QWERTZ配列クウォーツはいれつ、クワーツはいれつ、クウェルツはいれつ、クヴェルツはいれつ、ドイツ語: QWERTZ-Belegung)は、中央ヨーロッパ東ヨーロッパで広く使われているコンピュータタイプライター用のキー配列である。名前は、キーボードの左上の6文字がQ, W, E, R, T, Zの並び順であることに由来している。

ヨーロッパでのキーボード配列の地理的分布:
  QWERTZ配列
  固有の配列 (トルコ FGĞIOD配列)、ラトヴィア(ŪGJRMV配列)、リトアニア(ĄŽERTY配列)
  非ラテン文字圏
コンピュータ用のQWERTZキーボード

QWERTY配列とはZとYが入れ代わっている。これは、ドイツ語ではZがYよりもはるかに多用され(Yは外来語を表記するのに使われる程度である)、TとZはドイツ語では隣あって現れることが多いためである。キーボードの一部にはä,ö,üといったドイツ語表記のためのウムラウトが含まれている。記号は英語用のキーボードとは異なった場所に配置されており、CtrlキーはStrgキーとなっている(StrgはSteuerungの略であり、キーの意味は同じであるが、Stringの意味であると誤解されることもある)。


古いスイスのタイプライタで使われているQWERTZキーボード

QWERTZに基づいたキーボードは、同じドイツ語が話されるスイス[1]や、ラテンアルファベットを使う東ヨーロッパ北東ヨーロッパの多くの国々で使われているが、バルト三国では使われていない(3ヶ国ともQWERTY配列が一般的。ラトビアリトアニアには独自の配列も存在)。QWERTZから派生したキーボードはポーランドでも使用されていたが、1990年代の初めからは、QWERTY配列が優勢となっている。

ドイツ語が唯一の公用語であるドイツオーストリアで使われるQWERTZキーボードだけがStrgキーを持っており、それ以外のスイス等で使われるキーボードではCtrlと表記されている。また、スイスのものはエスツェットが省略されている一方、ドイツ語以外の公用語であるフランス語、イタリア語、ロマンシュ語で使われる文字も入力できるよう調整されている。

ドイツ語では名詞の語頭を大文字で表記するため、英語よりもシフトキーを多用するが、キーボードに特に配慮はない。

QWERTZキーボードは、非公式にkezboardというニックネームで呼ばれることがある。これは、QWERTYキーボードのつもりでkeyboardと入力すると、QWERTZキーボードでは、kezboardと表示されるためである。QWERTZキーボードのつもりでQWERTYキーボードに入力しても同じである。

脚注

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  1. ^ Swiss Norm, former VSM norm, SN 074021

関連項目

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