Postfix(ポストフィックス)はフリーソフトウェアオープンソースソフトウェアメール転送エージェント(MTA)である。先行して開発されていたSendmailとの操作上の互換性を確保しつつ、管理・設定が容易で、高速・安全であることを指向して開発されている。完全にUNIX用のMTAシステムとして設計されているため、UNIX上の他の多くのソフトウェアと連携が必要となる場合がある。

Postfix
作者 Wietse Venema
初版 1999年 (25年前) (1999)中頃
最新版 3.9.1[1] ウィキデータを編集 - 4 12月 2024 [±]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C言語
対応OS UNIXUnix系
プラットフォーム クロスプラットフォーム
サポート状況 開発中
種別 メール転送エージェント
ライセンス IBM Public License または Eclipse Public License
公式サイト www.postfix.org
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NetBSDmacOS Serverなど、いくつかのUNIX / Unix系OSで標準のMTAとして採用されている。

ライセンスはIBM Public License 1.0であったが、バージョン3.2.5以降では、Eclipse Public License 2.0も選択できるようになった。

Postfixシステムは一つのプログラムではなく、複数のコアプログラムから成り立っている。

かつてはVMailerおよびIBM Secure Mailerという名前であった。Wietse Venema英語版IBM トーマス・J・ワトソン研究所で開発を開始し、現在も活発に開発が行われている。Postfixの最初のリリースは1999年中頃に行われた。

2021年6月のE-Softによる調査[2]では、外部からアクセス可能なメールサーバーとして、Eximに次ぐ32.5%のシェアを占めている。

機能

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Postfixの強みはバッファオーバーラン攻撃に強いことと、大量の電子メールをさばけることである。 Postfixは異なったデーモンが協調動作するネットワークで構成される。 そして、各々のデーモンには1つの仕事しかなく、必要最小限の権限でそれを行う。 こうすることで、デーモンが攻略されたとしても、その影響はそのデーモンだけに留まり、システム全体に影響が及ぶことはない。 実際、管理者権限を持つデーモンは(常にバックグラウンドプロセスとなる)master 一つだけで、Postfixの外への書き込みや外部プロセスの起動を行うのもlocalvirtualpipeだけなので、ほとんどのデーモンはchrootして動作させることができる。

構造

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Postfixの構造についてはPostfix アーキテクチャの概要が詳しい。メッセージキュー、コアプログラム、ユーティリティプログラム、ルックアップテーブル、設定ファイルなどから構成される。

基本的な設定

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サイトごとの設定はmain.cfで、デーモンプロセスの設定はmaster.cfで行う。 Postfix 基本設定には、各々のサイトで設定すべき主な項目が示されている。

Postfix 標準設定の例には、一般的な環境における設定の例が示されている。

Postfix アドレス書き換えでは、アドレス書き換えとメールのルーティングについて述べられている。日本語で利用可能なドキュメントの一覧は、Postfixのぺーじ - 和訳ドキュメント (2.3.x)にある。

脚注

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  1. ^ ヴィーツェ・ヴェネマ (4 12月 2024). “[pfx-ann Postfix stable release 3.9.1, and legacy releases 3.8.7, 3.7.12, 3.6.16]”. 4 12月 2024閲覧。
  2. ^ Mail (MX) Server Survey”. www.securityspace.com. 2021年7月8日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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