S企画
株式会社S企画(エスきかく)は、かつて書店を運営していた日本の企業。旧社名は株式会社芳林堂書店。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
![]() 〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-23-10 |
設立 | 1948年3月 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 9013301011177 |
事業内容 | 書籍・雑誌、検定教科書、文房具、雑貨等の販売 |
代表者 | 破産管財人 安藤真一 |
資本金 | 2000万円 |
売上高 |
40億円 (2014年8月期) |
従業員数 | 180名 |
決算期 | 8月31日 |
特記事項:2016年2月23日に書泉へ事業を譲渡し事業停止。同年2月25日に現社名へ商号変更。同年2月26日に破産手続開始。 |
概要
編集太平洋戦争終戦後に、古本の販売を目的として個人商店として創業。1948年3月に法人に改組。1971年に池袋駅西口に自社ビルとなる芳林堂ビルが完成し、旗艦店となる池袋本店をオープンさせた[1]。
その後は首都圏を中心に店舗を拡大し、1999年8月期には約70億円の売上を記録したが、読書離れやインターネットの普及、電子書籍の台頭から業績が悪化[1][2]。再建策として、池袋本店を閉店し、芳林堂ビルを売却した一方、コミックやビジネス書籍の取り扱いを増やしたり、事業多角化を目的に語学や飲食業に参入したが、書店事業以外の事業において、一部が不良債権化し、有利子負債が増加することになり、経営はさらに悪化していった[3]。
売上高も2015年8月期にはピーク時から半減の約35億8700万円までに低下[4][1]。取次業者の太洋社に対する支払いの繰延を幾度も申請して経営を維持してきたが、太洋社からの請求額のうち芳林堂書店は56%しか太洋社に支払わなかったことから、太洋社は2016年1月に芳林堂書店に対し、書籍の納入を停止することを通告し[3]、同年2月以降は新刊の入荷がない状態が続き、店舗の運営にも支障をきたしていた[5]。
そんな中、2016年2月5日に太洋社は取引先に対して自主廃業を通知。芳林堂書店は取次業者の変更を検討したものの、太洋社への債務支払いがネックとなり断念[5]。同年2月23日にアニメイトグループである書泉に、書籍・外商事業を譲渡する契約を締結し[3][6]。芳林堂書店の店舗は書泉傘下の(新)芳林堂書店として営業を継続することになった他、同時に書泉は同年2月26日に外商部門の受け皿会社として、株式会社芳林堂書店外商部を設立した。
株式会社芳林堂書店は2016年2月25日に株式会社S企画へ商号変更し、翌2月26日に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[3][5][4]。
太洋社とその主要取引先の芳林堂書店は、もたれ合いの関係を続けた結果、太洋社が回収できない債権が生まれた。このため、帳号変更は難しく、芳林堂書店は事業継続が難しくなった。これはリスク分散の無いシェア拡大の失敗例と言える[4]。
沿革
編集経営破綻時点で営業していた店舗
編集○:書泉へ譲渡し、(新)芳林堂書店として営業。
脚注
編集- ^ a b c 芳林堂書店/破産で負債20億7500万円流通ニュース 2016年2月29日
- ^ データを読む 太洋社の自主廃業に連鎖した書店の倒産・休廃業調査東京商工リサーチ 2016年2月26日
- ^ a b c d TSR速報 (株)S企画(旧:(株)芳林堂書店)東京商工リサーチ 2016年3月7日
- ^ a b c d e 藤森徹『あの会社はこうして潰れた』日本経済新聞出版社、2017年4月10日初版、191-194頁、 ISBN 9784532263379
- ^ a b c TSR速報 (株)芳林堂書店東京商工リサーチ 2016年2月26日
- ^ 株式会社芳林堂書店の書店事業引き継ぎのお知らせ - 書泉、2016年3月1日
外部リンク
編集- 株式会社芳林堂書店 - ウェイバックマシン(2016年3月1日のキャッシュ)