BSスペシャル
『BSスペシャル』(ビーエススペシャル)は、2012年4月[1]からNHK BSで放送されている単発特別番組放送枠である[2]。2023年11月までは番組名を『BS1スペシャル』(ビーエスワンスペシャル)としていた。
番組概要
編集ニュース・スポーツ専門チャンネルを標榜するBS1の特性を生かし、テレビが伝えた史実や、日本と世界の今の現実、スポーツ選手やイベントなどに密着したものなど、ドキュメンタリーや教養性の強い作品をラインナップした長時間のスペシャル番組を放送しており、総合テレビ『NHKスペシャル』の長尺版が放送される事も少なくない。放送尺は多くの場合、10分間の『BSニュース』(新聞ラテ欄など番組表には載らない)を挿んだ50分ずつの前後編。内容によっては、NHK東日本大震災プロジェクト・未来へ 17アクション・#あちこちのすずさんプロジェクトとの連動している。
制作クレジットについては、民放キー局の子会社が制作に参加する場合でも、親会社の名称を省いたブランド名に置き換えず、活字表記ながら「テレビ朝日映像」「TBSスパークル」など正式名で表示している。
2023年11月までは番組名を『BS1スペシャル』としていたが、同年12月に行われたBS放送波再編に伴い、チャンネル名称が「NHK BS」に改称したことを受けて、番組名称を同月から『BSスペシャル』に改題した[2][3]。
放送時間
編集特定の放送時間は設定されていない。主に、土曜日・日曜日の週末、祝日のプライムタイムに新作が放送される。再放送を含む放送時間などの詳細は、公式サイトを参照。
受賞歴
編集ここでは、2015年以降にテレビ関連の顕彰を受賞した主な作品について記載する。
- カノン〜家族のしらべ〜(第45回テレビドキュメンタリー番組奨励賞、2019年)[4] - NHK水戸放送局が受賞[5]。
- レバノンからのSOS〜コロナ禍 追いつめられるシリア難民〜(第47回テレビドキュメンタリー番組優秀賞、2021年)[6] - NHKエデュケーショナル・椿プロが受賞。
- バレエの王子になる!"世界最高峰"ロシア・バレエ学校の青春(第57回テレビ部門選奨、2020年)[7]
- レバノンからのSOS〜コロナ禍 追いつめられるシリア難民〜(第58回テレビ部門選奨、2021年)[8] - 2020年7月の月間賞を受賞している[9]。
- デジタルハンター〜謎のネット調査集団を追う〜[10](同上)[8][11]
不祥事
編集東京五輪ドキュメンタリーで不適切な字幕表示
編集- 2021年12月26日に放送(同月30日に再放送)した「河瀬直美が見つめた東京五輪」(大阪放送局制作)の中で「五輪反対デモに参加している」という男性にインタビューした際に「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」というテロップを表示した。放送後に視聴者から複数の問い合わせがあったことを受けて、NHKが2022年1月に男性に対して、再度取材を行ったが、五輪反対デモに参加した記憶が曖昧であり、事実関係がはっきりしないことが判明した。これらを受けて、NHKは同月9日夜に2分間の訂正放送を行い、謝罪した[16][17][18]。
- その後、東京側専務理事の松坂千尋を責任者とする調査チームを2022年1月24日に立ち上げ、関係者に対してヒアリングを実施した結果、「男性が五輪反対デモに参加したという確証は得られなかった」として、字幕は誤りだったと判断[19][20]。同番組の制作を担当したディレクターやチーフ・プロデューサーなど6人を懲戒処分にしたほか、NHK専務理事で大阪放送局長の角英夫もNHK会長の前田晃伸から厳重注意を受けたことを同年2月10日に発表した[21]。
- 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は2022年2月10日に「放送倫理違反の疑いがあり、放送に至った経緯などについて詳しく検証する必要がある」として審議入りすることを決定[22]。同年9月9日、BPOは「重大な放送倫理違反があった」と認定する意見書を公表した[23]。
- 総務省は「視聴者の信頼を著しく損なうもので、誠に遺憾」として、NHKに対し、注意の行政指導を2022年9月16日に行った[24]。
脚注
編集- ^ “BS1スペシャル「ハーバード 若き知性が見た被災地」”. NHK番組表ヒストリー (2012年4月7日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “2023年度後半期 放送番組時刻表(種別入り)”. 日本放送協会. p. 6 (2023年7月26日). 2023年12月5日閲覧。
- ^ “NHK新BS、きょう開始 2波統合、プレミアム終了”. 共同通信 (2023年11月30日). 2023年12月5日閲覧。
- ^ 第45回放送文化基金賞 受賞一覧・記者発表(受賞のことば) - 放送文化基金
- ^ “広末涼子、声の演技で放送文化基金賞 “ストリッパー役”高評価の裏に桃井かおりの金言”. ORICON NEWS (2019年7月2日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ 第47回放送文化基金賞 受賞一覧・記者発表(受賞のことば) - 放送文化基金
- ^ 第57回(2019年度)ギャラクシー賞 - 放送批評懇談会
- ^ a b 第58回(2020年度)ギャラクシー賞 - 放送批評懇談会
- ^ “フワちゃん、ギャラクシー賞月間賞で異例の個人受賞「特筆すべき才能」”. マイナビニュース (2020年8月20日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ “「世界一面白いゲームだ」ネット情報から事件の真相に迫る“デジタルハンター”の素顔とは”. 文春オンライン (2021年6月5日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ “綾野剛&星野源主演『MIU404』、ギャラクシー賞上期に入選”. ORICON NEWS (2020年11月17日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b 文化庁芸術祭賞受賞一覧 平成28年度(第71回)~令和2年度(第75回) (PDF) - 文化庁
- ^ “Nスぺも話題に!北九州の高校生が小3から続ける「自学ノート」の中身”. FRaU (2020年7月29日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ NHKスペシャル ボクの自学ノート〜7年間の小さな大冒険〜
- ^ 『2020年第20回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」発表』(プレスリリース)早稲田大学、2021年2月16日 。2021年8月11日閲覧。
- ^ “NHKが五輪関連番組で不適切字幕、謝罪”. 産経新聞 (2022年1月9日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “「五輪反対デモ参加し現金」確認せず番組で紹介、NHKがおわび放送…「河瀬さんらに責任ない」”. 読売新聞 (2022年1月9日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “NHK、事実確認せず不適切字幕「金もらって」「五輪反対デモ参加」”. 朝日新聞 (2022年1月9日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “NHK大阪放送局長が改めて謝罪 「河瀬直美が見つめた東京五輪」後編の字幕一部に不確かな内容”. 日刊スポーツ (2022年2月3日). 2022年2月11日閲覧。
- ^ “NHK、「字幕は誤り」と報告公表 ディレクターら6人を懲戒―五輪ドキュメンタリー番組で”. 時事通信 (2022年2月10日). 2022年2月11日閲覧。
- ^ “「字幕は誤り」五輪関連番組でNHKが陳謝”. 産経新聞 (2022年2月10日). 2022年2月11日閲覧。
- ^ “NHK字幕問題、BPOが審議入り 「放送倫理違反の疑い」”. 毎日新聞 (2022年2月10日). 2022年2月11日閲覧。
- ^ 中沢絢乃 (2022年9月9日). “「重大な放送倫理違反」BPO認定 NHK「五輪反対デモ参加」字幕”. 朝日新聞. 2022年9月9日閲覧。
- ^ “総務省、NHKの字幕問題で行政指導”. 共同通信 (2022年9月16日). 2022年9月16日閲覧。
関連項目
編集- BS世界のドキュメンタリー
- ザ・プレミアム - NHK BSプレミアムで土曜日に放送されていた単発特番。