CREDO

暗黒物質探索プロジェクト

CREDO(非常に分散した宇宙線観測所)とは、世界中のスマートフォンを使って地球に降り注ぐ宇宙線を検出し、暗黒物質を探索するという科学プロジェクト。2016年8月にクラクフ市の原子核物理学研究所から始まった。

概要

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CREDOは、"Cosmic-Ray Extremely Distributed Observatory"の略語で、直訳するなら「宇宙線 超分散 天文台」。この観測プロジェクトは、宇宙空間の約95%を占めるとされる暗黒物質(ダークマター)およびダークエネルギーの探索を目的としている[1]

一方で、目的の暗黒物質は光学的に直接観測できないと言われており、その正体もほとんど掴めていない。そこで、宇宙線ガンマ線)が地球に落ちる際に降り注ぐような形となって起こる電磁カスケードの一種「スーパー・プレシャワー(SPS)」を、大勢の人が持っているスマートフォンを活用し、世界中の様々な場所で分散観測しようという新しい試みである[2]クラクフ市の原子核物理学研究所がCREDOの運用本部にあたり、ポーランドをはじめチェコ共和国スロバキアハンガリーなど9か国50名の科学者で発足した。

誰でも専用アプリインストールすることで、自分のスマートフォンが宇宙線の検出器となり(搭載カメラの光学センサーやGPS機能が活用されている)、上空の粒子観測をしてくれる[3]。研究者に限らず、世界中あらゆる地域・年齢のいわば専門家じゃない人でも、「市民の科学者」として参加できることが特徴の一つとなっている[4]。実際にスマートフォンによって検出登録された粒子のすべての痕跡は、CREDOの専用ウェブサイトで見ることができる。

脚注

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外部リンク

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