nano (テキストエディタ)
nano(ナノ)は、UNIXを中心としたシステムで使われる、cursesを使ったテキストエディタの一種である。
nano 6.0 | |
開発元 |
Previously Chris Allegretta and David Lawrence Ramsey Currently Benno Schulenberg |
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最新版 | 8.2[1] - 2024年9月5日 [±] |
リポジトリ | |
プラットフォーム | クロスプラットフォーム |
種別 | テキストエディタ |
ライセンス | GNU General Public License |
公式サイト |
nano-editor |
スクリーンエディタの一種でありながら、CUIを用いて編集を行なうことが可能である。スクリーンエディタとして有名なものは既に多数存在するが、このエディタの特色は、その操作方法がWYSIWYGに慣れたユーザにとって分かりやすいため、初心者でも比較的容易に扱うことが可能という点にある。
歴史
編集GNU nanoは、最初1999年に、TIP(TIP Isn't Pico)という名前で、Chris Allegrettaによって作られた。彼のモチベーションは、フリーではないライセンスで配布されているPicoのフリーソフトウェアの代替物を作ることであった。2000年1月10日に、ソフトの名称はnanoに変更された。これは既存のUnixユーティリティtipとのコンフリクトを避けるためである。2001年2月、nanoはGNUプロジェクトの一部となった。
GNU nanoは、Picoには欠けているいくつかの機能、シンタクスハイライティング、行番号の表示、正規表現を用いた検索や置換、ライン毎のスクロール、複数のバッファ、グループにわけた行毎のインデント、変更可能なキーバインディング[2]、編集のリドゥとアンドゥなどを補完している[3]。
2003年8月11日、Chris Allgrettaは、公式にソースコードのメンテナンスを、David Lawrence Ramseyに任せた[4]。しかし、2007年12月20日にRamseyはnanoのメンテナの立場から降りている[5]。
2016年6月、nanoプロジェクトの代表開発者と他のアクティブなメンバーは、GNUプロジェクトを離れることに合意した。これは、FSFの著作権の割り当てに関するポリシーに対する異議に基づくもので、彼らは脱中心化されたコピーライトの所持はGNU GPLの強化を邪魔することがないと考えていた[6]。このステップはDebianとArch Linuxで認められ、GNUプロジェクトはこの移動を"フォーク"と呼んでこれに抵抗した[7] 。2016年8月19日、Chris Allgrettaは、GNUによるnanoに関する特別なコピーライトに関する譲歩を受け[8]、GNUファミリーにプロジェクトを戻すことをアナウンスした。バージョン2.7.0はこの後、2016年9月にリリースされている[9]。
ライセンス
編集nanoは、GPLのもとで配布されている。
使用上の特徴
編集nanoはviと異なり、起動すれば即キーボードより文字入力が可能であり、直感的な操作が可能である。入力位置は方向キーを使って自由に指定が可能である。 ファイルの読み書きや検索のようなコマンドはコントロールキーまたはメタキーの組み合わせによって実行するが、常に画面の下部に主要なキー割り当てが表示されているため、操作方法を知らないユーザでも扱う事が出来る。それ以外のキー割り当てについては、^G(ヘルプ)を押すことで知ることができる。 最近の主要なLinuxディストリビューションやmacOSでは標準で同梱されているが、Emacsやvimといった高機能なエディタに比べて、機能面では制約がある。
nanoの元になったPicoは、1ファイルのみが編集できる単純なエディタであったが、nanoでは大きく拡張されており、バッファを切り替えて複数のファイルが編集できたり、検索に正規表現が使えたり、シンタックスハイライトに対応するなど、必ずしも単純とは言えないエディタになっている。
脚注
編集- ^ "[Info-nano [ANNOUNCE] nano-8.2 is released"]; 閲覧日: 2024年9月5日; 出版日: 2024年9月5日.
- ^ Allegretta, Chris (18 March 2008). “GNU nano 2.1.0”. Nano-devel mailing list. gnu.org. 18 March 2008閲覧。
- ^ Allegretta, Chris (23 March 2015). “GNU nano 2.4.0”. Nano-devel mailing list. gnu.org. 18 April 2015閲覧。
- ^ Allegretta, Chris (11 August 2003). “GNU nano 1.3 branch opened in CVS”. Nano-devel mailing list. gnu.org. 25 January 2007閲覧。
- ^ Ramsey, David Lawrence (20 December 2007). “Stepping down as the nano maintainer...”. Nano-devel mailing list. gnu.org. 20 December 2007閲覧。
- ^ nano news on nano-editor.org "And, with this release, we take leave of the herd... Bye! And thanks for all the grass!" (22 June 2016)
- ^ I'm on the GNU maintainers team; I want to clarify a couple things about this: First, Nano has _not_ left the GNU project on news.ycombinator.com by Mike Gerwitz (June 2016)
- ^ Chris, Allegretta (19 August 2016). “[Nano-devel nano to remain in GNU]”. lists.gnu.org. 2 September 2016閲覧。
- ^ nano news on nano-editor.org "With this release we return to GNU. For just a little while we dreamt we were tigers. But we are back in the herd, back to a healthy diet of fresh green free grass." (1 September 2016)
外部リンク
編集- nano – Text editor 公式ウェブサイト