Windows Kernel-Mode Driver Framework
Kernel-Mode Driver Framework (KMDF) は、Windows 2000以降[1]用のカーネルモードデバイスドライバーを作成および保守するドライバー開発者の支援をするためのツールとしてマイクロソフト社が開発したドライバーフレームワークである。これは、Windows Driver Foundationに含まれるフレームワークのひとつである。
WDMとの関係
編集一般的に、KMDFはWindows Driver Model向けに書かれたドライバーをサポートしており、WDM上で動作する。WDMはWindows 98の登場以来使用されているドライバーモデルであるが、対してKMDFはマイクロソフトがWindows 2000以降向けに提唱・使用しているドライバーフレームワークである。
一般的には、電源管理やプラグアンドプレイのような多くの機能がフレームワークによって処理されるので、KMDFドライバーは同等のWDMドライバーと比べてあまり複雑ではなく、コードも短くなる。
KMDFは、オブジェクトベースであり、WDM上に構築される。これはそのスーパーセットであるWDFのアーキテクチャ権限に従いながら、WDMへオブジェクトベースの視点を提供することを意味する。またその機能は、さまざまなタイプのオブジェクトに包含されている。KMDFの実装は以下によって構成される。
- プラグアンドプレイおよび電源管理
- I/Oキュー
- Direct memory access (DMA)
- Windows Management Instrumentation (WMI)
- Synchronization
バージョン履歴
編集- KMDFのバージョン履歴およびサポート対象となるWindowsバージョンは下記となっている[2]。
KMDFバージョン | リリース手段 | 搭載されているWindowsバージョン | 動作可能環境 |
---|---|---|---|
1.17 | Windows 10 (Version 1511) WDK | Windows 10 (Version 1511) | デスクトップ向けWindows 10、Windows 10 Mobile、Windows 10 IoT Core、Windows Server 2016 TP |
1.15 | Windows 10 WDK | Windows 10 | デスクトップ向けWindows 10、Windows 10 Mobile、Windows 10 IoT Core、Windows Server 2016 TP |
1.13 | Windows 8.1 WDK | Windows 8.1 | Windows 8.1以降 |
1.11 | Windows 8 WDK | Windows 8 | Windows Vista以降 |
1.9 | Windows 7 WDK | Windows 7 | Windows XP以降 |
1.7 | Windows Server 2008 WDK | Windows Vista SP1, Windows Server 2008 | Windows 2000以降 |
1.5 | Windows Vista WDK | Windows Vista | Windows 2000以降 |
1.1 | ダウンロードのみ | なし | Windows 2000以降 |
1.0 | ダウンロードのみ | なし | Windows XP以降 |
関連項目
編集- Windows Driver Model (WDM)
- Windows Driver Foundation (WDF)
- User-Mode Driver Framework (UMDF)
脚注
編集- ^ KMDFの最初のリリースはWindows XPおよびWindows Server 2003のみをサポートしていた。Windows 2000のサポートはKMDFバージョン1.1にて追加された。
- ^ KMDF Version History (Windows Drivers)