5,10-メテニルテトラヒドロメタノプテリンヒドロゲナーゼ
5,10-メテニルテトラヒドロメタノプテリンヒドロゲナーゼ(5,10-methenyltetrahydromethanopterin hydrogenase)は、メタン生成アーキアで見られる酸化還元酵素である。鉄硫黄クラスター不在ヒドロゲナーゼ[1](iron-sulfur cluster-free hydrogenase、Hmd)とも呼ばれる。発見と同定はマールブルクのマックス・プランク研究所において、タウアーらのグループにより行われた。ヒドロゲナーゼはプロトンの還元と水素分子の酸化を行う酵素である[2]。
5,10-メテニルテトラヒドロメタノプテリンヒドロゲナーゼ | |||||||||
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識別子 | |||||||||
EC番号 | 1.12.98.2 | ||||||||
CAS登録番号 | 100357-01-5 | ||||||||
データベース | |||||||||
IntEnz | IntEnz view | ||||||||
BRENDA | BRENDA entry | ||||||||
ExPASy | NiceZyme view | ||||||||
KEGG | KEGG entry | ||||||||
MetaCyc | metabolic pathway | ||||||||
PRIAM | profile | ||||||||
PDB構造 | RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum | ||||||||
遺伝子オントロジー | AmiGO / QuickGO | ||||||||
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機能
編集メタン菌は二酸化炭素をメタンに還元する酵素に依存している。最初の段階では、メテニル基(ギ酸の酸化数)からメチレン基(ホルムアルデヒドの酸化数)への変換を行う。
ヒドロゲナーゼ類の中ではHmdは、二酸化炭素からメタンに直接変換しない点が特徴的である。酵素の天然の基質はメテニルテトラヒドロメタノプテリンである[3]。この化合物は2つの三級アミドに結合したメテニル基を含む。このメテニル基はCO2由来で、図のようにH2を用いた触媒的な還元を受ける[4]。最終的にはメチレン基はさらに還元を受けメタン分子となり、遊離する。
ヒドリドの転移は立体特異的であることも示されている。基質を平面とすると、H2由来のヒドリドはpro-R面に付加する。逆反応でも立体特異性は維持され、付加した方のヒドリドが除去される[2]
脚注
編集- ^ J-GLOBALの和訳を参照
- ^ a b Shima S, Thauer RK (2007). “A third type of hydrogenase catalyzing H2 activation”. Chem Rec 7 (1): 37–46. doi:10.1002/tcr.20111. PMID 17304591.
- ^ “EC 1.12.98.2 - 5,10-methenyltetrahydromethanopterin hydrogenase”. BRENDA – The comprehensive Enzyme Information System. Technische Universität Braunschweig. 2008年4月25日閲覧。
- ^ Lyon EJ, Shima S, Buurman G, Chowdhuri S, Batschauer A, Steinbach K, Thauer RK (January 2004). “UV-A/blue-light inactivation of the 'metal-free' hydrogenase (Hmd) from methanogenic archaea”. Eur. J. Biochem. 271 (1): 195–204. PMID 14686932.