LMS 5形蒸気機関車
5形(Class 5)は、イギリスのロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道(LMS)が導入した蒸気機関車の1形式である。ブラックファイブ(Black Five)の愛称がある。ウィリアム・スタニアが設計した軸配置4-6-0(2C)の客貨両用機で、1934年からイギリス国鉄発足後の1951年までに842両が製造された[1]。
LMS 5形蒸気機関車 | |
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44949号機(1968年) | |
基本情報 | |
運用者 |
ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道 イギリス国鉄 |
設計者 | ウィリアム・スタニア |
製造所 |
LMS クルー、ダービー、ホーウィック工場 バルカン・ファウンドリー アームストロング・ホイットワース |
製造年 | 1934年 - 1951年 |
製造数 | 842両 |
運用終了 | 1968年 |
主要諸元 | |
軸配置 | 4-6-0(2C) |
軌間 | 1,435 mm |
機関車重量 | 73.2 t |
動輪径 | 1,829 mm |
シリンダ数 | 2気筒 |
シリンダ (直径×行程) | 470 mm × 711 mm |
弁装置 | ワルシャート式(一部除く) |
ボイラー圧力 | 1.55 MPa |
引張力 | 113 kN |
概要
編集ウィリアム・スタニアの設計により1934年に登場した軸配置4-6-0の客貨両用機である。車両形式の5は、LMSが定める牽引力等級が第5級(強力なほど数字が大きい)であることに由来する[2]。製造はLMSのクルー、ダービー、ホーウィックの各工場とバルカン・ファウンドリー、アームストロング・ホイットワースが担当した。
黒色に赤のラインを配した車体色で登場している。当初はスタニア設計の急行旅客用機ジュビリー級の赤色車体を指す「レッドスタニア」(Red Stanier)と対比して「ブラックスタニア」(Black Stanier)と呼ばれ[3]、後に「ブラックファイブ」の愛称が広まった。性能の良さと信頼性の高さから、イギリス国内の幅広い線区で使用された[1]。
イギリス国鉄では5MT形(Mixed Traffic、客貨両用)となり、イギリスの蒸気機関車時代最末期の1968年まで運用された。18両が保存されている[3]。
脚注
編集参考文献
編集- 高畠潔『イギリスの鉄道のはなし』成山堂書店、2004年。154 - 156頁。