MODEL2
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概要
編集MODEL1と同じく、セガと米国のマーティン・マリエッタが共同で開発した。リアルタイム3DCGの黎明期のハードだったため当時としては非常に高価だった。
MODEL1の後継機という位置付けではあるが、完全な新規設計によりMODEL1との構造的な共通点はない。メインCPUにインテルのi960。描画プロセッサは富士通のMB86234。MODEL1と同様、音源制御にMC68000を採用。28チャンネルのPCM音源を搭載する。
MODEL2のレンダリング機能はMODEL1にも実装されたフラットシェーディングと、限定的ではあるがテクスチャマッピング機能が追加された。1枚のテクスチャあたり使用可能な色数は1色のみで、同一テクスチャ内では、それを16階調のトーンのみで表現するという非常に限定的な仕様であったため、色の境界でポリゴンを分割しなければならなかった[1]。また、半透明なテクスチャが扱えず、メッシュによる表現で代替せざるを得なかった。しかし、ゲーム開発にあたっては、デザイナーの工夫(高精細なモデルをテクスチャに落とし込む)によってMODEL1では不可能だったリアルな質感表現を実現し、MODEL1のゲームと比べキャラクターモデルあたりのポリゴン数を減じる事も可能となった。
描画能力も約30万ポリゴン/秒と、MODEL1から見てもほぼ倍に増えた。その性能向上分は1秒あたりの描画フレーム数を増やすという方向で使われ、MODEL1より滑らかな動きのリアルタイムCGを表現することに成功した。『デイトナUSA』では、60fpsで描画しているにもかかわらず最大で40台ものストックカーがサーキット上を同時に走ることが可能となっている。
MODEL2を使用した第一弾タイトルは『デイトナUSA』。MODEL2基板を使用したゲームは次々にヒットし、セガの90年代におけるアーケード黄金時代を支えた基板といえる。
また、MODEL2は、MODEL2/2A/2B/2Cの4つのバージョンが存在するが、それぞれ互換性はない(一部のタイトルは、2A用と2B用にリリースされたが、セキュリティICに互換性が無いので、ROMキットは各バージョン専用となっている)。 初代のMODEL2のみ、MODEL1同様にサウンド機能は別基板となっており、MODEL1のサウンドボードをそのまま流用していたが、2A以降はサウンド機能が統合された。2A/2B/2Cの違いは、設計の効率化と、周辺DSPの高速化が主体である。
部品調達難に伴い、2017年3月31日を以って修理サポートが終了した[2]。
主なスペック
編集- CPU
- Intel i960(32bitRISC) @ 25MHz
- 数値演算
- DSP(32bit) @ 50MHz
- 3Dマトリックス・軸回転・浮動小数点演算機能搭載
- RAM
- 1MB + 128KB(ROM:90MB)
- VRAM
- 5,984 KB (Model 2/2A-CRX)
- 14,596 KB (Model 2B/2C-CRX)
- 3Dグラフィックエンジン
- 最大300,000ポリゴン/秒(色付きグレースケールテクスチャーマッピング可)
- パースペクティブテクスチャーマッピング・フラットシェーディング機能搭載
- 鏡面・拡散反射モード内蔵
- 発色数
- 65,536色 1,024カラーパレット(16,777,216色中)
- スクロール:32,768色(2面)
- ウインドウ:32,768色(2面)
- 共に水平方向ラインスクロール可能
- 解像度
- 496(H) x 384(V) 水平周波数24kHz
- その他
- 通信機能拡張、MIDIによるサウンド通信
開発されたゲーム
編集- 特記が無い場合、開発元と発売元はセガ。
- ◎は、専用筐体と専用デバイスがそれぞれ必要となるタイトル。
MODEL2基板
編集- デイトナUSA(1994年)◎
- バーチャコップ(1994年)◎
- デザートタンク(1994年、セガ/マーティン・マリエッタ※)◎
MODEL2A基板
編集- バーチャファイター2(1994年)
- バーチャコップ2(1995年)◎
- ファイティングバイパーズ:ロケテストver(1995年)
- セガラリーチャンピオンシップ(1995年 ・DXタイプは別途サウンドボードにて4ch出力)◎
- スカイターゲット(1995年)◎
- マンクスTT スーパーバイク(1995年)◎
- モーターレイド(1997年)◎
MODEL2B基板
編集- レールチェイス2(1994年)◎
- バーチャストライカー(1994年)
- ファイティングバイパーズ(1995年)
- インディ500(1995年)◎
- 電脳戦機バーチャロン(1995年)◎(専用デバイスを用意するだけで汎用筐体でも稼働可能)
- ガンブレードNY(1996年)◎
- ソニック・ザ・ファイターズ(1996年)
- ラストブロンクス-東京番外地-(1996年)
- スーパーGT24H(1996年、ジャレコ)◎
- ロイヤルアスコット2(メダルゲームのメインモニターに使用:50インチ3画面)◎
- ロイヤルアスコット2 スタンダード(1画面バージョン)◎
MODEL2A/B両方
編集ROMキットに互換性は無いので注意が必要。
- ダイナマイトベースボール(1996年)
- ダイナマイトベースボール'97(1997年)
- ダイナマイト刑事2(1998年)- セガがMODEL2で開発した最後のゲーム。
- デッド オア アライブ(1996年、テクモ)
- ゼロガンナー(1997年、彩京)
- パイロットキッズ(1999年、彩京)- MODEL2で発売された最後のゲーム。
MODEL2C基板
編集- セガツーリングカーチャンピオンシップ(1996年)◎
- セガ スキースーパーG(1996年)◎
- ウェーブランナー(1996年)◎
- セガ ウォータースキー(1997年)◎
- ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド(1997年)◎
- トップスケーター(1997年)◎
- オーバーレブ(1997年、ジャレコ)
- ビハインドエネミーラインズ(1998年、セガ/Real3D[3])◎