HD 1は、太陽系から見てケフェウス座の方向約1,220光年の距離にある恒星。225,300個の恒星のスペクトル分類を記載した星表ヘンリー・ドレイパーカタログ」で、その先頭に掲げられた恒星である。見かけの等級は7.42と暗いため肉眼で見ることはできない。

HD 1[1]
HD 1
星座 ケフェウス座
見かけの等級 (mv) 7.42[1]
分類 分光連星赤色巨星分枝[2]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  00h 05m 08.8405444488s[3]
赤緯 (Dec, δ) +67° 50′ 23.980501464″[3]
赤方偏移 -0.000091[3]
視線速度 (Rv) −27.77±0.35 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: 7.480±0.053 ミリ秒/年[3]
赤緯: −5.045±0.050 ミリ秒/年[3]
年周視差 (π) 2.6680 ± 0.0485ミリ秒[3]
(誤差1.8%)
距離 1220 ± 20 光年[注 1]
(375 ± 7 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.4[注 2]
HD 1の位置
軌道要素と性質
元期:JD 245,4518.7±1.8[2]
離心率 (e) 0.50±0.01[2]
公転周期 (P) 2279±69 d[2]
近点引数 (ω) 221.0°±0.6°[2]
物理的性質
半径 17.7+3.7
−2.7
 R
[2]
質量 3.0±0.3 M[2]
スペクトル分類 G9-K0IIIa[2]
光度 155+59
−38
 L
[2]
有効温度 (Teff) 4850±100 K[2]
金属量[Fe/H] −0.12±0.09[2]
年齢 約350×106[2]
他のカタログでの名称
BD+67 1599[1], HIP 422[1], SAO 75788[1], GaiaDR3 528971921686610304[1]
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特徴

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スペクトル分類の「G9-K0IIIa」は、G9型より低温でK0型より高温のスペクトルを持ち、典型的な巨星よりもやや明るい巨星であることを示している[2]。誕生から約3億5000万年が経過しており、既に中心核での水素核融合を終え、主系列を外れて赤色巨星分枝のフェーズまで進化している[2]。分光観測の結果から、公転周期約6.2年、軌道離心率0.50±0.01の軌道を持つ連星系であると考えられている[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g "HD 1". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年9月9日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Strassmeier, K.G.; Weber, M.; Granzer, T.; Dall, T.H. (2010-04-20). “HD 1: The number-one star in the sky”. Astronomische Nachrichten (Wiley) 331 (4): 368-377. Bibcode2010AN....331..368S. doi:10.1002/asna.201011356. ISSN 0004-6337. 
  3. ^ a b c d e f g Gaia Collaboration. “Gaia DR3 Part 1. Main source”. VizieR On-line Data Catalog: I/355/gaiadr3. Bibcode2022yCat.1355....0G. http://vizier.idia.ac.za/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ631af4fe4c2d5&-out.add=.&-source=I/355/gaiadr3&-c=001.28692374152%20%2b67.83997215936,eq=ICRS,rs=2&-out.orig=o.