Strand

1989年に発表された商用ベースの並行論理プログラミング言語

Strandは、1989年に発表された商用ベースの並行論理プログラミング言語である。Ian FosterとStephen Taylorにより、設計された。開発はArtificial Intelligence Limitedで行われ、1989年のBritish Computer Society Awardを受賞した[1]。販売はStrand Software Technologies Inc.から行われた。

Strand
パラダイム 並行論理プログラミング
登場時期 1989年
設計者 Ian Foster 他
型付け 動的型付け
主な処理系 Strand88
影響を受けた言語 PrologRelational LanguageConcurrent PrologPARLOGGuarded Horn Clauses
影響を与えた言語 PCN
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この言語はErlang開発初期にベース言語としても使われた[2]

概要

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Strandは並行プログラミングのためのプログラミング言語で、論理変数を介して通信を行う複数の軽量プロセスのネットワークとしてプログラムを記述する。言語仕様や考え方はそれ以前に開発されたPARLOG第五世代コンピュータプロジェクトで開発されたGuarded Horn Clausesと非常によく似ている。

Strandではホーン節ガードを導入した以下のような規則の集まりでプログラムを記述する。

Head :- G1, ..., Gn| B1, ..., Bm.  (n,m≧0)

HeadとG1, ..., Gnはプロセス書き換えのための条件、B1, ..., Bmは書き換え後のプロセスを表す。生成されたプロセスは全て並行に実行される。プロセス間の通信にはプロセスで共有する論理変数を使用する。書き換え規則の適用に十分な情報がなければ書き換えを中断し、判断に必要な情報が得られるまで待つことで、プロセス間の同期が行われる。ストリームは論理変数を含んだリストとして表現する。論理変数を共有するプロセスの数に制限はないため、ストリーム通信は1対1だけではなく1対Nのブロードキャストなど、様々な形態が可能である。

StrandはFortranやC言語とのインタフェースを持ち、また個々のプロセスを実行するプロセッサーを指定するためのプラグマを持っていた。

プログラム例

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2本のストリームをマージして1本のストリームにするStrandプログラムの例を以下に示す。Prologと同様、A や Xs など英大文字で始まる項は変数を表す。

merge([A|Xs],Ys,Zs0) :- true | Zs0:=[A|Zs], merge(Xs,Ys,Zs).
merge(Xs,[A|Ys],Zs0) :- true | Zs0:=[A|Zs], merge(Xs,Ys,Zs).
merge([],Ys,Zs) :- true | Zs:=Ys.
merge(Xs,[],Zs) :- true | Zs:=Xs.

例えば、上記プログラムの最初の節では、最初の引数が[A|Xs]のようなリストの形になっていない場合は中断し、他のプロセスにより[A|Xs]の形に具体化された(具体的に値が決まった)場合に実行を再開する。この時点でXs自体は具体化されていなくても構わないため、リストの先頭からインクリメンタルに具体化されるストリームを素直に処理できる。

出典

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  1. ^ BCS IT Awards: 1973 - 1999. 2010年1月22日検索
  2. ^ Foster, I.,and Tayler, S.(ed) Strand: New Concepts in Parallel Programming. p.288-304

参考文献

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  • Foster, I.,and Tayler, S.(ed) Strand: New Concepts in Parallel Programming. Prentice Hall 1990, ISBN 978-0138505875

関連項目

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