BLACK(ブラック)は、日本のパフォーミングアーティスト。

ぶらっく
BLACK

TEDにて、「Yo-Yo Samurai」披露時。
出生地 日本の旗 日本東京都
職業 パフォーミングアーティスト
活動期間 2007年 -
活動内容 2007年:プロデビュー
2013年TED登壇
2013年-2016年シルク・ドゥ・ソレイユ 出演
公式サイト
BLACK公式サイト
BLACKの学校訪問 公式サイト
主な作品
シルク・ドゥ・ソレイユ KURIOS
受賞歴
2001年 ヨーヨー世界大会 優勝
2007年 ヨーヨー世界大会 優勝
ヨーヨーマスターアワード
備考
英語教科書 Longman「Spark!」掲載
英語教科書 開隆堂出版「Junior Sunshine」掲載
英語教科書 光村図書出版「Here We Go!」掲載

2001年・2007年ヨーヨー世界チャンピオン。シルク・ドゥ・ソレイユ アーティスト。TEDスピーカー[1]

人物

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東京都出身。青山学院大学卒業[2]。名前の由来は、選手時代に黒い衣装を好んで着ていたことから。[3]

学生時代は英語が苦手であったが、世界大会優勝後にインスタントメッセンジャーを通じ世界中のヨーヨープレイヤーと会話する中で徐々に英語を習得していった[4]。現在では、TEDカンファレンスをはじめ英語で講演を行うまでになった。

尊敬するパフォーマーはウクライナ出身のジャグラーであるヴィクトル・キー[5]。2003年にキーの演技を観て以来、シルク・ドゥ・ソレイユへの入団を目指すようになった[5]。しかし当時、ヨーヨーパフォーマーのシルク・ドゥ・ソレイユ出演は前例がなかったため、本当に自分が出演できるとは思っていなかった[5]

経歴

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アマチュア時代

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1997年、バンダイより発売されたハイパーヨーヨーを手に取る[5]。1997-1998年のブーム時には目立つ選手ではなかったが、ブーム沈静化後に頭角を現し、2001年には米国フロリダ州で開催されたヨーヨー世界大会にて優勝を果たした[5]

大学卒業後は、システムエンジニアとして一般企業に就職[6]。ヨーヨーに取り組む時間が無くなったことから、転職を検討。適職診断を受けた際に「自分の死後も後世に残る、社会に良い影響を及ぼす何かを為したい」という思いが芽生えた[7]

自分が後世に残せる良い影響は、「後進の競技ヨーヨー選手達の活動環境を改善する事」であるとし、その手段として「シルク・ドゥ・ソレイユに出演し、ヨーヨーの社会的評価を上げる事」を目指し始めた[7]

プロ転向後

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ヨーヨーマスター受勲時

2007年、プロパフォーマーとして独立。

2009年、シルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格。ヨーヨーパフォーマーとして初の合格者となる[8]。ただしこれは、契約等は無くアーティストデータベースへの登録のみであり、即時出演したわけではなかった。

2013年2月、米国カリフォルニア州で開催された世界的講演会「TED 2013」に唯一の日本人として登壇[9]

同年9月、シルク・ドゥ・ソレイユのスペシャルイベントに出演[10]。史上初のヨーヨーアーティストとしての出演を果たした[2]

同年10月、TED登壇やシルク・ドゥ・ソレイユ出演により、ヨーヨーに対する社会からの評価を向上させたとして、ヨーヨー業界の発展に寄与した者に贈られる「ナショナルマスターアワード」を受賞。ヨーヨーマスターとして認定された[11]

2014年4月より、シルク・ドゥ・ソレイユのツアーショー「KURIOS」に出演。ストーリーのカギを握る「時の支配者」役としてソロ演目を担当し、500回以上のショーに出演、100万人以上の観客を魅了した[2]

2016年には同役を後輩へ引き継いだが、2023年にはベルギー公演に出演しており、現在も時おり一時復帰することがある[12]

現在は、日本を拠点に国内外でパフォーマンス・講演活動を行っている[2]

パフォーマンス作品

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Illuminate the World

Yo-Yo Samurai

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日本をテーマとした演技。TEDカンファレンスで披露した、BLACKの代表的な演技である。袴姿の衣装、鹿威しの音に合わせた振付など、随所に和の要素が含まれている。

Illuminate the World

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映像プロジェクションとLEDヨーヨーを組み合わせた演技。プログラミング制御されたヨーヨーの発光が映像・音楽とシンクロし、スクリーン上の映像と現実世界のヨーヨー演技が一体化する新たな芸術表現を可能にした。クライアントのロゴなどを映像に取り入れる場合もある[13]

Ignition

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TV出演の際によく披露される、90秒間の演技。短い時間の中に、ヨーヨーの高速回転によるマッチへの着火、プログラミングLEDヨーヨー、スプリット(開脚)ルーピング、テーブルクロス引きなど多くの技が詰め込まれている。

パフォーマンス技術と特徴

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テーブルクロス引き

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自身が開発した技として、「ヨーヨーを使ったテーブルクロス引き」がある。通常のテーブルクロス引きでは両手でテーブルクロスを掴み引き抜くが、BLACKの場合、手ではなくヨーヨーを使ってテーブルクロスを引き抜く[14]

使用ヨーヨー

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ショーでは、特注品のヨーヨーを使用する事が多い。大型のヨーヨーを使用することにより、「ヨーヨーはサイズが小さく、大舞台では観客から見えづらい」と言われる問題を克服した[2]。製作には、旋盤工の紺本忍夫、株式会社菊水フォージングが協力している[15][16]

また、スマート・ヨーヨー「7-Magic」を使用することも多い。発光パターンのプログラミングにより、背景映像や音楽と完全にシンクロしたパフォーマンスを行っている。こちらのヨーヨーはBLACKが監修、株式会社Cerevoが製作したもので、一般販売もされている[17]

教育活動

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TED登壇以降は、教育活動に目を向け始めた。きっかけは、TED会場において「変化の激しい世の中をこれからの若い世代が生きていく上で『情熱を持てる物』を見つけるということは、とても重要だ。ぜひ、『教育』という分野に力を貸して欲しい」と声をかけられたことから[18]

2017年、Pearson Education Asia社の英語教科書「Longman English 『Spark!』」に掲載される(香港、高校生向け教科書)。「The story of a yo-yo pro」というタイトルの下、BLACKが夢を叶えてきた半生が教材として紹介されている[19]

2020年より、「世界で活躍する日本人」として、日本の小学生向け英語教科書に掲載される。掲載教科書は、開隆堂出版「Junior Sunshine」(小学5年生用)と、光村図書出版「Here We Go!」(小学6年生用)の2冊。[20]

現在は従来のパフォーマー活動に加え、「英語で広がる自由」「好き・夢の見つけ方」を伝える、英語教育・キャリア教育活動にも尽力している。

出演

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テレビ

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  • NHK 金曜バラエティ
  • NHK 世界を沸かせるスーパーサーカス~華麗なるステージとその裏側~
  • NHK あさイチ
  • NHK Eテレ 大!天才てれびくん
  • NHK Eテレ スーパープレゼンテーション
  • NHK Eテレ みいつけた!
  • 日本テレビ メレンゲの気持ち
  • 日本テレビ おしゃれイズム
  • 日本テレビ スッキリ
  • 日本テレビ シューイチ
  • 日本テレビ スクール革命!
  • 日本テレビ 心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU
  • フジテレビ めざにゅ~
  • フジテレビ 笑っていいとも
  • フジテレビ ノンストップ!
  • テレビ東京 ガイアの夜明け
  • テレビ東京 所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!

他多数

ラジオ

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  • JFN OH!HAPPY MORNING
  • 文化放送 Blendy stick スマート男子とキレカワ女子のスティックブレイク
  • bayfm POWER BAY MORNING
  • TOKYO FM DOCOMO LOVE Family
  • TOKYO FM Honda Smile Mission
  • TOKYO FM Dream HEART

他多数

CM・広報

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  • CANON「IXY 30S」
  • コカ・コーラ「burn」
  • 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC S&W」
  • Original Japan「Original Stitch」
  • 東洋水産「MARUCHAN QTTA」

他多数

著書

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単著

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  • 「好き」をつらぬこう (PHP研究所、2010年9月) ISBN 9784569780863
  • TEDスピーカーに学ぶ「伝える力」 魂を揺さぶるプレゼンテーション (KADOKAWA、2014年2月) ISBN 9784046539472

教科書掲載

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  • Longman English 「Spark!」 (Pearson Education Asia、2017年)
  • 開隆堂出版 「Junior sunshine」 (2020年)
  • 光村図書出版 「Here We Go!」 (2020年)

脚注

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  1. ^ BLACK. “BLACK | Speaker | TED” (英語). www.ted.com. 2023年12月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e オフィシャルサイトより
  3. ^ テレビ朝日「自信つきまシアター イイトコダス」、2010年12月27日
  4. ^ BLACK「TED2013」唯一の日本人スピーカー、ヨーヨー・パフォーマー 有名人の英語ライフ TOEIC SQUARE
  5. ^ a b c d e 著書 「好き」をつらぬこう
  6. ^ SEから世界一に返り咲き 「TED 2013」に唯一出演した日本人・BLACKさんのヨーヨーと“再起” (1/3) ITmedia ニュース、2013年06月07日
  7. ^ a b 著書 TEDスピーカーに学ぶ「伝える力」 魂を揺さぶるプレゼンテーション
  8. ^ オフィシャルブログ BLACK’s Yo-Yo life 「ご報告」、2009年12月19日
  9. ^ Disrupt!: The speakers in Session 4 at TED2013 | TED Blog” (英語) (2013年2月27日). 2023年12月29日閲覧。
  10. ^ オフィシャルブログ BLACK’s Yo-Yo life 「シルク・ドゥ・ソレイユのショーに出演しました」、2013年09月11日
  11. ^ オフィシャルブログ BLACK’s Yo-Yo life 「ナショナルヨーヨーマスターアワードを受賞しました」、2013年10月06日
  12. ^ Twitter、2023年8月23日
  13. ^ オフィシャルサイト VOICE 三菱ふそうトラック・バス株式会社 インタビュー
  14. ^ The Yo-Yo trick you had never seen - YouTube
  15. ^ s.kon world ヨーヨー製作日記 「東京旅行記?!」、2013年3月20日
  16. ^ オフィシャルブログ BLACK’s Yo-Yo life 「【KURIOS復帰への道⑤】最強の武器が届きました」、2014年6月28日
  17. ^ Cerevo - スマート・ヨーヨー「7-Magic」、株式会社Cerevo
  18. ^ オフィシャルブログ BLACK’s Yo-Yo life 「バリ島の最先端インターナショナルスクール『Green School』さんで講演を行いました」、2013年7月2日
  19. ^ BLACK LINEブログ 「TED登壇、シルク・ドゥ・ソレイユ出演に続く事件が起きました」、2017年11月7日
  20. ^ BLACK LINEブログ 「教科書掲載が決定!学校訪問に向けたクラウドファンディング公開しました!」、2019年9月30日

関連項目

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外部リンク

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