M-3Hロケット(ミュー3エイチ)は、日本の東京大学宇宙航空研究所(後の文部省宇宙科学研究所、現宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、以下、東大)が日産自動車宇宙航空事業部(以下、日産)と共同で開発し、日産が製造、東大が運用した科学衛星打ち上げ用の3段式の固体燃料ロケット

M-3Hロケット
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M-3Hロケット
M-3Hロケット
機能 人工衛星打ち上げ
製造
開発国 日本の旗 日本
大きさ
全高 23.8メートル (78 ft)
直径 1.41メートル (4 ft 8 in)
質量 48,700キログラム (107,400 lb)
段数 3段
積載量
低軌道への
ペイロード
300キログラム (660 lb)
関連するロケット
シリーズ ミュー
派生型 M-3S
打ち上げ実績
状態 引退済
射場 内之浦宇宙空間観測所
総打ち上げ回数 3
成功 3
失敗 0
初打ち上げ 1977年2月19日
最終打ち上げ 1978年9月16日
特筆すべきペイロード たんせい3号

技術的特徴

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M-3Cロケットの第一段目を延長して打ち上げ能力の増大を計った。M-3Cの末尾アルファベット「C」が誘導を意味する「Control」の頭文字であるのに対し、本ロケットの末尾アルファベット「H」は高性能を意味する「High Performance」の頭文字から取られている。

M-3CとM-3Hは構成上共通点が多く、両者を併せてミューロケットの第二世代と見なされている。M-3Cはかつて打ち上げに失敗した衛星の代替機を打ち上げる必要があったことからM-3H登場後も残され、結果的に運用終了はM-3Hのほうが先だった。

仕様

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主要諸元

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括弧内は参考としてM-3Cのもの。

  • 全長:23.8 m (20.2 m)
  • 直径:1.41 m (1.41 m)
  • 重量:48.7 t (41.6 t)
  • 低軌道打ち上げ能力:300 kg (195 kg)

公称性能諸元一覧

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段数(Stage)
第1段 補助ブースタ 第2段 第3段 キックモータ
諸元 全長 23.8 m 8.9 m 3.1 m 1.4 m
代表径 1.41 m 0.31 m 1.41 m 1.14 m 0.9 m
各段点火時質量 48.7 t 11.3 t 1.4 t 0.2 t 0.4 t
固体ロケットモータ モータ名称 M-13 SB-310 M-22 M-3A KM-A KM-B
全長 15.0 m 5.17 m 4.87 m 1.53 m 0.58 m 0.86 m
ケース材料 HT-200 HT-140N HT-200 Ti-6Al・4V (β) Ti-6Al・4V (β) CFRP
推進薬 BP-30B UP-10 BP-22B BP-20B BP-27B BP-20B
モータ質量 32.3 t 0.484 t 8.69 t 1.24 t 0.057 t 0.284 t
推進薬重量 27.1 t 0.34 t 7.22 t 1.08 t 0.046 t 0.241 t
真空比推力 236秒 219秒 277秒 284秒 283秒
平均真空推力 1,117 kN 133 kN 357 kN 66.8 kN 7.0 kN 22.6 kN
有効燃焼時間 56秒 5.5秒 55秒 45秒 18秒 30秒

打ち上げ実績

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名称 打上げ日時 (JST) 成否 積荷 重量(kg) 目標軌道, 近-遠地点, 軌道傾斜角 衛星の軌道, 近-遠地点, 軌道傾斜角 備考
1号機 1977年2月19日14:15 成功 たんせい3号 (MS-T3) 129 楕円 - 近823 km, 遠4,087 km, 傾斜角67° 楕円 - 近790 km, 遠3,810 km, 傾斜角66° 試験衛星
2号機 1978年2月4日16:00 成功 きょっこう (EXOS-A) 126 楕円 - 近531 km, 遠4,037 km, 傾斜角67° 楕円 - 近630 km, 遠3,970 km, 傾斜角65° オーロラ観測衛星
3号機 1978年9月16日14:00 成功 じきけん (EXOS-B) 90 長楕円 - 近248 km, 遠31,492 km, 傾斜角31° 長楕円 - 近220 km, 遠30,100 km, 傾斜角31° 磁気圏観測衛星

M-3Cと比較して、M-3Hの軌道誤差が大きい主因は、試験的にランチャー発射角を全て71°に固定した事に起因する。

外部リンク

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