PyMOL
PyMOL(パイモル)はオープンソースの分子グラフィックスツールである。ウォーレン・デラノにより開発され、個人経営のソフトウェア会社であるデラノ・サイエンティフィック (DeLano Scientific LLC) によって商品化された。現在はSchrödinger社によって商品化されている。PyMOLは小さな分子に加えてタンパク質など生体高分子の高品質な3Dイメージを作成でき、科学雑誌の表紙を飾ったPyMOLのタンパク質画像も多く存在している。
作者 | Warren Lyford DeLano |
---|---|
開発元 | Schrödinger, Inc. |
最新版 |
3.0.4
/ 2024年8月5日 |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C、C++、Python |
対応OS | クロスプラットフォーム |
種別 | 分子モデリング |
ライセンス | Pythonライセンス[1] |
公式サイト | www.pymol.org |
構造生物学の分野ではオープンソースで利用できる数少ないソフトウェアのうちの1つである。名称の一部Pyは記述言語であるPythonに因む。
PyMOLはOpenGL Extension Wranglerライブラリ(GLEW)やFreeGLUTを用いており、またプラグインとしてプログラムソフトウェアAPBS[2]を利用してポアソン=ボルツマン方程式を解いて、タンパク質表面に電荷分布を表示させることが可能となっている。
2017年9月20日にPyMOL 2.0がリリースされた[3]。GUIがPyQt対応になり、以前のTkやaquaを用いた描画から置き換えられた。またサポートが行われなくなったPython 2からPython 3への以降を行っており、現在のバージョンではPython 3単独で動作するようになっているが、一部の古いプラグインは依然としてPython 2でしか動作しないものも存在する。
2024年3月12日にPyMOL 3.0がリリースされた[4]。GUIが大きく変化し、シーン機能の、レイトレース機能の強化やムービー作成など、描画が改善されている。2024年4月10日にはソースコードも公開された。PyMOL 2のサポートも引き続き行われている。
バイナリの配布とソースコードの利用
編集2006年8月1日にデラノ・サイエンティフィックはコンパイル済みのPyMOL製品(ベータ版を含む)のダウンロードシステムにアクセス制限を設け、長らく最新版のバイナリの配布は有償となっていた。しかし2017年9月のPyMOL 2.0のリリースとともに、Windows, macOS, Linux OSについての最新バージョンのバイナリの公開を再開した。ユーザーは無償でダウンロードして使用することが可能であるが、一部の機能に制限がある。
一方で、最新のソースコードは継続して無償公開されており、PyMOL 2についてのソースコードも2018年3月に公開が再開された[1]。ユーザーがソースコードをダウンロードしてコンパイルし利用することは許可されている。Windows OSについてはオンライン上で非公式のバイナリが配布されている[5]。macOSについてはHomebrewを用いて簡単にソースコードからのインストールを行うことが可能になっている[6]。
脚注
編集- ^ a b https://sourceforge.net/projects/pymol/
- ^ APBS
- ^ PyMOL v2.0 Release Notes
- ^ “PyMOL” (英語). Schrödinger. 2024年8月10日閲覧。
- ^ Pymol-open-source wheels for Python on Windows
- ^ pymolwiki