M8化学兵器検知紙
M8化学兵器検知紙(M8かがくへいきけんちし、M8 Chemical Agent Detector Paper)は化学兵器の検知器剤[1][2]。アメリカ軍においては、1963年に採用された[1]。
小冊子に束ねられた紙片であり、紙片を切り取り、試験対象の液体に接触させることにより、化学兵器の検知を行う[1]。M8は黄褐色の紙片であるが、液体に触れさせ、それに化学兵器が含まれていた場合は、紙片内の色素が反応し[2]、30秒内に化学剤の種類に合わせて変色する[3]。液体の検知に用いられるものであり、気体の検知には使用できない[4]。また、受動的な使用法として車両や機器の四隅等に付け、化学兵器攻撃の有無を検知する方法もある[5]。
アメリカ軍をはじめ、各国で採用されており[1]、M256化学兵器検知キットの標準備品でもある[6]。
検知対象及び変色内容
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ a b c d Jeffery K. Smart. “A Century of Innovation THE ARMY'S CHEMICAL AND BIOLOGICAL DEFENSE PROGRAM” (PDF). p. 42. 2019年7月21日閲覧。
- ^ a b c 瀬戸康雄「生物化学剤の現場検知法」『分析化学』第55巻第12号、日本分析化学会、2006年、891-906頁、2019年7月21日閲覧。
- ^ a b c d e 「M8検知紙、M9検知紙使用法」、鳥取県西部広域行政管理組合、2019年7月21日閲覧。
- ^ 奈女良昭, 西田まなみ, 屋敷幹雄, 木村恒二郎「救急医療現場での毒物簡易検査」『薬学雑誌』第126巻第12号、日本分析化学会、2006年、1271-1277頁、doi:10.1248/yakushi.126.1271、2019年7月21日閲覧。
- ^ Staff Sgt. Charles Walker,USAF (February 02, 2011). “Active, passive M8 use can help detect chemical agents”. USAF. 2019年7月21日閲覧。
- ^ U.S. ARMY (1988年). “RELIABILITY OF M256 CHEMICAL AGENT DETECTOR KIT”. 2019年7月21日閲覧。