ニューヨーク・マガジン
ニューヨーク(New York)は、アメリカ合衆国で発行されている隔週刊誌である。一般にニューヨーク・マガジン(New York Magazine)と表記される。生活、文化、政治、スタイルなどを取り扱い、特にニューヨーク市に重点を置いている。
編集長 | デイヴィッド・ハスケル |
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カテゴリ | 一般誌 |
刊行頻度 | 隔週刊 |
発行者 | Vox Media[1] |
総発行部数 | 406,237[2] |
創刊号 | 1968年4月8日 |
国 | アメリカ合衆国 |
拠点 | ニューヨーク市 |
言語 | 英語 |
ウェブサイト |
nymag |
ISSN | 0028-7369 |
1968年に、ミルトン・グレイザーとクレイ・フェルカーによって『ザ・ニューヨーカー』の対抗誌として創刊された。『ザ・ニューヨーカー』よりも精力的でカジュアルであり、ニュー・ジャーナリズムの発祥の地としての地位を確立した[3]。次第にニューヨーク以外の全米の情報も取り扱うようになり、トム・ウルフ、ジミー・ブレスリン、ノーラ・エフロン、ジョン・ハイルマン、フランク・リッチ、レベッカ・トレイスターらによるアメリカ文化に関する多くの注目すべき記事が掲載された。
21世紀に入ってからは、全米にわたる重要な政治的・文化的な記事を掲載することが多くなってきたことから、当時の『ワシントン・ポスト』のメディア評論家ハワード・カーツは、「全米で最も優れた、そして最も賞賛されているシティ・マガジンは、その都市(過密で、交通渋滞に巻き込まれる、5つの区のある都市)のことではないことが書かれていることが多い」と書いている[4]。
2004年にリニューアルして以来、この雑誌は2013年のマガジン・オブ・ザ・イヤーなど、他の雑誌よりも全米雑誌賞を多く受賞している[5]。
2009年の発行部数は408,622部で、そのうち95.8%が定期購読によるものである。同誌が開設するウェブサイト"NYmag.com"、"Vulture"、"the Cut"、"Grub Street"の訪問者は、毎月1,400万人以上である[6]。
2018年、ニューヨーク・マガジンを発行するニューヨーク・メディア社は、全てのオンラインサイトにペイウォールを導入し[7]、続いて2019年初頭にはレイオフを実施した。2019年9月24日、Vox Mediaがニューヨーク・マガジンとニューヨーク・メディア社を買収したと発表した[1]。
注目を集めた記事
編集2017年7月10日に掲載された「The Uninhabitable Earth」(住めない地球)はニューヨーク・マガジンで最も読まれた記事となった[8]。この記事は地球温暖化の最悪の影響に焦点を当てている[9]ため、メディアによる気候コミュニケーションの仕方について議論を呼んだ[10]。
気候学者は、記事が科学的証拠を誇張している[9]、論調が悲観的すぎて地球温暖化対策にとって逆効果になると批判している[11][12][13]。
参考文献
編集- ^ a b Tracy, Marc; Lee, Edmund (2019年9月24日). “Vox Media Acquires New York Magazine” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2019年9月25日閲覧。
- ^ “Consumer Magazines”. Alliance for Audited Media. April 18, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。June 1, 2016閲覧。
- ^ Wolfe, Tom. (February 14, 1972) Tom Wolfe Gives an Eyewitness Report of the Birth of 'The New Journalism' – New York Magazine. Nymag.com. Retrieved October 23, 2013.
- ^ Kurtz, Howard (December 7, 2009). “Bright lights, bigger city at New York Magazine”. The Washington Post
- ^ Haughney, Christine (May 2, 2013). “New York Receives National Magazine Awards' Top Prize”. The New York Times
- ^ Bhuiyan, Johana. (May 31, 2013) 'New York' mag hires new online deputy, as traffic grows. Capital New York. Retrieved October 23, 2013.
- ^ “New York Magazine’s Sites Are Going Behind a Paywall” (英語) November 12, 2018閲覧。
- ^ Miller, Laura (2017年7月26日). “The World Without Us”. Slate 2024年9月15日閲覧。
- ^ a b Vincent, Emmanuel (2017年7月12日). “Scientists explain what New York Magazine article on “The Uninhabitable Earth” gets wrong”. Science Feedback. Climate Feedback. 2024年9月15日閲覧。
- ^ Samenow, Jason (2017年7月12日). “New York Magazine climate doom piece is a case study in how not to communicate risk”. ワシントン・ポスト 2024年9月15日閲覧。
- ^ a b Drum, Kevin (2017年7月10日). “Our Approach to Climate Change Isn’t Working. Let’s Try Something Else.”. マザー・ジョーンズ 2024年9月15日閲覧。
- ^ Meyer, Robinson (2017年7月10日). “Are We as Doomed as That New York Magazine Article Says?”. アトランティック 2024年9月15日閲覧。
- ^ Atkin, Emily (2017年7月10日). “The Power and Peril of “Climate Disaster Porn””. ニュー・リパブリック 2024年9月15日閲覧。
- ^ Begos, Kevin (2019年2月20日). “Review: ‘The Uninhabitable Earth’ explores climate doomsday”. AP通信 2024年9月15日閲覧。