WR 112
WR 112は、いて座の方向、太陽系から約1万1000光年の距離にある恒星系。ウォルフ・ライエ星とO型星の連星と考えられている。
WR 112 WR 112 | ||
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星座 | いて座 | |
見かけの等級 (mv) | 17.7[1] | |
分類 | ウォルフ・ライエ星 | |
位置 元期:J2000.0[1] | ||
赤経 (RA, α) | 18h 16m 33.49s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | −18° 58′ 42.3″[1] | |
距離 | 約11,000光年 (3.39+0.89 −0.84 kpc)[2] | |
WR 112の位置(赤丸)
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物理的性質 | ||
スペクトル分類 | WC8+O6/7III/V[1] | |
光度 | 4.0×105 L☉[2] | |
有効温度 (Teff) | 50,000 K[2] | |
他のカタログでの名称 | ||
2MASS J18163349-1858423[1] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
ハワイのジェミニ望遠鏡、ケック望遠鏡、すばる望遠鏡、チリ・パラナル天文台の超大型望遠鏡で約20年間にわたって継続的に行われた中間赤外線による観測結果から、連星系から炭素を含む大量の塵が放出されている姿が確認された[2][3][4]。ウォルフ・ライエ星とOB星の連星系で生じる塵の渦はWR 104でも既に確認されていたが、公転面を軸方向から観測したWR 104と異なり、WR 112では軸の横方向から観測された[2][3][4]。塵の動きから、連星系は約20年周期で互いを周回していると見らている[2][3][4]。
出典
編集- ^ a b c d e f “WR 112 -- Wolf-Rayet Star”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2020年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f Lau, Ryan M. et al. (2020). “Resolving Decades of Periodic Spirals from the Wolf-Rayet Dust Factory WR 112”. The Astrophysical Journal 900 (2): 190. Bibcode: 2020ApJ...900..190L. doi:10.3847/1538-4357/abaab8. ISSN 1538-4357.
- ^ a b c “赤外線観測が明らかにした、終末期の重い連星系から流れ出る塵の雲”. 国立天文台 (2020年9月16日). 2020年12月24日閲覧。
- ^ a b c “終焉期の大質量連星系がつくり出す大量の塵~赤外線観測が描き出した渦巻状の放出流”. すばる望遠鏡. 国立天文台 (2020年9月15日). 2020年12月24日閲覧。