HD 1461は、くじら座の方角に地球から約76光年の位置にある、太陽より若干大きいG型主系列星である。

HD 1461
MKスペクトル分類による各スペクトル型の主系列星の大きさ比較。HD 1461は太陽 (G2V) よりも若干大きいG型主系列星である。
MKスペクトル分類による各スペクトル型の主系列星の大きさ比較。HD 1461は太陽 (G2V) よりも若干大きいG型主系列星である。
星座 くじら座
見かけの等級 (mv) 6.46[1]
変光星型 なし
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  00h 18m 41.87s[2]
赤緯 (Dec, δ) −08° 03′ 10.8″[2]
視線速度 (Rv) -10.086 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 416.87 ± 0.63 ミリ秒/[2]
赤緯: -143.83 ± 0.26 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 43.02 ± 0.51 ミリ秒[2]
距離 75.8 光年
(23.2 パーセク
絶対等級 (MV) 4.63 ± 0.03[3]
物理的性質
半径 1.11 ± 0.04 R[4]
質量 1.018 ± 0.1 M[4]
表面重力 24.5 G[5]
自転速度 1.6 km/s[4]
スペクトル分類 G0 V[4]
光度 1.188 ± 0.017 L[4]
表面温度 5,765 ± 18 K[4]
色指数 (B-V) 0.68
色指数 (U-B) 0.29
色指数 (V-R) 0.35
色指数 (R-I) 0.32
金属量[Fe/H] 0.19 ± 0.01[4]
年齢 6.3 ×109[4]
他のカタログでの名称
BD-08°38, GC 378, GCRV 50265, Gliese 16.1, HIP 1499, HR 72, LTT 149, NLTT 950, PPM 182101, SAO 128690, Wo 9009
Template (ノート 解説) ■Project

特徴

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大きさの比較
太陽 HD 1461
   


質量半径が太陽よりわずかに大きいが、基本的には太陽に非常によく似た特徴を持つ。但し、金属量だけは別で、太陽に比べて多い。当初は、金属量の目安となる水素の存在比[Fe/H]が、+0.4(太陽の約2.5倍)とされ、しかも全ての種類の金属が同じように存在比が高く、「金属過剰星(Super metal-rich star)」の典型とされた[6]。その後の観測では金属量は[Fe/H]=+0.19と見積もられ、金属量が多いものの、金属過剰星の基準には達していないとされる。

惑星系

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2009年12月14日、HD 1461の周囲を少なくとも1つの太陽系外惑星が、約5.8日周期で公転していると公表された[4][7]。この惑星HD 1461 bは、ケック望遠鏡によって視線速度を詳細に観測することで発見され、推定質量からスーパー・アースと考えられる[4]。観測データは更に、公転周期がおよそ450日と5,000日の2つの惑星が、HD 1461の周囲に存在する可能性を示唆したが、誤差との切り分けが難しい微弱な信号で、本当に惑星の存在によるものか疑問が持たれた。

2016年1月ラ・シヤ天文台の3.6m望遠鏡による系外惑星観測プロジェクトがHD 1461を詳細に観測し、公転周期が約13.5日の、惑星bとは別のスーパー・アースとみられる惑星を発見したと報告された[5]。惑星bの発見時に指摘されていた、より大きい惑星の存在については確認できていない。

HD 1461の惑星[5][8][9]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b ≥ 6.44 ± 0.61 M 0.0634 ± 0.0022 5.77152 ± 0.00045 < 0.172 3.0579 R
c ≥ 5.59 ± 0.73 M 0.1117 ± 0.0039 13.5052 ± 0.0029 < 0.305 2.9158 R

出典

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  1. ^ a b HD 1461”. SIMBAD Astronomical Database. 2009年12月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e van Leeuwen, F. (2007年). “HIP 1499”. Hipparcos, the New Reduction. 2010年1月5日閲覧。
  3. ^ Holmberg ; et al. (2009年). “HD 1461”. Geneva-Copenhagen Survey of Solar neighbourhood III. 2010年12月4日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j Rivera, Eugenio J.; et al. (2010-01), “A Super-Earth Orbiting the Nearby Sun-like Star HD 1461”, Astrophysical Journal 708: 1492-1499, Bibcode2010ApJ...708.1492R, doi:10.1088/0004-637X/708/2/1492 
  5. ^ a b c Diaz, R. F.; et al. (2016-01), “The HARPS search for southern extra-solar planets XXXVIII. Bayesian re-analysis of three systems. New super-Earths, unconfirmed signals, and magnetic cycles”, Astronomy and Astrophysics 585: A134, Bibcode2016A&A...585A.134D, doi:10.1051/0004-6361/201526729 
  6. ^ Spinrad, Hyron; Luebcke, William R.; Jr., “A Curve-Of Analysis of the Super-Metal G Dwarf HR 72”, Astrophysical Journal 160: 1141-1148, Bibcode1970ApJ...160.1141S, doi:10.1086/150501 
  7. ^ Tim Stephens (2009年12月14日). “New planet discoveries suggest low-mass planets are common around nearby stars”. UCSC News. UC Santa Cruz. 2009年12月14日閲覧。
  8. ^ HD 1461 b”. Extrasolar Planet's Catalogue. 京都大学. 2017年3月17日閲覧。
  9. ^ HD 1461 c”. Extrasolar Planet's Catalogue. 京都大学. 2017年3月17日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標:   00h 18m 41.87s, −08° 03′ 10.8″