Processing(プロセシング)は、ケイシー・リース英語版Casey Reas)とベンジャミン・フライ英語版Benjamin Fry)によるオープンソースプロジェクトであり、かつてはMITメディアラボで開発されていた。電子アートとビジュアルデザインのためのプログラミング言語であり、統合開発環境(IDE)である。アーティストによるコンテンツ制作作業のために、詳細な設定を行う関数を排除している。 視覚的なフィードバックが即座に得られるため、初心者がプログラミングを学習するのに適しており、電子スケッチブックの基盤としても利用できる。Java を単純化し、グラフィック機能に特化した言語といえる。

Processing
ロゴ
Processingのロゴ
パラダイム オブジェクト指向
登場時期 2001年
設計者 ケイシー・リース、ベンジャミン・フライ
最新リリース 4.3[1] ウィキデータを編集 - 2023年7月26日 (15か月前) [±][+/−]
型付け 強い型付け
影響を受けた言語 Design by Numbers
プラットフォーム クロスプラットフォーム
ライセンス GPLLGPL
ウェブサイト processing.org
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機能

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Processing のIDE

Processing にはsketchbookスケッチブックと呼ばれる必要最小限のIDEが含まれている。

Processing でのプログラミングでは、全ての定義されたクラスは Java の内部クラスのコードとして扱われ、コンパイルされる。すなわち、クラス内の静的変数や静的メソッドは通常禁じられており、それらを使うにはユーザーが明示的に純粋Javaモードを指定しなければならない。

GPUドライバが提供するAPIが簡略化されてProcessingのAPIとして提供されているため、高度な表現を行う場合には不便に感じやすい。例えば、OpenGLで標準的にサポートされている環境マッピングが、APIとして提供されていないため、独自に実装する必要がある等である。

作成したプログラムをアプリケーションとしてエクスポートすることができる。また、processing.jsの機能を用いればネット上でコードの実行結果が見られる。

プログラム例

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Hello World

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println("Hello World!");

上記も正しいプログラムだが、次のようなコードの方がProcessingの雰囲気をよく表している。

text("Hello World!", 20,50);

図形を描く

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rect(20, 20, 100, 80);//四角形
ellipse(140, 140, 40, 50);//楕円

日本地図の塗り分け

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ウィキメディアのSVG形式の日本地図の白地図を読み込み、Prefecturesという配列に記述された番号の県のみ塗り分けるプログラム。英語版の例のように地図データが各県ごとにnameを持っていれば県名で指定することも可能である。

PShape japan;
float map_scale=0.25;
int square_len=512;
int [] Prefectures={2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43};  // Prime numbers

void setup() {
  japan=loadShape("https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/56/Blank_map_of_Japan.svg");
  size(square_len,square_len);
  smooth();
  noLoop();
}

void draw() {
  background(color(0, 0, 255));  // blue
  japan.disableStyle();
  japan.getChild("ground").getChild(0).scale(map_scale);
  fill(color(255, 255, 0));  // yellow
  shape(japan.getChild("ground").getChild(0), square_len * map_scale, square_len * map_scale);
  prefecturesColoring(japan ,Prefectures , color(255, 0, 255), map_scale);  // magenta
  saveFrame("map output.png");
}

void prefecturesColoring(PShape nation, int[] prefectures, int c, float n){
  for (int i=0; i < prefectures.length; i++) {
    PShape prefecture=nation.getChild("ground").getChild(0).getChild(prefectures[i]);
    prefecture.disableStyle();  // Disable the colors found in the SVG file
    prefecture.scale(n);
    fill(c);  // Set our own coloring
    noStroke();
    shape(prefecture, square_len * map_scale, square_len * map_scale);  // Draw a single prefecture
  }
}

関連プロジェクト

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Processing から派生したプロジェクトとしてWiringワイアリング英語版があり、Processing の統合開発環境に単純化したC言語を組み合わせて、アーティストがマイクロコントローラをプログラムできるようにするものである。Wiring を使ったハードウェアプロジェクトとして Arduino がある。また、フランシス・リのMobile Processingモバイル・プロセシングは、Processing を使って書かれたソフトウェアを Java を内蔵した携帯機器上で実行させるプロジェクトである。

受賞

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2005年、リースとフライは Processing に関する業績により、アルス・エレクトロニカのゴールデン・ニカ賞(ネットビジョン部門)を受賞した。

ライセンス

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統合開発環境は GPL の条件で公開されている。

アプリケーションやアプレットに含まれるライブラリコードは LGPL の条件で提供、開発したプログラムは任意のライセンスで活用可能である。

名前

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もともとリースとフライは processing.org が取得されていたため proce55ing.org というドメインを用いたが、しばらくして processing.org を取得した。proce55ing.org から取られた p5 という略称は、名前が変わったにもかかわらずときおり用いられる。

バージョン

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  • 2008年11月24日:初のリリースバージョンである1.0がリリース。
  • 2013年6月:2.0がリリース。
  • 2015年9月:3.0がリリース。
  • 2022年8月:4.0がリリース。

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ "Processing is open source and is available for macOS, Windows, and Linux."; 閲覧日: 2023年8月15日; 出版日: 2023年7月26日.