ABRIXAS
ABRIXAS(A BRoadband Imaging X-ray All-sky Survey、全天広帯域X線画像探査)はドイツのX線天文衛星。3年間の掃天観測を行う計画だったが、電源系が故障して失敗した。
ABRIXAS | |
---|---|
所属 | ドイツ, DLA |
公式ページ | ABRIXAS |
国際標識番号 | 1999-022A |
カタログ番号 | 25721 |
状態 | 運用停止 |
目的 | X線掃天観測 |
観測対象 | X線 (0.5-10keV) |
計画の期間 | 3年 |
打上げ機 | コスモスロケット |
打上げ日時 | 1999年4月28日 |
通信途絶日 | 1999年5月1日 |
運用終了日 | 1999年7月頃 |
物理的特長 | |
質量 | 550.0 kg |
軌道要素 | |
軌道 | 地球楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 549.0km.[1] |
遠点高度 (ha) | 598.0km [1] |
離心率 (e) | 0.00352 [1] |
軌道傾斜角 (i) | 48.0°[1] |
軌道周期 (P) | 96分 [1] |
計画と設計
編集ABRIXASは、0.5-10キロ電子ボルトのX線域で、3年かけて全天サーベイ(掃天観測)を行うことを目指した。これは過去に0.1-2キロ電子ボルトの軟X線で行われたROSATのサーベイを補完する役割もある。計画には2000万ドルの費用を要した[2]。
観測装置は焦点距離160cmのヴォルター-1望遠鏡7基で構成された。1基につき直径40分の視野がありそれぞれ7度離れた方角を向いていた[3]。受光部は7つの望遠鏡で1つのセンサーを共有し、XMMニュートン用に開発されたX線CCDセンサーを転用した[2]。
運用
編集1999年4月28日にロシアのカプースチン・ヤールからコスモスロケットにより打ち上げられた[3]。
軌道投入から3日後、衛星のメインバッテリーが過充電により損傷し、通信が途絶えてしまった。太陽電池に光が当たる6月末から7月、電力回復を期待して通信を試みるも失敗に終わり、衛星の運用は断念された[2]。