J.B.ウェンデルケン
ジェフリー・ベンジャミン・ウェンデルケン(Jeffrey Benjamin Wendelken、1993年3月24日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州サバンナ出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。横浜DeNAベイスターズ所属。
横浜DeNAベイスターズ #49 | |
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2023年4月9日 横浜スタジアム | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | ジョージア州サバンナ |
生年月日 | 1993年3月24日(31歳) |
身長 体重 |
6' 1" =約185.4 cm 245 lb =約111.1 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2012年 MLBドラフト13巡目(全体421位) |
初出場 |
MLB / 2016年5月8日 NPB / 2023年4月9日 |
年俸 | 1億7500万円(2024年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
国際大会 | |
代表チーム | アメリカ合衆国 |
プレミア12 | 2015年 |
この表について
|
獲得メダル | ||
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アメリカ合衆国 | ||
男子 野球 | ||
WBSCプレミア12 | ||
銀 | 2015 |
愛称は「J.B」[1]。横浜DeNAベイスターズでの登録表記はイニシャルをそのまま音写したジェイビー・ウェンデルケン[2]。
経歴
編集プロ入りとレッドソックス傘下時代
編集2012年のMLBドラフト13巡目(全体421位)でボストン・レッドソックスから指名され、プロ入り。契約後、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・レッドソックスでプロデビュー。13試合に登板して2勝0敗2セーブ、防御率1.27、28奪三振を記録した。
2013年はA級グリーンビル・ドライブでプレーした。
ホワイトソックス傘下時代
編集2013年7月30日にシカゴ・ホワイトソックスとデトロイト・タイガースを含んだ三角トレードで、フランキー・モンタスと共にホワイトソックスへ移籍した[3]。移籍後は傘下のA級カナポリス・インティミディターズとA+級ウィンストン・セイラム・ダッシュでプレーし、移籍前を含めた3球団合計で36試合に登板して2勝2敗12セーブ、防御率3.42、78奪三振を記録した。
2014年はA+級ウィンストン・セイラムでプレーし、27試合に先発登板して7勝10敗、防御率5.25、129奪三振を記録した。
2015年はAA級バーミングハム・バロンズとAAA級シャーロット・ナイツでプレーし、2球団合計で39試合に登板して6勝2敗5セーブ、防御率3.20、69奪三振を記録した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、グレンデール・デザートドッグスに所属した。さらに11月に開催された第1回WBSCプレミア12のアメリカ合衆国代表に選出された。11月20日にはルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[4]。
アスレチックス時代
編集2015年12月9日にブレット・ロウリーとのトレードで、ザック・アーウィンと共にアスレチックスへ移籍した[5]。
2016年は開幕を傘下のAAA級ナッシュビル・サウンズで迎え、5月8日にメジャー初昇格を果たした[6]。同日のボルチモア・オリオールズ戦でメジャーデビュー[7]。この年メジャーでは8試合に登板して防御率9.95、12奪三振を記録した。9月にはトミー・ジョン手術を受けている[8]。レギュラーシーズン終了後の10月6日に40人枠外となってAAA級ナッシュビルへ配属された[9]。
2017年は前述の手術の影響で全休した。
2018年は開幕をAA級ミッドランド・ロックハウンズで迎え、AAA級ナッシュビルを経て7月14日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[10]。この年は13試合に登板して防御率0.54、14奪三振を記録した。
ダイヤモンドバックス時代
編集2021年8月11日にウェイバー公示を経てアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[12]。
2022年7月5日にDFAとなった。
DeNA時代
編集2022年11月28日、横浜DeNAベイスターズと契約したことが発表された[13]。背番号は49[14]。登録名は「J.B.ウェンデルケン」であるが、イニシャル表記であるものの音写表記は「ジェイビー・ウェンデルケン」とされた[15]。
2023年は、オープン戦期間中の3月4日に急性腰痛と診断され、リハビリ組に合流[16]。復帰後はイースタン・リーグに3試合登板して無失点に抑え、4月9日に一軍に合流した[17]。リリーフ登板を重ね、5月20日の東京ヤクルトスワローズ戦で同点の7回に登板すると、その裏に味方が勝ち越し来日初勝利を飾った[18]。次第に8回のセットアッパーを任されるようになり、9月27日の読売ジャイアンツ戦ではクローザーを務めていた森原康平がコンディション不良でベンチ入りメンバーから外れていたため、1点差の9回に代わりに登板し、無失点に抑えて来日初セーブを挙げた[19]。残りの試合もクローザーを務め、最終的に61試合に登板し、2勝2敗3セーブ、防御率1.66という安定した成績を残してリリーフの柱となった[20]。11月30日には1年契約を結んだことをDeNAが発表し、チームに残留した[21]。
2024年は、開幕からセットアッパーを務め、4試合に登板し1勝と3ホールドを挙げていたが、右肘の炎症のために4月12日に出場選手登録を抹消された[22]。7月に入り二軍で実戦復帰を果たし、7月30日に一軍登録された[23][24]。10月1日に違和感を訴え、チームドクターにより右胸鎖関節の炎症と診断を受け、翌日に登録を抹消された[25]。同月12日より開幕のクライマックスシリーズまでに状態を間に合わせ[26]、13日に一軍登録された[27]。
投球スタイル
編集平均94.6mph(約152.2km/h)のフォーシームを主体としており、変化球ではカーブとチェンジアップを投げる[28]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | OAK | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 64 | 12.2 | 18 | 3 | 9 | 0 | 0 | 12 | 2 | 0 | 15 | 14 | 9.95 | 2.13 |
2018 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ---- | 62 | 16.2 | 8 | 1 | 5 | 0 | 0 | 14 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0.54 | 0.78 | |
2019 | 27 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 1 | .750 | 131 | 32.2 | 21 | 2 | 9 | 2 | 2 | 34 | 2 | 0 | 14 | 13 | 3.58 | 0.92 | |
2020 | 21 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | .500 | 106 | 25.0 | 17 | 2 | 11 | 0 | 0 | 31 | 2 | 0 | 8 | 5 | 1.80 | 1.12 | |
2021 | 26 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2 | .667 | 117 | 25.0 | 29 | 2 | 13 | 2 | 0 | 26 | 4 | 0 | 15 | 12 | 4.32 | 1.68 | |
ARI | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2 | 4 | .500 | 77 | 18.2 | 15 | 2 | 9 | 1 | 0 | 13 | 0 | 0 | 9 | 9 | 4.34 | 1.29 | |
'21計 | 46 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 3 | 2 | 6 | .571 | 194 | 43.2 | 44 | 4 | 22 | 3 | 0 | 39 | 4 | 0 | 24 | 21 | 4.33 | 1.51 | |
2022 | 29 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | .667 | 122 | 29.0 | 25 | 4 | 14 | 0 | 1 | 21 | 1 | 0 | 18 | 17 | 5.28 | 1.34 | |
2023 | DeNA | 61 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 3 | 33 | .500 | 243 | 59.2 | 40 | 1 | 22 | 4 | 3 | 53 | 3 | 0 | 12 | 11 | 1.66 | 1.04 |
2024 | 28 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 16 | .500 | 109 | 26.1 | 20 | 1 | 9 | 0 | 2 | 25 | 0 | 0 | 5 | 5 | 1.71 | 1.10 | |
MLB:6年 | 144 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 6 | 2 | 11 | .625 | 679 | 159.2 | 133 | 16 | 70 | 5 | 3 | 151 | 12 | 0 | 80 | 71 | 4.00 | 1.27 | |
NPB:2年 | 89 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 3 | 49 | .500 | 352 | 86.0 | 60 | 2 | 31 | 4 | 5 | 78 | 3 | 0 | 17 | 16 | 1.67 | 1.06 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2016 | OAK | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2018 | 13 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 27 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2020 | 21 | 0 | 1 | 2 | 1 | .333 | |
2021 | 26 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1.000 | |
ARI | 20 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
'21計 | 46 | 2 | 3 | 0 | 1 | 1.000 | |
2022 | 29 | 1 | 4 | 0 | 2 | 1.000 | |
2023 | DeNA | 61 | 6 | 12 | 1 | 1 | .947 |
2024 | 28 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
MLB | 144 | 4 | 11 | 2 | 4 | .882 | |
NPB | 89 | 8 | 12 | 1 | 1 | .952 |
- 2024年度シーズン終了時
記録
編集NPB
編集- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2023年4月9日、対中日ドラゴンズ2回戦(横浜スタジアム)、9回表に4番手で救援登板・完了、1回無失点[29]
- 初奪三振:同上、9回表に細川成也から空振り三振[29]
- 初ホールド:2023年4月14日、対阪神タイガース4回戦(横浜スタジアム)、6回表に2番手で救援登板、1回無失点
- 初勝利:2023年5月20日、対東京ヤクルトスワローズ8回戦(横浜スタジアム)、7回表に3番手で救援登板、1回無失点[30]
- 初セーブ:2023年9月26日、対読売ジャイアンツ24回戦(横浜スタジアム)、9回表に2番手で救援登板・完了、1回無失点
背番号
編集- 64(2016年)
- 57(2018年 - 2021年8月7日)
- 48(2021年8月15日 - 2022年)
- 49(2023年 - )
代表歴
編集脚注
編集- ^ @ydb_yokohama (2023年1月27日). "入団会見後の #ウェンデルケン 選手からファンの皆様に向けてメッセージです". X(旧Twitter)より2023年2月28日閲覧。
- ^ J.B.ウェンデルケン(横浜DeNAベイスターズ) NPB.jp(2024年3月19日閲覧)
- ^ Gordon Edes「Jake Peavy to Boston in 3-team deal」『ESPN』(英語)、2013年8月1日。2018年11月13日閲覧。
- ^ Rhett Bollinger「White Sox place Brennan on 40-man roster」『MLB.com』(英語)、2015年11月20日。2018年11月13日閲覧。
- ^ Scott Merkin「White Sox acquire energetic Lawrie from A's」『MLB.com』(英語)、2015年12月9日。2018年11月13日閲覧。
- ^ Jane Lee「A's option Hahn, call up Wendelken」『MLB.com』(英語)、2016年5月8日。2018年11月13日閲覧。
- ^ 「Oakland Athletics at Baltimore Orioles Box Score, May 8, 2016」『Baseball-Reference.com』(英語)。2018年11月13日閲覧。
- ^ 「Athletics' J.B. Wendelken: Tommy John surgery likely」『CBS Sports』(英語)、2016年9月21日。2018年11月13日閲覧。
- ^ MLB公式プロフィール参照。2018年11月13日閲覧。
- ^ Jane Lee「Casilla DFA'd after 15 years in Bay Area」『MLB.com』(英語)、2018年7月15日。2018年11月13日閲覧。
- ^ 「Athletics Designate J.B. Wendelken, Promote A.J. Puk」『MLB Trade Rumors』(英語)。2021年8月11日閲覧。
- ^ 「Diamondbacks Claim J.B. Wendelken」『MLB Trade Rumors』(英語)。2021年8月11日閲覧。
- ^ 「ジェフリー・ベンジャミン・ウェンデルケン選手 獲得のお知らせ」『横浜DeNAベイスターズ』。2022年11月28日閲覧。
- ^ 「J.B.ウェンデルケン選手、T.アンバギー選手 入団記者会見」『横浜DeNAベイスターズ』2023年1月27日。2023年1月28日閲覧。
- ^ J.B.ウェンデルケン NPB.jp
- ^ 「DeNA・ウェンデルケンが腰痛 7日からリハビリ組」『サンスポ』2023年3月5日。2023年4月28日閲覧。
- ^ 「【DeNA】J・B・ウェンデルケンを出場選手登録 三浦大輔監督も期待」『スポーツ報知』2023年4月9日。2023年4月28日閲覧。
- ^ 「DeNA・ウェンデルケン 森原の代役守護神で来日初S 「今後もどんな状況でも役割果たしたい」」『スポニチアネックス』2023年9月27日。2023年9月28日閲覧。
- ^ 「「ヤレバデキル!」 DeNAの中継ぎ右腕ウェンデルケンが来日初勝利 お立ち台で得意の日本語を披露」『スポニチアネックス』2023年9月27日。2023年5月20日閲覧。
- ^ 「【DeNA】ウェンデルケンが帰国「大きな手応え」来季残留濃厚、61試合登板で防御率1・66」『日刊スポーツ』2023年10月17日。2023年10月18日閲覧。
- ^ 「DeNA、バウアー&ソト自由契約 ウェンデルケンは再契約「全身全霊で頑張る」」『サンスポ』2023年11月30日。2024年7月29日閲覧。
- ^ 「【DeNA】J・B・ウェンデルケンが右肘の炎症で出場選手登録を抹消」『スポーツ報知』2024年4月12日。2024年7月29日閲覧。
- ^ 「【DeNA】ウェンデルケン30日広島戦から1軍復帰へ 三浦監督「次のカードから呼ぶ予定」」『日刊スポーツ』2024年7月28日。2024年8月1日閲覧。
- ^ 「出場選手登録および登録抹消」『NPB.jp 日本野球機構』2024年7月30日。2024年8月1日閲覧。
- ^ 「CS王手のDeNA救援陣にまたアクシデント ウェンデルケンが右胸鎖関節炎症で登録抹消」『サンスポ』2024年10月2日。2024年10月2日閲覧。
- ^ 「DeNA・ウェンデルケンが12日開幕のCSに間に合った ライブBPで好投 ブルペンに厚みの貴重な戦力」『サンスポ』2024年10月11日。2024年10月13日閲覧。
- ^ 「【DeNA】ウェンデルケンを登録 松尾汐恩がCS初のベンチ入り 浜口、知野、中川颯らベンチ外」『日刊スポーツ』2024年10月13日。2024年10月13日閲覧。
- ^ 「J. B. Wendelken Pitching Stat Details」『Baseball Cube』。2018年11月13日閲覧。
- ^ a b 「新外国人ウェンデルケン来日初登板 150キロ直球を軸に中日打線を三者凡退【DeNA】」『中日スポーツ』2023年4月9日。2023年5月20日閲覧。
- ^ 「「ヤレバデキル!」 DeNAの中継ぎ右腕ウェンデルケンが来日初勝利 お立ち台で得意の日本語を披露」『Sponichi Annex』2023年5月20日。2023年5月20日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、B.-Wendelken The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- 個人年度別成績 J.B.ウェンデルケン - NPB.jp 日本野球機構
- J. B. Wendelken stats MiLB.com
- 選手名鑑 - 横浜DeNAベイスターズ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- J.B. Wendelken (@jb_wendelken) - Instagram
- The Wendelken’s ウェンデルケン