

(2006年12月31日システム導入)

半保護されたページは、管理者・インターフェース管理者、拡張承認された利用者および自動承認された利用者が編集することができます。新規利用者及びIP利用者は全保護と同様、編集することはできなくなりますが、かわりに「ソースを表示」のタブが表示され、それをクリックすることでページの内容(ウィキテキスト)の表示が行えます。

半保護が施されると、保護記録には編集=自動承認された利用者のみ許可が記録されます。

半永久的な半保護

 
半永久的な半保護がされたページは銀色の南京錠と無限記号が表示されます

影響が特に大きいテンプレートなど編集されることで大きな問題が起こりうるページなど、Wikipedia:半保護の方針#半永久的な半保護に基づいて半保護されているページは、半永久的に半保護されます。


移動保護と移動拡張半保護

 
移動保護がされたページは緑色の南京錠が表示されます
 
移動拡張半保護がされたページは緑色と銀色の2色の南京錠が表示されます

移動合戦などによって移動保護されたページは管理者の権限をもつ利用者のみページの移動をすることができます。自動承認された利用者はページの移動はできなくなります。移動拡張半保護されたページは一部のログイン利用者(拡張承認された利用者)と管理者以外は移動できなくなります。

また、新規利用者及びIP利用者はシステムの設定上、管理者による保護操作が行われていなくても全てのページにおいて移動はできません(bugzilla:12071による)。すなわち、現状では全てのページにおいて移動半保護がかかっている状態となっています。

移動保護が施されると、保護記録には移動=管理者のみ許可が記録されます。

なお、全保護や拡張半保護がなされると、既定ではそれぞれの保護設定にあわせた移動保護も同時にかかります。

作成保護と作成半保護、作成拡張半保護

 
作成保護がされたページは青色の南京錠が表示されます
 
作成拡張半保護がされたページは青色と銀色の2色の南京錠が表示されます
 
作成半保護がされたページは銀色の南京錠が表示されます

(2005年9月16日以降白紙状態での保護実施、2007年3月8日よりカスケード保護を使った未作成ページの保護へ移行、2007年12月8日作成保護機能正式導入、2008年3月5日作成保護へ完全移行[注 1]

同一ページの削除が複数回に及ぶなどした場合、そのページの新規作成を制限する作成保護が行われる場合があります。作成保護が施されると管理者のみ、作成半保護が施されると管理者と自動承認された利用者のみ、作成拡張半保護が施されると拡張承認された利用者と管理者のみ、新たにページを作成することができます。

作成保護が施されると、保護記録には作成保護は作成=管理者のみ許可、作成半保護は作成=自動承認された利用者のみ許可、作成拡張半保護は作成=拡張承認された利用者と管理者に許可が記録されます。

アップロード保護とアップロード拡張半保護

 
アップロード保護がされたページは紫色の南京錠が表示されます

(2009年11月頃システム導入)

ファイルページで無用な上書きアップロードが繰り返される場合、編集や移動を制限せず上書きアップロードのみを制限するアップロード保護をかけることができます。新規利用者はシステムの設定上、管理者による保護操作が行われていなくてもファイルのアップロードを行うことができません(bugzilla:10056による)。


その他の保護

この節にある保護アイコンは事務局行動を除いて日本語版ウィキペディアでは上記にある全保護のアイコンで代替されているか、そもそも表示するテンプレートがないなどで使われていません。

カスケード保護

 
カスケード保護がされたページは緑色の南京錠が表示されます

カスケード保護はページを全保護し、さらにその全保護されたページでトランスクルージョンしているページも全保護する機能です。コモンズからトランスクルージョンしているファイルはカスケード保護でローカルのファイルページを保護することが可能ですが、コモンズ側では保護されません。コモンズから呼び出しているファイルページの編集やアップロードに対して保護が必要な場合はコモンズ側で保護を行う必要があります。

以前は、カスケード半保護がありましたが、管理者がカスケード半保護したページから他の利用者が任意のページをトランスクルージョンすると特別な権限もなく勝手に保護できてしまうという欠陥が見つかったため、2007年に無効化されました(Phabricator:T20483英語版の井戸端での議論参照)。

カスケード保護が施されると、保護記録にはカスケードが記録されます。

永久的な保護

 
永久的な保護がされたページは赤色の南京錠が表示されます

永久的な保護はMediawikiシステムによって施されている保護で、インターフェース保護と呼ばれることがあります。この保護はMediawiki名前空間にあるページに行われており、編集にはeditinterface(日本語版では管理者インターフェース管理者が保有)が必要です。

事務局行動による保護

 
事務局行動による保護がされたページは黒色の南京錠が表示されます

Foundation:Policy:Office actions § Use of advanced rights by Foundation staffにもある通り、著作権侵害や名誉毀損などの問題に対して問題があったページに対してウィキメディア財団スタッフにより保護が行われることがあります。この保護はシステム上は全保護が施され、財団の指示によっては全利用者の編集を禁止することができます。管理者は財団の許可なしに事務局行動により保護されているページを編集したり、保護を解除したりすることはできなくなります。

特別保護

特別保護 (superprotect) は、スタッフグローバルグループに所属しているウィキメディア財団の職員以外による編集ができない保護レベルとして過去に存在していました。 2014年8月10日から実装され、同日に発生したドイツ語版ウィキペディア全体に影響する JavaScript を設定するページ common.js での 管理者戦争を止めるために使われました。日本語版ウィキペディアでは使われていません。この保護区分は 2015年11月5日 にすべてのウィキメディアプロジェクトで廃止されました。

保護の期限について

2007年1月23日以降、保護を実施した管理者は自動的な解除の期限を設定できるようになりました。それ以前に保護されたページはすべて無期限保護が設定されています。また、2008年3月15日から16日にかけてTietewさんが実施した無期限作成保護[注 2]はカスケード保護による巻き込みで擬似的に作成保護を行っていたページを個別ページの作成保護に切り替える(作成保護への正式移行を行う)ための処置です。1000件以上のページに対してbot処理で移行作業を実施したため、個別に期限は設定せず一括で無期限作成保護が設定されています。いずれも技術的理由によりやむを得ず無期限保護を行っているものなので、保護の継続が適切かどうかは個別に判断してください。

保護されたページのソースを表示する方法

保護されたページでは、「編集」のリンクの代わりに「ソースを表示」というリンクが現れます。これを選択すると、そのページのソースを表示させることができます。また、それ以外にも、たとえばメインページのソースは以下のいずれかの方法で得ることができます。

特別:Exportでは最新の更新に関するメタデータも含めたXMLファイルとして出力されます。タグに含まれる<や>は&lt;や&gt;に変換されて表示されます。空行もXMLのソースには含まれますが、あたかもないかのように表示されます。

注釈

  1. ^ 作成保護機能が導入される前から擬似的に白紙状態での保護を実施しています。2005年9月16日からは白紙状態で作成したページにテンプレートを貼り付けて全保護、2007年3月からはカスケード保護されたページからトランスクルージョンを行い巻き添えにすることで未作成ページを擬似的に作成保護、2007年12月8日の機能導入後は一部ページで段階的に運用開始、2008年3月5日にカスケード保護による巻き添え保護をやめて完全移行という経緯があります。
  2. ^ 要約欄がcheebot - bot transit from "新規作成が禁止されたページ" to create protectionとなっているものです。

関連項目