SUPER CD-ROM2

PCエンジン用周辺機器
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SUPER CD-ROM2(スーパーシーディーロムロム)とは、1991年12月13日日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売されたPCエンジン用の周辺機器、及び同等の機能を持つシステム、それを用いたゲームソフトプラットフォームの呼称。型番はPI-CD1。当時のメーカー希望小売価格は47,800円。

SUPER CD-ROM2
メーカー NECホームエレクトロニクス
種別 据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 日本の旗 1991年12月13日
フランスの旗 1991年
対応メディア CD-ROM
CD-DA
対応ストレージ バッテリーバックアップ
外部接続 電源出力端子
互換ハードウェア PCエンジンDuo
前世代ハードウェア CD-ROM2
次世代ハードウェア PC-FX
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概要

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PCエンジンの周辺機器であるCD-ROM2システムのSRAMを4倍に強化した上位規格のシステムである。CD-ROM2用ソフトとSUPER CD-ROM2用ソフト両方を起動する事が出来る。 この規格に対応したシステムの組み合わせとして主に以下の3通りの方法が提供された。

  • 旧CD-ROM2システム本体にスーパーシステムカードを入れ替える(旧機種ユーザー向けの方法)
  • PCエンジン本体にSUPER CD-ROM2システム本体を接続する(PCエンジンのみの所有者向けの方法)
  • 一体型機種であるPCエンジンDuoシリーズを使う(新規ユーザー向けの方法)

この他、後年になってから発売されたパイオニアの製品で、数ヶ月後にNECホームエレクトロニクスもOEMで販売したレーザーアクティブPCエンジンパックもSUPER CD-ROM2に対応している。

ハードウェア

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スーパーグラフィックスに直接接続したSUPER CD-ROM2

本体の色調はコアグラフィックスIIに合わせたもの。ユニット全体が拡張バスの後方に配置されるデザインにしたことでPCエンジンスーパーグラフィックスにもアダプタなしで直接接続可能となったが、PCエンジンLTとの接続にはSUPER ROM2 ADAPTER(PI-AD18)が必要となった[1]

CD-ROM2システム本体からの変更点は、システムカードとインターフェースユニットの内蔵、SRAM容量増加(2Mbit)。旧CD-ROM2システムで各々独立していたパーツをコンパクトに一体化させたことで、上位機種ながら定価は大きく下がった。またSRAM容量増加によって、旧CD-ROM2の欠点だった読み込みの多さをある程度解消することができた。

上記の通りシステムカード機能が内蔵されているため、CD-ROMソフトを使う場合はアーケードカードなどの使用時を除きPCエンジン本体のHuカードスロットには何も挿さないでスイッチを入れる。これはPCエンジンDuoでも同じ仕様になっている。

仕様

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CD-ROMドライブ 等速 (150KB/秒)
通信プロトコル SCSI-1
SRAM 2Mbit(256KB)
ADPCM用DRAM 64KB
ADPCMデータフォーマット 1ch 1Bit(符号)+3Bit(最適化済変位量 沖電気独自形式)
バックアップ用SRAM 2KB

周辺機器

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アーケードカードDUO

NECホームエレクトロニクス純正

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型番 名称 発売日 備考
PAD-125 ACアダプタ 1991年
12月13日
SUPER CD-ROM2用のACアダプタ。
PI-AD18 SUPER ROM2アダプター 1992年
3月
PCエンジンLTをSUPER CD-ROM2と接続する際に必須になるアダプタ[1]
特に意味は無いもののRAU-30と同時に使用することも出来る[2]
PCE-AC1 アーケードカードDUO 1994年
3月12日
PCエンジンDuo系の機種やSUPER CD-ROM2用のアーケードカード。

他社発売

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バージョン変更

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アーケードカード
SUPER CD-ROM2にアーケードカードDuoを組み合わせる等の方法で16MbitのDRAMを追加したアーケードカード対応システムにバージョンアップできる。対応するシステムの組み合わせについては当該記事参照。
バージョンダウン
SUPER CD-ROM2対応機種に旧CD-ROM2付属のシステムカード(別売りも存在)を差し込むと旧CD-ROM2規格として起動できる。
一見無意味だが、SUPER CD-ROM2用ソフトの多くは旧CD-ROM2で起動した際の警告画面が様々な趣向を凝らしており一種のおまけ要素になっている[注釈 1]
また、初期ロットの『獣王記』はバージョン2.0以上のシステムカードでは不具合が発生するため、SUPER CD-ROM2やPCエンジンDuoではバージョン1.0のシステムカードを挿入したほうが安全にプレイすることが可能であるなど、一部ソフトのワークアラウンドにもなっていた。

ソフトウェア

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CD-ROM2からSUPER CD-ROM2へのプラットフォーム移行過渡期には、SUPER CD-ROM2で起動したほうが動作が快適になるなど両者での動作に変化が発生するCD-ROM2対応ソフトがいくつか発売されている。

初期のSUPER CD-ROM2専用ソフトは、コアグラフィックス単体や旧CD-ROM2の所持者を意識してか、前述のプレイ方法が事細やかに記されていた。

発売済みの『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』と発売前の『天外魔境II 卍MARU』の体験版を収録しただけの『SUPER CD-ROM2体験ソフト集』が実質的なローンチタイトルであり、一般タイトルにおけるローンチタイトルは無かった。本機の発売前で、PCエンジンDuo発売後(1991年9月21日)かつスーパーシステムカードと同時発売(1991年10月25日)の『天使の詩』、『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』、『ポピュラス ザ・プロミストランド』が初のSUPER CD-ROM2専用ソフトである。最後のタイトルは1999年6月3日発売の『デッド・オブ・ザ・ブレイン 1&2』である。

反響

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同時期にセガからメガドライブ用周辺機器としてSUPER CD-ROM2の性能を上回るメガCDが発売され、初めてのCD-ROM機種の競合となるが、既にPCエンジンソフトの主流になっていたCD-ROM2システムからSUPER CD-ROM2環境へのアップグレードが容易だった事や、新規ユーザ向けにSUPER CD-ROM2用ソフトが遊べるPCエンジンDuoが発売された事で普及が進み、ソフト供給も安定していたため同世代のCD-ROMプラットフォームとしてはPCエンジンが活発であった。PCエンジンの市場はSUPER CD-ROM2中心に移行し多数のタイトルが発売された。

プラットフォームとしてのSUPER CD-ROM2普及の一方で、周辺機器としてのSUPER CD-ROM2システム本体は、同規格に対応するハードの中で発売が遅く、先行して発売されたスーパーシステムカードとPCエンジンDuoで販売開始時の需要をほぼカバーできたことに加え、以降の主力ハードがPCエンジンDuoシリーズにシフトしたことで、この機器自体はセールス的には不振に終わった。

一方、SUPER CD-ROM2は容量が大きい分、従来の手法が通用しないこともあり、時には思わぬ結果をもたらすこともあった。たとえば、『天外魔境II 卍MARU』の場合、ハードの価格に見合った作品にしたいということで大作にする方針が立てられたが、当初の開発体制が作品の規模にそぐわないことが判明し、どんどん開発規模が膨れ上がっていった[注釈 2][3]。また、プログラマーである岩崎啓眞の「従来のようにグラフィックを先行して進めていては間に合わない」という判断から、プロトタイピングに類似した手法が導入されたものの、当初予定していた1991年の年末商戦に間に合わず、1992年3月の発売へとずれこんだ[3]

脚注

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注釈

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  1. ^ 中には隠しゲームが遊べるものや、「あくまぢょお どらきゅらペケ」(『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の警告メッセージを兼ねたコース)のような凝った仕掛けもある。
  2. ^ 『天外魔境II』のプログラマーである岩崎啓眞は、開発していた当時、ディレクター兼脚本の桝田省治が「当時の一般的なRPGがだいたい20時間くらいで終わるように作ってあるから、それを4本分で80時間」と言っていたほか、キャラクターの移動速度なども倍にすると言っていたとも後年のインタビューの中で語っており、当時の自分にはその分だけ開発人数が倍になることを理解できていなかったと振り返っている。

出典

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関連項目

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