HIGH RAIL 1375
HIGH RAIL 1375(ハイレール イチサンナナゴ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有する観光列車用の鉄道車両の愛称。
HIGH RAIL HIGH RAIL 星空 | |
---|---|
小海線で運用されるHIGH RAIL 1375 | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
運行開始 | 2017年7月1日 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 小諸駅 |
終点 | 小淵沢駅 |
営業距離 | 78.9 km |
平均所要時間 | 2時間41分 |
列車番号 |
8221D(1号) 8222D(2号) 8223D(星空・小淵沢 - 野辺山間) 8225D(星空・野辺山 - 小諸間) |
使用路線 | 小海線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 全車指定席 |
娯楽 | 2号車にギャラリーHIGH RAIL(図書室・プラネタリウム)を設置 |
技術 | |
車両 |
キハ100系気動車 キハ110系気動車 (小海線統括センター) |
軌間 | 1067 mm |
電化 | 非電化 |
最高速度 | 85.0 km/h |
概要
編集東日本旅客鉄道長野支社が2017年7月1日から始まった信州デスティネーションキャンペーンに合わせて小海線で運行を開始した観光列車[1][2]。愛称の「HIGH」は標高の高い駅を有する小海線、「RAIL」は線路、「1375」は小海線清里駅 - 野辺山駅間に存在する日本における普通鉄道最高地点の標高1375 mに由来する[1][3][4]。
2016年11月4日に導入を発表し[5]、2017年2月20日に愛称が「HIGH RAIL 1375」(ハイレール イチサンナナゴ)に決まったことを発表[1]。2017年5月19日に運行概要等を発表し、7月1日から運行を開始した[3][6]。
登場当初の指定席券は他の「のってたのしい列車」よりも高額で、「海里」や「B.B.BASE」と同じ大人840円・小人420円(2023年現在)となっている(2023年現在は他の「のってたのしい列車」も同じ指定席料金に価格変更がなされている)。
中込駅と野辺山駅では受験生の合格を祈願し、本車両の名称(ハイレール)と「志望校に入れる」の語呂合わせによる「ハイレール神社」が毎年の受験シーズンに限り設置されている[7]。
運行概況
編集通常の時期は、おもに金・土・日祝、夏休み期間中は火曜日を除き毎日運行される。小海線の小淵沢駅 - 小諸駅間を1.5往復運転される。列車名は日中に運行される1往復は上りが「HIGH RAIL 2号」、下りが「HIGH RAIL 1号」、夜間に運転される下りは「HIGH RAIL 星空」となり、愛称の「1375」は省略される[3]。
冬期は、土・日祝中心に小淵沢駅 - 小諸駅間の1往復となり、「HIGH RAIL 2号」「HIGH RAIL 星空」が運転される(時刻も冬期ダイヤに変更)。
なお、車内では「HIGH RAIL 1375」オリジナルコンテンツが専用Wi-Fiネットワーク(公衆無線LANの機能は備えていない)で提供されるとともに、「HIGH RAIL 星空」野辺山駅の滞在時間中(同駅には約1時間停車する[4])には、小海線沿線の星空案内人により、野辺山駅近くの銀河公園にて[2]星空観察会が行われる(悪天候の場合は車内での解説となる場合がある)。
ワンマン運転で車掌は乗務しないが、JR東日本サービスクリエーション(2019年7月1日に日本レストランエンタプライズより移管)のアテンダントが乗車し、乗車時の指定席券確認や車内カウンターでの販売などを行っている。
停車駅
編集小淵沢駅 - 清里駅 - 野辺山駅 -(信濃川上駅)- 小海駅 -(八千穂駅)-(臼田駅)- 中込駅 -(岩村田駅)- 佐久平駅 - 小諸駅
- 括弧内の駅は「星空」は通過する。
使用車両
編集東北地方で走っていたキハ100系・キハ110系気動車を1両ずつ改造した2両編成である[8]。定員は50人[4]。外観ならびに車両のロゴデザインはジェイアール東日本企画が担当している[3]。
-
キハ100・110形
-
運転台(1号車)
-
1号車車内
-
2号車車内
-
2号車のトイレ内部
-
2号車の星空ギャラリー
-
車内での専用Wi-Fiによるコンテンツ
-
HIGH RAIL 星空 特製弁当(2017年12月)
← 小淵沢 小諸 →
| ||
号車 | 1 | 2 |
---|---|---|
車番 | キハ112-711 | キハ103-711 |
種車 | キハ110-108 (元小牛田運輸区所属) |
キハ100-29 (元盛岡車両センター所属) |
車内設備 | 窓側を向いたシングルシート・ペアシートを中心に、4人掛けボックスシートを2組配置。 小淵沢方のデッキ部にオリジナルグッズなどを販売する物販カウンターを設置[3]。 |
座席はリクライニングシート。 運転席側に天文に関する書籍を置いた書棚「ギャラリーHIGH RAIL」と天井に星空の映像を投影する半球形ドームを備えた「ギャラリー HIGH RAIL」を設置[4]。 当初、屋根をガラス張りにするアイデアもあったが法令に抵触するため断念[9]。 |
座席定員 | 29人 | 21人 |
脚注
編集- ^ a b c 『小海線「のってたのしい列車」の車両愛称が決まりました!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道長野支社、2017年2月21日 。2017年2月21日閲覧。
- ^ a b “星空に一番近い小海線「出発」 信州DC”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(信濃毎日新聞). (2017年7月2日) 2019年11月3日閲覧。
- ^ a b c d “星空「満天」小海線の旅 「HIGH RAIL 1375」公開”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(信濃毎日新聞). (2017年6月22日) 2019年11月3日閲覧。
- ^ “小海線に「のってたのしい列車」を導入します” (PDF). 東日本旅客鉄道長野支社 (2016年11月4日). 2017年2月21日閲覧。
- ^ “「HIGH RAIL 1375」が営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース (交友社). (2017年7月2日) 2017年7月3日閲覧。
- ^ 滝沢隆史 (2023年1月13日). “志望校に入れ~る 鉄道最高地点があるJR小海線、受験生の応援企画”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) 2023年12月14日閲覧。
- ^ “JR東日本、小海線「HIGH RAIL 1375」7月運行へ - キハ110系・キハ100系改造”. マイナビニュース. (2017年2月21日) 2019年11月3日閲覧。
- ^ 「老朽通勤車両 観光用に/JR東がリノベーション」『日経産業新聞』2018年1月29日(13面)