SDS-4
SDS-4(英語: Small Demonstration Satellite - 4)は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型実証衛星であり、2012年5月18日にしずくの相乗りペイロードとして打上げられた。打ち上げ機会が確保しやすい50kg級三軸制御衛星バス技術の確立と先進技術実証を目的としている。2019年12月2日スカパーJSATに譲渡された[3]。
小型実証衛星4型「SDS-4」 | |
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所属 | スカパーJSAT |
主製造業者 | JAXA |
国際標識番号 | 2012-025C |
カタログ番号 | 38339 |
状態 | 運用終了 |
打上げ機 | H-IIAロケット 21号機 |
打上げ日時 | 2012年5月18日 |
停波日 | 2021年7月1日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 50cm × 50cm × 45cm |
質量 | 48kg |
発生電力 | 約120W |
姿勢制御方式 | ゼロモーメンタム三軸姿勢制御 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 太陽同期軌道 |
高度 (h) | 696km |
搭載機器 | |
SPAISE | 衛星搭載船舶自動識別実験 |
QCM | 水晶発振式微小天秤 |
FOX | 平板型ヒートパイプ軌道上性能評価 |
IST | THERMEを用いた熱制御剤実証実験 |
引用資料[1][2] |
バス機器については今後も継続的に使用可能な仕様を意識し、搭載計算機(OBC)、電力制御器(PCU)、S帯通信機(STRX)、小型MEMSジャイロ等を新規開発した。また高精度の三軸姿勢決定・制御が可能なように国内の50kg級小型衛星としては初めてとなるスタートラッカ(STT)、デジタル太陽センサ(DSS)を搭載する。
ミッション
編集4つのミッションから構成される。
衛星搭載船舶自動識別実験(SPAISE)
編集自動船舶識別装置(AIS)受信システムの軌道上での機能・性能の確認及び衛星利用可能性の検証を行うミッション[2]。
水晶発振式微小天秤(QCM)
編集軽量低コストな新型の国産水晶発振式微小天秤の実証を行うミッション[2]。開発から軌道上運用に至るまで衛星の汚染環境の計測を行う[1]。
平板型ヒートパイプ軌道上性能評価(FOX)
編集平板型ヒートパイプ(FHP)の軌道上実証及び地上試験や理論モデルとの比較評価を行うミッション[2]。
THERMEを用いた熱制御剤実証実験(IST)
編集JAXAとフランス国立宇宙研究センター(CNES)が共同開発した新型熱制御剤"THERME"の太陽光吸収率と軌道上劣化特性を計測するミッション[1]。
出典
編集- ^ a b c T.Ohtani, Y.Nakamura, Y.Takahashi, K.Inoue, K.Hirako (2011年4月6日). “JAXA SDS-4 Spacecraft System Design and Test Results” (PDF). 8th IAA Symposium on Small Satellites for Earth Observation. 2011年6月8日閲覧。
- ^ a b c d “平成23年度打上げのH-ⅡAロケットに相乗りする小型副衛星の選定結果について” (PDF). JAXA (2010年10月6日). 2011年6月8日閲覧。
- ^ 『JAXAとスカパーJSAT間の小型実証衛星4型の譲渡完了について』(プレスリリース)JAXA、2019年12月3日 。
関連項目
編集- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
- H-IIAロケット
- 地球環境変動観測ミッション
- マイクロラブサット
- 小型実証衛星
- SERVIS-1 - USEFの実証衛星
- SERVIS-2 - USEFの実証衛星
- SERVIS-3 - USEFの実証衛星