Amazon SimpleDB
Amazon SimpleDB(アマゾン シンプル ディービー)はAmazon.comによる分散データベースである。Amazon Web Servicesの一部であり、一般的にはAmazon Elastic Compute Cloud (EC2) やAmazon Simple Storage Service (S3) などとともに使われるWebサービスである。2007年12月13日に公開された[1]。CAP定理において、一貫性が成立しておらず、それゆえ、書き込みをしても、一貫性読み込みを指定しない限り、読めるようになるまで1秒程度以下の時間がかかる[要出典]。Erlangで記述されている[2]。
課金体系
編集EC2やS3と同じように、Amazon社はSimpleDBのストレージ使用量、データ転送量およびインターネットへの転送量に応じて課金を行う。2008年12月1日に1GBのデータとマシン稼動25時間については無料となる新料金形態を発表した[3]。同一地域内の他のAmazon Web Servicesへのデータ転送は無料である[4]。
クエリー
編集クエリーはSQLに似た構文で行う。関係データベースではないため、JOINはない。スキーマレスであるため、カラムにデータ型を指定する必要はなく、数値は自動的にクエリーの中では数値として扱える。日付は、ISO 8601形式で扱う。インデックスも自動的に張られる。一つのカラムに複数のデータを持たせることもできる。LIKEを使い、前方一致・後方一致・部分一致の文字列検索ができる。
トランザクション
編集完全なトランザクションは扱えないが、Conditional PutとConditional Deleteがあり、指定したカラムが指定した値の時のみ更新・削除を行うことができる。これを使い、データの一貫性を保ったまま、データの更新・削除を行うことができる。データにバージョンを持たせたカラムをつけると、楽観的並行性制御を行える。
制約
編集以下の制約が規定されている[5]。
ストレージの制約
編集Attribute | 最大量 |
---|---|
ドメイン | 100アクティブドメイン |
ドメインサイズ | 10GB |
ドメインごとのattribute数 | 1,000,000,000 |
itemごとのattribute数 | 256 |
attributeサイズ | 1024文字 |
クエリの制約
編集Attribute | 最大量 |
---|---|
クエリ結果により返されるitem数 | 2500 |
クエリ実行時間 | 5秒以内 |
クエリpredicateのattribute nameの数 | 1 |
predicateに対する比較演算 | 20演算 |
クエリ展開に対するpredicates | 20 |
参考文献
編集外部リンク
編集- Amazon SimpleDB公式サイト
- ライブラリ
- 代替実装
- NSimpleDB - SimpleDBデータモデルをデスクトップ用にC#で実装したオープンソースソフトウェア。SimpleDBのプロキシとしても使用できる。
- simpledb-dev