SUPER LIVE IN 西武球場』(スーパー・ライブ・イン・せいぶきゅうじょう)は、日本のミュージシャンである長渕剛が、1983年8月25日に西武球場で開催したワンマンライブ。

長渕剛LIVE』(1981年)以来となる2枚目のライブ・アルバムとして発売された他、自身初めてのビデオ化もされた。

背景

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アルバム『HEAVY GAUGE』(1983年)リリース後の7月25日に西武球場(現、西武ドーム)で開催された。バスツアーを組んで全国からファンが集まり、観客動員数は約2万人[1]。あいにくの雨模様ではあったが、懐かしのナンバーから最新アルバムの収録曲まで、幅広く演奏されたコンサートであった。

構成

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セットリスト

タイトル アルバム ビデオ
1 時代は僕らに雨を降らしてる × [注釈 1]
2 長いのぼり坂
3 巡恋歌
4 夏の恋人 ×
5 素顔 ×
6 君は雨の日に [注釈 2]
7 Don't Cry My Love [注釈 3]
8 冷たい外国人 × ×
9 俺らの旅はハイウェイ ×
10 銀色の涙とタバコの煙 × ×
11 涙のセレナーデ ×
12
ローディー [注釈 4] ×
13 僕のギターにはいつもHeavy Gauge × ×
14 俺らの家まで
15 いかさまだらけのルーレット
16 どしゃぶり Rainy Day
17 賞金めあての宝さがし [注釈 5]
18 愛してるのに
19 × ×
20 時代は僕らに雨を降らしてる
21 恋人時代 × ×
22 乾杯
さようならの唄 × [注釈 6]

同年8月6~7日に行われた、南こうせつの第3回サマー・ピクニックに出演した際にも、このセットリストに近い曲を披露している[2]

  1. Hurry Up
  2. 巡恋歌
  3. 夏の恋人
  4. 君は雨の日に
  5. Don't Cry My Love
  6. いかさまだらけのルーレット
  7. どしゃぶりRainy Day
  8. 賞金目当ての宝探し
  9. 愛してるのに

この頃のライブには、笛吹利明はまだ参加していない。また、ベース担当の川嶋一久は、2004年8月21日桜島オールナイトコンサートで、21年ぶりに彼のライブに参加している(トリビュートアルバムの『Hey! ANIKI』では既に参加)。

『SUPER LIVE IN 西武球場』
長渕剛ライブ・アルバム
リリース
録音 1983年2月21日
日本武道館[3]
1983年7月25日
西武球場
ジャンル ポピュラー
フォークソング
時間
レーベル 東芝EMI/エキスプレス
プロデュース 長渕剛
チャート最高順位
長渕剛 アルバム 年表
HEAVY GAUGE
1983年
SUPER LIVE IN 西武球場
(1983年)
FROM T.N.
(1983年)
EANコード
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アルバム

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長渕剛 > 作品リスト > SUPER LIVE IN 西武球場

1983年8月25日東芝EMI/エキスプレスより、レコードカセットテープの2形態でリリースされた。

その後、1986年9月20日に初CD化され、2006年3月8日に24ビット・デジタルリマスター紙ジャケット仕様で再リリースされた。

批評

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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[4]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「雨の西武球場でのライヴを収録している長渕のターニング・ポイントになったアルバム」、「詞に比重を置いたフォーク・ソングの系統のシンガーである長渕のぶつけるようなヴォーカルが生き生きとしている」と評されている[4]

収録曲

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1983年に発売されたLP版、2006年に再発されたデジタルリマスター版CDと、1986年に発売されたCD版では時間表記が異なる。

1983年版の時間表記のほうは、曲とMCのバランスが不適切(例えば「顔」の時間表記の中に、次曲「ローディー」のMCが含まれたり、「愛してるのに」の時間表記の中に、次曲「時代は僕らに雨を降らしてる」を紹介するMCが含まれているなど)だったが、1986年版は適切(「顔」には「ローディー」のMCは含まれず、「愛してるのに」には「時代は僕らに雨を降らしてる」を紹介するMCは含まれていなかった)。

1983年版

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SIDE 1
全作詞・作曲: 長渕剛(注記を除く)。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「長いのぼり坂」長渕剛(注記を除く)長渕剛(注記を除く)
2.巡恋歌長渕剛(注記を除く)長渕剛(注記を除く)
3.夏の恋人(作詞・作曲:長渕剛、藤岡孝章山梨鐐平)長渕剛(注記を除く)長渕剛(注記を除く)
4.「素顔」長渕剛(注記を除く)長渕剛(注記を除く)
5.「君は雨の日に」長渕剛(注記を除く)長渕剛(注記を除く)
SIDE 2
#タイトル作詞作曲・編曲時間
6.「Don't Cry My Love」(作詞:長渕剛、吉見佑子)  
7.涙のセレナーデ  
8.「顔」  
9.「ローディー (To 1981~1982 TSUYOSHI N. TOUR STAFF)」  
合計時間:
SIDE 3
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.俺らの家まで  
2.「いかさまだらけのルーレット」  
3.「どしゃぶり Rainy Day」  
4.「賞金めあての宝さがし」  
SIDE 4
#タイトル作詞作曲・編曲時間
5.「愛してるのに」  
6.「時代は僕らに雨を降らしてる」  
7.乾杯  
合計時間:

1986年版

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SIDE 1
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「長いのぼり坂」  
2.巡恋歌  
3.夏の恋人  
4.「素顔」  
5.「君は雨の日に」  
SIDE 2
#タイトル作詞作曲・編曲時間
6.「Don't Cry My Love」  
7.涙のセレナーデ  
8.「顔」  
9.「ローディー (To 1981~1982 TSUYOSHI N. TOUR STAFF)」  
合計時間:
SIDE 3
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.俺らの家まで  
2.「いかさまだらけのルーレット」  
3.「どしゃぶり Rainy Day」  
4.「賞金めあての宝さがし」  
SIDE 4
#タイトル作詞作曲・編曲時間
5.「愛してるのに」  
6.「時代は僕らに雨を降らしてる」  
7.乾杯  
合計時間:

曲解説

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SIDE 1

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  1. 長いのぼり坂
  2. 巡恋歌
  3. 夏の恋人
  4. 素顔
  5. 君は雨の日に

SIDE 2

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  1. Don't Cry My Love
  2. 涙のセレナーデ
  3. 後にこのライブ・バージョンがベスト・アルバム『いつかの少年』(1994年)に収録されている。
  4. ローディー (To 1981~1982 TSUYOSHI N. TOUR STAFF)

SIDE 3

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  1. 俺らの家まで
  2. いかさまだらけのルーレット
  3. どしゃぶり Rainy Day
  4. 賞金めあての宝さがし

SIDE 4

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  1. 愛してるのに
  2. 時代は僕らに雨を降らしてる
  3. 乾杯

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1983年8月25日 東芝EMI/エキスプレス LP
CT
ETP-60478〜9
ZH40-1349〜50
13位
2 1986年9月20日 東芝EMI/エキスプレス CD CA25-1286〜7 -
3 2006年3月8日 東芝EMI/エキスプレス CD TOCT-25960〜1 218位 24ビット・デジタルリマスター紙ジャケット仕様

ビデオ

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1983年9月21日にリリースされた。2024年11月時点で、他のメディアでの再発は予定されていない。

収録曲

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#タイトル作詞作曲・編曲
1.「OVERTURE」  
2.「時代は僕らに雨を降らしてる」  
3.「長いのぼり坂」  
4.「巡恋歌」  
5.「君は雨の日に」  
6.「DON'T CRY MY LOVE」  
7.「俺らの旅はハイウェイ」  
8.「顔」  
9.「俺らの家まで」  
10.「いかさまだらけのルーレット」  
11.「賞金めあての宝さがし」  
12.「愛してるのに」  
13.「時代は僕らに雨を降らしてる」  
14.「乾杯」  
15.「さようならの唄」  

曲解説

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  1. OVERTURE
    会場設営の様子や開場前の本人、ファンのコメントが映る。
  2. 時代は僕らに雨を降らしてる
    アルバム版より長いコンサート開始のアナウンスとともに本人登場。曲はBGMとして流れる。
  3. 長いのぼり坂
  4. 巡恋歌
  5. 君は雨の日に
  6. DON'T CRY MY LOVE
    リハーサルから本編に移行する。
  7. 俺らの旅はハイウェイ
  8. 俺らの家まで
  9. いかさまだらけのルーレット
  10. 賞金めあての宝さがし
    アルバム版より長い。
  11. 愛してるのに
  12. 時代は僕らに雨を降らしてる
  13. 乾杯
  14. さようならの唄
    終演後のファンへのインタビューの模様にBGMとして流れる。

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 備考
1 1983年9月21日 東芝EMI/エキスプレス VHS TT15-1041H
2 LD L098-1001

参加ミュージシャン

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脚注

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注釈

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  1. ^ 演奏ではなく本人登場のBGMとして流れる。
  2. ^ 途中でフェードアウトしてリハーサル模様に切り替わる。
  3. ^ 1番を主にリハーサルで展開し、途中でLIVE模様に切り替わっていく。
  4. ^ 当日の音源ではなく2月21日の日本武道館公演からであり、当日同曲は演奏されていない。
  5. ^ 途中長渕が倒れて復活する模様も含まれている。
  6. ^ 実際の演奏ではなく、帰る観客やセットを解体する模様へのBGMとして流れる。

出典

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  1. ^ プロフィール”. フォーライフミュージックエンタテイメント. フォーライフミュージックエンタテイメント. 2018年11月22日閲覧。
  2. ^ 30年前のコンサートレポ~1983年編~南こうせつさん 第3回サマーピクニックその2 _ フォークソングカフェ マスター・ユタの「面白いほど過ぎてゆく毎日」2022年2月15日閲覧。
  3. ^ SIDE 2の4曲目「ローディー (To 1981~1982 TSUYOSHI N. TOUR STAFF)」のみ。
  4. ^ a b 長渕剛 / SUPER LIVE IN 西武球場[2CD][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2018年9月17日閲覧。

外部リンク

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