UEFAチャンピオンズリーグ 1996-97 決勝

UEFAチャンピオンズリーグ1996-97 決勝は、1997年5月28日にミュンヘンのオリンピアシュタディオンで行われたUEFAチャンピオンズリーグ1996-97の決勝戦である。

UEFAチャンピオンズリーグ 1996-97 決勝
大会名 UEFAチャンピオンズリーグ 1996-97
開催日 1997年5月28日
会場 オリンピアシュタディオン(ミュンヘン)
主審 プル・シャーンドル (ハンガリー)
観客数 59,000[1]
1996
1998

概要

編集

試合はドイツのボルシア・ドルトムントとイタリアのユヴェントスの間で行われ、ボルシア・ドルトムントが、カール=ハインツ・リードレラース・リッケンのゴールで3対1で勝利した。ユベントスのゴールはアレッサンドロ・デル・ピエロによるものである。

決勝戦までの道のり

編集

ドルトムントは準決勝でマンチェスター・ユナイテッドを破っている。欧州の舞台での準決勝進出は、ドルトムントにとっては1964年以来、対戦相手のマンチェスター・ユナイテッドにとっては1969年以来のことであった。

一方、ユヴェントスの準決勝の相手は前年決勝でPK戦の末振り切ったアヤックスで、今度は2戦合計6-2で完勝している。

  ボルシア・ドルトムント ラウンド   ユヴェントス
対戦相手 結果 グループステージ 対戦相手 結果
  ヴィジェフ・ウッチ 2–1 (H) 第1節   マンチェスター・ユナイテッド 1–0 (H)
  ステアウア・ブカレスト 3–0 (A) 第2節   フェネルバフチェ 1–0 (A)
  アトレティコ・マドリード 1–0 (A) 第3節   ラピード・ウィーン 1–1 (A)
  アトレティコ・マドリード 1–2 (H) 第4節   ラピード・ウィーン 5–0 (H)
  ヴィジェフ・ウッチ 2–2 (A) 第5節   マンチェスター・ユナイテッド 1–0 (A)
  ステアウア・ブカレスト 5–3 (H) 第6節   フェネルバフチェ 2–0 (H)
グループB 2位通過
出典: UEFA
最終順位 グループC 1位通過
出典: UEFA
対戦相手 合計 第1戦 第2戦 決勝トーナメント 対戦相手 合計 第1戦 第2戦
  オセール 4–1 3–1 (H) 1–0 (A) 準々決勝   ローゼンポリ 3–1 1–1 (A) 2–0 (H)
  マンチェスター・ユナイテッド 2–0 1–0 (H) 1–0 (A) 準決勝   アヤックス 6–2 2–1 (A) 4–1 (H)

ファイナリストについて

編集

試合は1993年のUEFAカップ決勝と同じ顔合わせとなった。その際はユヴェントスが2戦合計で6-1で勝利している[2]。その試合にユヴェントスの選手として出場した2人のドイツ人選手、ユルゲン・コーラーアンドレアス・メラーは、ドルトムントに移籍していた[3]。この試合には出場していないが、ドルトムントのブラジル人選手のジュリオ・セザールも1993年の試合にはユヴェントスの選手として出場していた。また、シュテファン・ロイターパウロ・ソウザも元ユヴェントスの選手であり、マティアス・ザマーカール=ハインツ・リードレは以前にイタリアのセリエAでプレーしたことがあった(リードレがラツィオからドルトムントに移籍した際の後釜はアレン・ボクシッチで、彼は1997年にはユヴェントスに移籍していた)。

ユヴェントスで1993年から在籍していたのはゴールキーパーのアンジェロ・ペルッツィと彼の控えのミケランジェロ・ランプッラだけだった(モレノ・トリチェリアントニオ・コンテはクラブには在籍していたもののこの試合には出場していない)。また、前述の通りコーラーとメラーは相手側に移籍している。ドルトムントでは、ゴールキーパーのシュテファン・クロス、ストライカーのステファヌ・シャビュイサ[3] 、ミッドフィールダーのレネ・トレショク、シュテファン・ロイター、キャプテンのミヒャエル・ツォルクが4年前から残っていた。

1993年の対戦に加えて、両クラブはUEFAカップ1994-95の準決勝でも対戦している。この試合もユヴェントスが勝利したが、決勝ではパルマに敗れている[2]UEFAチャンピオンズリーグ1995-96グループステージでも両者は顔を合わせそれぞれアウェーで勝利したが、グループ首位とになったのはユヴェントスで、彼らは最終的にトロフィーを獲得している。

その後の数年間、ユヴェントスとボルシアドルトムントは、 チャンピオンズリーグ2014-15[2]のグループステージでユヴェントスが勝利するまで両者の再戦は無かった[4]。彼らは4回(1993年と1995のUEFAカップ、1995年と2015年のチャンピオンズリーグ)顔を合わせドルトムントでヴェストファーレンシュタディオンで対戦しているが、ドイツで行われた試合でユヴェントスが敗北したのはこの1997年の決勝だけである。また、ユヴェントスは2015年のチャンピオンズリーグでも決勝に進出しバルセロナと対戦しているが、偶然にもその試合会場は同じドイツのオリンピアシュタディオン、ベルリン・オリンピアシュタディオンで、この試合も3-1で敗れている。

試合

編集

概要

編集

前半、カール=ハインツ・リードレがペナルティエリア内でポール・ランバートのクロス合わせてドルトムントがリードを奪った。続いて、リードレは右からのコーナーキックにヘディングで合わせリードを2点とした。

後半、交代出場したユヴェントスのアレッサンドロ・デル・ピエロアレン・ボクシッチからのクロスにバックヒールでゴールを決め、スコアを2-1とした。交代出場したドルトムント地元出身の20歳ラース・リッケンは、ピッチに入ってからわずか16秒後にはアンドレアス・メラーのスルーパスを受け、最初のボールタッチでゴール前20ヤード以上の地点からシュートを放ち、アンジェロ・ペルッツィをかわしたボールはドルトムントの3-1の勝利を演出した。リッケンのゴールは、UEFAチャンピオンズリーグ史上、交代出場からの得点としての最速記録だった[5]

また、ジネディーヌ・ジダンはランバートの執拗なマークに苦しみ、印象を残すことはできなかった[6][7][8][9][10]

試合はドルトムントの3-1の勝利終わり、ドルトムントはチャンピオンズリーグ初優勝を果たした。

詳細

編集
 
 
 
 
 
 
 
 
ボルシア・ドルトムント
 
 
 
 
 
 
 
 
ユヴェントス
GK 01   シュテファン・クロス
SW 06   マティアス・ザマー  
CB 15   ユルゲン・コーラー
CB 16   マルティン・クレー英語版
RWB 07   シュテファン・ロイター
LWB 17   ヨルク・ハインリヒ
CM 14   ポール・ランバート
CM 19   パウロ・ソウザ   23分
AM 10   アンドレアス・メラー   89分
CF 13   カール=ハインツ・リードレ   67分
CF 09   ステファヌ・シャピュイサ   70分
サブメンバー
GK 12   ヴォルフガンク・デ・ベール英語版
MF 08   ミヒャエル・ツォルク   89分
MF 18   ラース・リッケン   71分    70分
MF 23   レネ・トレショク
FW 11   ハイコ・ヘルリッヒ   67分
監督
  オットマー・ヒッツフェルト
 
GK 01   アンジェロ・ペルッツィ  
RB 05   セルジオ・ポリーニ   19分   46分
CB 02   チロ・フェラーラ
CB 04   パオロ・モンテーロ
LB 13   マルク・ユリアーノ   90分
DM 14   ディディエ・デシャン
RM 07   アンジェロ・ディ・リーヴィオ
LM 18   ヴラディミル・ユーゴヴィッチ
AM 21   ジネディーヌ・ジダン
CF 15   クリスティアン・ヴィエリ   71分
CF 09   アレン・ボクシッチ   87分
サブメンバー
GK 12   ミケランジェロ・ランプッラ
DF 22   ジャンルカ・ペッソット
MF 20   アレッシオ・タッキナルディ   87分
FW 10   アレッサンドロ・デル・ピエロ   46分
FW 16   ニコラ・アモルーゾ   71分
監督
  マルチェロ・リッピ


日本におけるテレビ中継

編集

関連項目

編集

脚注

編集
  1. ^ a b 2.FInals”. uefa.com. 14 Feb 2021閲覧。
  2. ^ a b c Juventus v Dortmund background”. UEFA.com (14 January 2015). 4 November 2017閲覧。
  3. ^ a b 20 years on: Dortmund's European champions”. UEFA.com (28 May 2017). 4 November 2017閲覧。
  4. ^ Tévez leads Juventus to Dortmund stroll”. UEFA.com (18 March 2015). 4 November 2017閲覧。
  5. ^ Milne, David (29 May 1997). “Football: Juventus wrecked by German bite”. The Independent. https://www.nytimes.com/1994/06/12/sports/world-cup-94-scoreboard-watching-new-rules-plus-new-players-should-equal-goals.html 1 April 2020閲覧。 
  6. ^ Murray, Scott (25 November 2011). “The Joy of Six: British and Irish footballers abroad”. The Guardian (Guardian News and Media Limited). https://www.theguardian.com/sport/blog/2011/nov/25/joy-of-six-football-exports 28 January 2013閲覧。 
  7. ^ “Paul Lambert – The Norwich wizard”. espnstar.com. オリジナルの6 April 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120406200748/http://www.espnstar.com/rss-feed/detail/item617249/ 4 May 2011閲覧。 
  8. ^ Gordon, Phil (6 September 2009). “Norwich City manager Paul Lambert on his vision for the future”. Sunday Herald. http://www.heraldscotland.com/sport/english-football/norwich-city-manager-paul-lambert-on-his-vision-for-the-future-1.917708 28 January 2013閲覧。 
  9. ^ Calvin, Michael (1 May 2010). “Revealed: The six British Football League managers capable of being the next Roy Hodgson”. Mirror Football. オリジナルの9 June 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120609222546/http://www.mirrorfootball.co.uk/opinion/columnists/michael-calvin/Ian-Holloway-Nigel-Pearson-Paul-Lambert-Kenny-Jacket-Keith-Hill-and-Eddie-Howe-the-British-Football-League-managers-capable-of-being-the-next-Roy-Hodgson-The-Michael-Calvin-Column-article411383.html 28 January 2013閲覧。 
  10. ^ “PAUL LAMBERT: FROM LINWOOD RANGERS BC TO THE ENGLISH PREMIER LEAGUE”. scotzine.com. (3 May 2011). http://www.scotzine.com/2011/05/paul-lambert-from-linwood-rangers-to-the-english-premier-league/ 28 January 2013閲覧。 

外部リンク

編集