OpenAI o1(オープンエーアイ オーワン)は、OpenAIによって2024年9月12日に発表された、複雑な問題解決を目的とした大規模言語モデルシリーズの名称である[1]。2024年9月時点では、OpenAI o1 preview、OpenAI o1 miniモデルのみが公開されており、o1モデル本体は公開されていない。社内ではコードネーム「Strawberry」と呼ばれ、GPT-4oの後継ではなく、GPT-4oを補完するモデルとして位置付けられている[2]。特に科学、コーディング、数学などの分野において、従来のモデルよりも高度な問題解決能力を示す。2024年9月12日にChatGPTおよびAPIで最初のモデルがプレビューリリースされた。

OpenAI o1
開発元 OpenAI
初版 2024年9月12日 (21日前) (2024-09-12)
種別 GPT (言語モデル)
公式サイト https://openai.com/o1/
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概要

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OpenAI o1は、GPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャを基盤としており、事前学習と追加学習を通じて、問題解決能力を向上させている。具体的には、思考プロセスを洗練させ、様々な戦略を試み、自身の誤りを認識することを学習する[1]。特に、GPT-4oGPT-4など他のモデルと比べて回答を生成する前に人間のようにより多くの時間をかけて思考するよう設計されており、科学、コーディング、数学といった分野において、従来のモデルよりも複雑なタスクを推論し、より困難な問題を解決することができる[1]。具体的には、物理学、化学、生物学における高度なベンチマークタスクにおいて、博士課程の学生と同等の成績を収めた。また、数学とコーディングにおいても優れた能力を示し、国際数学オリンピック(IMO)の予選問題では、GPT-4が正答率13%であったのに対し、OpenAI o1は正答率83%を達成した。コーディング能力は競技会で評価され、Codeforces競技会では上位11%にランクインした[1]

歴史

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2024年7月、ロイター通信は、OpenAIが「Strawberry」と呼ばれる大規模言語モデルを開発中であると報じた[3]。2024年9月12日、OpenAIはOpenAI o1をリリースした[4]

脚注

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  1. ^ a b c d Introducing OpenAI o1-preview”. OpenAI. 2024年9月14日閲覧。
  2. ^ Nakano, Will Knight,Mamiko (2024年9月13日). “OpenAI、推論する新AIモデル「o1」を発表。規模以外での進化を示す”. WIRED.jp. 2024年9月17日閲覧。
  3. ^ Exclusive: OpenAI working on new reasoning technology under code name 'Strawberry'”. Reuters (July 15, 2024). September 12, 2024閲覧。
  4. ^ Metz, Cade (September 12, 2024). “OpenAI Unveils New ChatGPT That Can Reason Through Math and Science”. The New York Times. September 12, 2024閲覧。