A.J.コール

アメリカの野球選手 (1992 - )

アンドリュー・ジョーダン・コール(Andrew Jordan Cole、1992年1月5日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州セミノール郡ウィンタースプリングス英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。

A.J.コール
A.J. Cole
ハイポイント・ロッカーズ
ヤクルト時代
(2022年6月8日、京セラドーム大阪にて)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州セミノール郡ウィンタースプリングス英語版
生年月日 (1992-01-05) 1992年1月5日(32歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
238 lb =約108 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2010年 MLBドラフト4巡目
初出場 MLB / 2015年4月28日
NPB / 2022年4月22日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

東京ヤクルトスワローズでの登録表記は、イニシャルをそのまま音写したエイジェイ・コール[1]

経歴

編集

プロ入りとナショナルズ傘下時代

編集

2010年MLBドラフト4巡目(全体116位)でワシントン・ナショナルズから指名され、8月15日に契約。契約後、傘下のA-級バーモント・レイクモンスターズ英語版でプロデビューし、1試合に登板した。

2011年はA級ヘイガーズタウン・サンズ英語版でプレーし、20試合(先発18試合)に登板して4勝7敗、防御率4.04、108奪三振を記録した。

アスレチックス傘下時代

編集

2011年12月22日にジオ・ゴンザレスとのトレードで、トム・ミローンブラッド・ピーコックデレク・ノリスと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[2]

2012年は傘下のA+級ストックトン・ポーツで開幕を迎えたが、8試合の先発登板で0勝7敗、防御率7.82と結果を残せず、5月23日にA級バーリントン・ビーズ英語版へ降格。A級バーリントンでは19試合に先発登板して6勝3敗、防御率2.07、102奪三振を記録した。

ナショナルズ時代

編集
 
ワシントン・ナショナルズ時代
(2016年8月27日)

2013年1月15日にアスレチックス、ナショナルズ、シアトル・マリナーズ間の三角トレードで、ナショナルズに復帰した[3]。A+級ポトマック・ナショナルズで開幕を迎え、18試合に先発登板して6勝3敗、防御率4.25、102奪三振を記録した。7月23日にAA級ハリスバーグ・セネターズへ昇格すると、7試合に先発登板して4勝2敗、防御率2.18、49奪三振を記録した。

2014年はメジャーのスプリングトレーニングに参加し[4]オープン戦は3試合の登板で、6.2回を5安打無失点に抑えた[5]。シーズンはAA級ハリスバーグで開幕を迎え、14試合に先発登板。1完封を含む6勝(3敗)、防御率2.92の成績で、6月27日にAAA級シラキュース・チーフスへ昇格。AAA級シラキュースでは11試合に先発登板して7勝0敗、防御率3.43、50奪三振を記録した。オフの11月20日にナショナルズとメジャー契約を結び、40人枠入りを果たした[6]

2015年3月18日にAAA級シラキュースへ配属され、そのまま開幕を迎えた。3試合に登板後、4月28日にメジャーへ昇格[7]。同日のアトランタ・ブレーブス戦で先発起用されメジャーデビュー。しかし、2回を9安打9失点(自責点4)と打ち込まれ[8]、翌29日にAAA級シラキュースへ降格した[9]。5月15日にダグ・フィスター故障者リスト入りしたため再昇格[10]。同日のサンディエゴ・パドレス戦で10点リードの7回裏から登板し、3回を1安打無失点に抑え、初セーブを記録した[11]。再昇格後はリリーフとして2試合に登板したが、5月24日にAAA級シラキュースへ降格した[12]。9月3日に再昇格した[13]ものの、登板機会はなかった。この年メジャーでは3試合に登板して0勝0敗1セーブ、防御率5.79、9奪三振を記録した。

2016年は8月22日以降[14]、先発登板する機会を与えられ、8試合に先発登板した。1勝2敗、防御率5.17・WHIP1.33と打ち込まれ傾向だったが、38.1イニングで39三振を奪う三振奪取能力を見せた。マイナー(AAA級シラキュース)では、22試合に先発登板して8勝8敗、防御率4.26、WHIP1.33を記録した。

2017年は11試合(先発8試合)に登板して3勝5敗、防御率3.81、44奪三振を記録した。

2018年4月20日にDFAとなった[15]

ヤンキース時代

編集

2018年4月24日に金銭トレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[16]。4月28日のロサンゼルス・エンゼルス戦でヤンキースで初めて登板した。レギュラーシーズンでは、リリーフとしてヤンキースのブルペンの一角をなした。ヤンキースのみの成績は28試合の登板で防御率4.26だった。

2019年1月4日にDFAとなった[17]

インディアンス時代

編集
 
インディアンス時代
(2019年6月29日)

2019年1月11日にウェイバー公示を経てクリーブランド・インディアンスへ移籍した[18]。2月4日にニック・ウィットグレンの加入に伴ってDFAとなり[19]、11日にマイナー契約で傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズへ配属された。5月11日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[20]。この年は25試合に登板して3勝1敗1セーブ、防御率3.81、30奪三振を記録した。オフの11月4日にマイナー契約でAAA級コロンバスへ配属され、同日中にFAとなった[17]

ブルージェイズ時代

編集

2019年11月25日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結び、2020年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[21]

2020年7月23日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[22]。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[23]

2021年1月12日にマイナー契約で再契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[17]。5月8日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[24]。レギュラーシーズン終了後の10月5日にFAとなった[25]

ヤクルト時代

編集

2021年12月7日にNPBの東京ヤクルトスワローズと契約を締結した[26]

2022年4月22日に来日初登板するも、1回を投げ4失点を喫した[27]。それでも、その後も中継ぎとして登板を重ね、最終的に34試合の登板で2勝0敗6ホールド、防御率2.75の成績を残した[28]。しかし、コンディション不良のため、8月16日に登録抹消され、9月24日にアメリカで再検査するために帰国した[29]。中継ぎとして結果は残したが、チームは先発としての起用を期待していたため[28]、翌年の再契約は成されず、シーズンオフの11月8日に自由契約となった[30]

独立リーグ時代

編集

2023年4月28日にアトランティックリーグハイポイント・ロッカーズ英語版と契約した[17]

プレースタイル

編集

大柄な体から小気味よく曲がる多彩な変化球を投げる[31]。球種は、最速97.5mph(約156.9km/h)、平均151km/hを計測する速球に、スライダーチェンジアップカット・ファスト・ボールの3種の変化球をメインに投げる[32]

詳細情報

編集

年度別投手成績

編集




















































W
H
I
P
2015 WSH 3 1 0 0 0 0 0 1 0 ---- 44 9.1 14 1 1 1 0 9 1 0 11 6 5.79 1.61
2016 8 8 0 0 0 1 2 0 0 .333 168 38.1 37 7 14 1 2 39 1 0 24 22 5.17 1.33
2017 11 8 0 0 0 3 5 0 0 .375 229 52.0 51 8 27 0 3 44 2 1 23 22 3.81 1.50
2018 4 2 0 0 0 1 1 0 0 .500 53 10.1 16 6 6 0 0 10 0 0 15 15 13.06 2.13
NYY 28 0 0 0 0 3 1 0 0 .750 168 38.0 39 9 16 1 0 49 2 0 23 18 4.26 1.45
'18計 32 2 0 0 0 4 2 0 0 .667 221 48.1 55 15 22 1 0 59 2 0 38 33 6.14 1.59
2019 CLE 25 0 0 0 0 3 1 1 0 .750 118 26.0 31 4 8 0 0 30 0 0 16 11 3.81 1.50
2020 TOR 24 0 0 0 0 3 0 1 2 1.000 95 23.1 19 3 9 2 0 20 3 0 9 8 3.09 1.20
2021 6 0 0 0 0 0 0 1 1 ---- 30 8.0 6 1 1 0 0 7 0 0 1 1 1.13 0.88
2022 ヤクルト 34 0 0 0 0 2 0 0 6 1.000 145 36.0 25 3 14 1 1 32 2 0 13 11 2.75 1.08
MLB:7年 109 19 0 0 0 14 10 4 3 .583 905 205.1 213 39 82 5 5 208 9 1 122 103 4.51 1.44
NPB:1年 34 0 0 0 0 2 0 0 6 1.000 145 36.0 25 3 14 1 1 32 2 0 13 11 2.75 1.08
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

編集


投手(P)












2015 WSH 3 0 3 1 0 .750
2016 8 0 0 0 0 ----
2017 11 3 5 0 0 1.000
2018 4 1 2 0 0 1.000
NYY 28 1 3 1 0 .800
'18計 32 2 5 1 0 .875
2019 CLE 25 0 3 0 0 1.000
2020 TOR 24 1 2 0 0 1.000
2021 6 0 0 0 0 ----
2022 ヤクルト 34 2 8 1 0 .909
MLB 109 6 18 2 0 .923
NPB 34 2 8 1 0 .909
  • 2022年度シーズン終了時

記録

編集
MLB

記録

編集
初記録
投手記録

背番号

編集
  • 69(2015年)
  • 22(2016年 - 2018年途中)
  • 67(2018年途中 - 同年終了)
  • 34(2019年)
  • 36(2020年 - 2021年)
  • 63(2022年)

脚注

編集
  1. ^ A.J.コール NPB.jp
  2. ^ A's Acquire Four Players from Washington for LHP Gio Gonzalez”. MLB.com A's Press Release (December 22, 2011). November 29, 2015閲覧。
  3. ^ Nationals agree to terms with 5 players” (英語). MLB.com (January 15, 2013). November 29, 2015閲覧。
  4. ^ Nationals announce 2014 non-roster invitees” (英語). MLB.com (January 24, 2014). November 29, 2015閲覧。
  5. ^ A.J. Cole Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. November 29, 2015閲覧。
  6. ^ Nationals add Cole, Difo, Goodwin and Grace” (英語). MLB.com (2014年11月20日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月29日閲覧。
  7. ^ Nationals recall RHP A.J. Cole from Triple-A Syracuse” (英語). MLB.com (April 28, 2015). November 29, 2015閲覧。
  8. ^ Scores for Apr 28, 2015” (英語). ESPN (April 28, 2015). November 29, 2015閲覧。
  9. ^ Nationals recall LHP Sammy Solis and OF Michael A. Taylor from Triple-A Syracuse” (英語). MLB.com (April 29, 2015). November 29, 2015閲覧。
  10. ^ Nationals recall RHP A.J. Cole from Triple-A Syracuse” (英語). MLB.com (May 15, 2015). November 29, 2015閲覧。
  11. ^ Scores for May 15, 2015” (英語). ESPN (May 15, 2015). November 29, 2015閲覧。
  12. ^ Nationals recall RHP Taylor Jordan” (英語). MLB.com (May 24, 2015). November 29, 2015閲覧。
  13. ^ Nationals reinstate 1B/OF Tyler Moore and recall RHP A.J. Cole” (英語). MLB.com (September 3, 2015). November 29, 2015閲覧。
  14. ^ A.J. Cole 2016 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年11月25日閲覧。
  15. ^ Jamal Collier (2018年4月20日). “Torres joins bullpen as Cole exposed to waivers” (英語). MLB.com. 2018年4月23日閲覧。
  16. ^ Bryan Hoch (2018年4月24日). “Yankees acquire righty Cole from Nationals” (英語). MLB.com. 2018年4月28日閲覧。
  17. ^ a b c d MLB公式プロフィール参照。2021年1月14日閲覧。
  18. ^ Mandy Bell (2019年1月11日). “Indians claim reliever Cole from Yankees” (英語). MLB.com. 2019年2月9日閲覧。
  19. ^ Andrew Simon (2019年2月4日). “Indians acquire reliever Wittgren from Marlins” (英語). MLB.com. 2019年2月9日閲覧。
  20. ^ Chris Haft (2019年5月11日). “Indians option Anderson, add Cole to 40-man” (英語). MLB.com. 2019年5月12日閲覧。
  21. ^ Keegan Matheson (2019年11月25日). “Blue Jays, A.J. Cole have Minors deal (source)” (英語). MLB.com. 2020年3月7日閲覧。
  22. ^ Steve Adams (2020年7月23日). “Blue Jays Set Opening Day Roster” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年7月24日閲覧。
  23. ^ Blue Jays Non-Tender Travis Shaw, A.J. Cole” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月3日閲覧。
  24. ^ TC Zencka (2021年5月9日). “Blue Jays Select A.J. Cole, Move Alejandro Kirk To 60-Day IL” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年5月10日閲覧。
  25. ^ Anthony Franco (2021年10月7日). “Players Recently Electing Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月17日閲覧。
  26. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ”. 東京ヤクルトスワローズ公式サイト (December 7, 2021). December 7, 2021閲覧。
  27. ^ 【ヤクルト】左打者6人先発も3安打完封負け 初回2失点「失投でしょうね」高津監督/一問一答”. nikkansports.com. 2022年4月23日閲覧。
  28. ^ a b “ヤクルト・コールが退団へ 今季救援34試合に登板、防御率2.75”. サンケイスポーツ. (2022年11月2日). https://www.sanspo.com/article/20221102-JFLA4XWSPRMVXKOUBAP2BZXAGQ/ 2022年11月8日閲覧。 
  29. ^ “【ヤクルト】コールが帰国 米国で再検査のため再来日は未定 8月16日に登録抹消”. 日刊スポーツ. (2022年9月24日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202209240000967_m.html 2022年11月8日閲覧。 
  30. ^ 巨人ウィーラーが自由契約 ウェーバー不請求で、燕・コールも退団…NPB公示”. Full-Count (2022年11月8日). 2022年11月8日閲覧。
  31. ^ ヤクルトが元ブルージェイズ右腕コールを獲得「最高の結果に貢献」 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年12月25日閲覧。
  32. ^ SPREAD (2021年12月8日). “【プロ野球】ヤクルト新助っ人、A.J.コールの強みとは 特徴やカギを握る球種に迫る | SPREAD”. SPREAD. 2021年12月25日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集