BMA法
BMA法(BMAほう)またはデグサ法(Degussa process)は、シアン化水素の工業的製法の1つである。アンドルソフ法とは、酸素を用いずに多くの水素を回収できる点、大量の熱を必要とする点が異なる。
BMAはドイツ語のBlausäure(シアン化水素)、Methan(メタン)、Ammoniak(アンモニア)の頭文字である。
ドイツのデグサ社(現エボニック社、ツィクロンBの製造販売に関わった[1])によって発明された[2]。
アンドロソフ法と異なり非常に大きな吸熱反応である。
白金を触媒とし、白金で覆われたパイプ内で約1400 ℃の温度で進行する。反応生成物は、約23体積%のHCNおよび72体積%のH2、ならびに少量の窒素、および少量の未反応のメタン、アンモニアを含む。これら混合ガスをスクラバーに導入し、アンモニア溶液で処理して(シアン化アンモニウムを生成)、他の気体成分を分離する[3]。
シアン化アンモニウム溶液を酸性化することによりシアン化水素を放出させ、続いてシアン化水素を最終的に蒸留する。
非常に大きな熱エネルギーを用いるので、アンドルソフ法ほど使われていない。アンドルソフ法と異なり副反応が少なく収率が良いという長所がある[4]。アンドルソフ法でも発熱の一部がBMA法同様の吸熱反応に使われる[5]。
出典
編集- ^ Wiesen, S. Jonathan (16 November 2005). “From Cooperation to Complicity: Degussa in the Third Reich”. Holocaust and Genocide Studies 19 (3): 528-531. doi:10.1093/hgs/dci047 .
- ^ patent literature Archived 2012-09-06 at Archive.is
- ^ F. Endter (1958). “Die technische Synthese von Cyanwasserstoff aus Methan und Ammoniak ohne Zusatz von Sauerstoff”. Chemie Ingenieur Technik 30 (5): 281?376. doi:10.1002/cite.330300506.
- ^ 佐々木一雄, 竹田逸郎, 遠藤栄次「メタン・アンモニア法による青酸合成研究第5報,少量の白金を加えたアルミナ触媒の触媒能」『山形大学紀要.工学』第6巻第1号、山形大学、1960年、113-116頁、CRID 1050001338487125376。
- ^ “アンドルソフ法の不活性ガスブランケットの動作制御”. 2022年12月30日閲覧。