BMW・3シリーズ > BMW・E36

BMW・E36は、ドイツの自動車メーカーであるBMWが開発した中型乗用車3シリーズ」のうち、1990年から2000年にかけて製造・販売されていた3代目モデルを指すコードネームである。

BMW・3シリーズ(3代目)
E36
セダン 後期型(1996年 - 1998年)
クーペ 後期型(1996年-1998年)
概要
製造国 ドイツ
販売期間 1990年 - 2000年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
2ドアクーペ / カブリオレ
3ドアハッチバック
ステーションワゴン
スポーツセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 1.6L - 1.9L 直列4気筒
2.0L - 3.2L 直列6気筒
1.7L 直列4気筒ターボディーゼル
2.5L 直列6気筒ターボディーゼル
変速機 4速/5速AT
5速/6速MT
前:マクファーソン・ストラット
後:マルチリンク
前:マクファーソン・ストラット
後:マルチリンク
車両寸法
ホイールベース 2,700mm
全長 4,210mm - 4,433mm
全幅 1,698mm - 1,710mm
全高 1,335mm - 1,393mm
車両重量 1,140kg - 1,600kg
系譜
先代 BMW・E30
後継 BMW・E46
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概要

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居住性と対衝突安全性改善のため、ボディサイズが拡大した。伝統的な丸型4灯ヘッドライトは異形4灯となり、4ドアモデルでのプレスドア採用等、空力特性が改善した。エンジンは6気筒系の全モデルでDOHC化が行われた。サスペンションは、フロントは伝統の ストラット式サスペンションでリアは従来の後輪用セミトレーリングアーム式から変更され、Z1から受け継いだセントラルアーム(=マルチリンク式サスペンション)式サスペンションとなった。8年に渡って生産され、途中エンジンの世代交代などさまざまなモデルチェンジが行われたため、バリエーションの多いモデルである。第3世代3シリーズ(E36)は第2世代3シリーズ(E30)に引き続き世界的なベストセラーモデルとなった。日本でも消費税導入に伴う物品税の廃止(物品税18.5%→消費税3%)、1990年代に入ってからもしばらく続いたバブル景気の余波、史上空前の円高を背景に販売台数を伸ばした。

1990年9月

まず316i、318i、320i、325iの4ドアセダンが登場。

1992年3月

従来の2ドアセダンの後継2ドアクーペを追加。この2ドアクーペは、一見セダンとそっくりの外観だが、実はほとんどの外装部品が専用設計となっていた。

1993年4月

2ドアカブリオレを追加。

1994年3月

ボディの大型化と車両価格上昇により、廉価モデルの必要性が高まり、3ドアハッチバックの小型モデル、3シリーズ・コンパクトが生まれた。 E36/5はコンパクトのモデルコードである。その他同年には325iのエンジンがM50B25からM52B28へと変更されモデル名も328iとなる。この328iにはオートエアコンやヒーテッドドアミラーが標準装備された。

1995年1月

ツーリングモデル(ステーションワゴン)を追加。同年11月にバンパーグリルのデザイン変更

1996年11月

マイナーチェンジ。97年モデルより車体カラーに合わせたカラードバンパーを採用、サイドステップ、リアスカートのカラーも変更。バンパーグリル、キドニーグリルのデザインを小変更。ハイマウントブレーキランプとASC+Tを全車標準装備。

なお、このE36型(セダンのみ)までが日本での「5ナンバー」サイズに適合するボディサイズであった。(エンジンが2,000ccを超えるモデルや専用ボディを持つクーペとカブリオレは3ナンバー登録)。アルピナの手が入っていないツーリングとディーゼルエンジン搭載モデルは一切正規輸入がなかった。また日本に正規輸入されたマニュアルトランスミッション搭載モデルは、318is Coupe(左ハンドル)と自動車教習所向けの318i(右ハンドル)のみ。

   
クーペ323iMスポーツ
4気筒系
グレード 製造年 エンジン 排気量 最高出力 備考
316i
316i クーペ
1990年 - 1998年
1992年 - 1999年
直列4気筒SOHC 1,596cc 102馬力DIN
318i
318i ツーリング
1990年 - 1998年
1995年 - 1999年
1,796cc 113馬力(DIN)
318is クーペ
318i カブリオレ
1992年 - 1995年
1993年 - 1995年
直列4気筒DOHC 1,796cc 140馬力(DIN)
318is クーペ
318i カブリオレ
1996年 - 1999年
1996年 - 1999年
1,895cc 140馬力(DIN) 排気量アップによりトルクが向上
6気筒系
320i
320i クーペ
320i ツーリング
320i カブリオレ
1990年 - 1998年
1992年 - 1999年
1995年 - 1999年
1993年 - 1999年
直列6気筒DOHC 1,991cc 150馬力(DIN)
325i
325i クーペ
325i ツーリング
325i カブリオレ
1990年 - 1994年
1992年 - 1995年
1995年 - 1995年
1993年 - 1995年
2,493cc 192馬力(DIN)
323i
323i クーペ
323i ツーリング
1994年 - 1998年
1996年 - 1999年
1996年 - 1999年
2,494cc 170馬力(DIN)
328i
328i クーペ
328i ツーリング
328i カブリオレ
1994年 - 1998年
1996年 - 1999年
1996年 - 1999年
1996年 - 1999年
2,793cc 193馬力(DIN)
ディーゼル搭載車
318tds
318tds ツーリング
1994年 - 1998年
1995年 - 1999年
直列4気筒SOHC 1,665cc 90馬力(DIN) ターボディーゼルエンジンモデル
325td 1991年 - 1998年 直列6気筒SOHC 2,498cc 115馬力(DIN)
325tds
325tds ツーリング
1993年 - 1998年
1995年 - 1999年
143馬力(DIN)

E36コンパクト

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コンパクト 後期型(1996年 - 2000年)
 
コンパクト 後期型(1996年 - 2000年)

3シリーズのボディ大型化と車両価格上昇に伴って、よりコンパクトでリーズナブルな価格の車種が必要となり生まれたモデル。VWゴルフと同じクラスとなるCセグメントを意識した3ドアハッチバック。モデルコードはE36/5。搭載エンジンは4種。日本市場では装備を追加した“プラス”モデルが存在する。

ボディデザインはE36型のリア部分をカットした意匠が施されており、外観に関して(リアのトランク部分はカットされているのでCピラーまで)E36型そっくりであるが、実際にはコストの関係で先代E30型のシャシーE36型と同じデザインの外装をかぶせた車両であり、リアサスペンションもE30型に用いられたセミトレーリングアーム式を流用している。

3シリーズ・コンパクトの分類はCセグメントに位置する(3シリーズ・セダンは1ランク上のDセグメントに位置する)。このクラスで後輪駆動(FR)車は数少ない。車型は3ドアハッチバックのみ。完全な2ボックス型ではなく、小さなトランクリッドのあるセミノッチバック(ノッチドハッチバック)である。

1994年3月

316ti、318ti、318tdsが登場。 なお、"ti"と称されるのは日産・スカイラインの一部モデルに存在した、"Tiシリーズ"と同じく「Touring international」の略であるとされる。

1995年11月

96年モデルよりバンパーグリルのデザイン変更。

1996年11月

マイナーチェンジ。1997年モデルより車体カラーに合わせたカラードバンパーを採用、サイドステップ、リアスカートのカラーも変更。バンパーグリルのデザイン、キドニーグリルのデザインを小変更。323tiを追加。

グレード 製造年 エンジン 排気量 最高出力 備考
316ti コンパクト 1994年 - 1999年 直列4気筒SOHC 1,596cc 102馬力DIN 316i(E36)に搭載されたM43B16搭載
1999年 - 2000年 1,895cc 105馬力(DIN) 316i(E46)に搭載されたM43B19搭載
318ti コンパクト 1994年 - 1996年 直列4気筒DOHC 1,796cc 140馬力(DIN) 318is(E36)に搭載されたM42B18搭載
1996年 - 2000年 1,895cc 318is(E36)に搭載されたM44B19搭載
323ti コンパクト 1996年 - 2000年 直列6気筒DOHC 2,494cc 170馬力(DIN) 323i(E36)に搭載されたM52B25搭載
318tds コンパクト 1994年 - 2000年 直列4気筒SOHC 1,665cc 90馬力(DIN) ターボディーゼルM41D17搭載

脚注

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関連項目

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外部リンク

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