2009年のフォーミュラ・ニッポン
2009年のフォーミュラ・ニッポン | |||
前年: | 2008 | 翌年: | 2010 |
2009年のフォーミュラ・ニッポンは、2009年(平成21年)4月4日 - 5日に富士スピードウェイで開幕し、9月26日 - 27日にスポーツランドSUGOで閉幕した全8戦のシリーズである。
前年度からの変更点
編集エンジン
編集前年までのV型8気筒3,000ccから、SUPER GT・GT500クラスと基本設計が同じ[1]V型8気筒3,400ccのエンジンに変更される。このエンジンは4レースの間 継続使用され(08年までは3レース継続)、途中でエンジンを交換した場合、予選順位10番手降格のペナルティが課せられる。
前年同様、全車同じエンジンコントロールユニット(ECU)が使用され、レブリミットも同じ10,300rpmだが、新たにリミットを約20秒間 10,700rpmまで引き上げるオーバーテイクボタンが導入された。
環境への配慮から、排気管出口に全日本選手権としては初めて三元触媒が装着された[2]。
シャシー
編集3年毎のシャシー更新年にあたり、前年までのローラB06/51(FN06)に替わってスウィフト017.n(FN09)が新たに投入され、前年までと同様に主催者である日本レースプロモーション(JPR)から各チームにリースのかたちで供給された。
参戦コストを抑えるため、レギュレーションで禁止されていない項目に対しても、開発の規制が行われるようになった。特に、ダンパーについてはシーズン開幕後より物議をかもしており、最終戦を前に一部チームが使用していた「左右連結リザーバータンク」などが禁止された[3]。
レース日程の短縮
編集高騰する参戦コストの低減を目的に、各大会の日程が3日間から2日間に短縮(金曜日の練習走行を廃止)され、レース距離も最大250kmに短縮された。
併せて、昨年行われた1大会2レース制やリバースグリッドは採用されないことになった。
新予選方式の導入
編集昨年と同様のノックアウト方式でおこなわれるが、各セッションで決定する予選順位の配分が変更された。
Q1 | 12~13位 |
---|---|
Q2 | 9~11位 |
Q3 | 1~8位 |
ポイントシステム
編集参加台数の減少により、ポイント配分が見直された。
決勝順位 | P.P. | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ポイント | 1 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
エントラント
編集サブプライムローン問題に端を発する世界的な景気悪化から、ARTA、5ZIGEN、KONDO Racingの3チームが参戦を見送り、CERUMO/INGINGは前年の3台から1台に台数を減らした。一方でReal Racingを母体とした「HFDP Racing」の新規参戦はあったが、前年の20台を大きく下回る13台のエントリーに止まった。これはシリーズが開始されて以降、最小のエントリー数である。
エントリーリスト
編集Car-No. | ドライバー | チーム | エンジン |
---|---|---|---|
1 | 松田次生 | LAWSON TEAM IMPUL | TOYOTA RV8K |
2 | ブノワ・トレルイエ | ||
7 | 国本京佑 | Team LeMans | TOYOTA RV8K |
8 | 石浦宏明 | ||
10 | 塚越広大 | HFDP RACING | HONDA HR09E |
20 | 平手晃平 | ahead TEAM IMPUL | TOYOTA RV8K |
31 | ロイック・デュバル | NAKAJIMA RACING | HONDA HR09E |
32 | 小暮卓史 | ||
36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | TOYOTA RV8K |
37 | 大嶋和也 | ||
40 | リチャード・ライアン | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | HONDA HR09E |
41 | 伊沢拓也 | ||
48 | 立川祐路 | CERUMO/INGING | TOYOTA RV8K |
スケジュール及び勝者
編集開催日 | 開催サーキット | 距離 | 優勝者 | ポールポジション | ファステストラップ | |
---|---|---|---|---|---|---|
Rd1 | 4月4〜5日 | 富士スピードウェイ | 250km | ブノワ・トレルイエ | 平手晃平 | アンドレ・ロッテラー |
Rd2 | 5月16〜17日 | 鈴鹿サーキット | 250km | ロイック・デュバル | ブノワ・トレルイエ | ロイック・デュバル |
Rd3 | 5月30〜31日 | ツインリンクもてぎ | 250km | 小暮卓史 | 小暮卓史 | 塚越広大 |
Rd4 | 6月27〜28日 | 富士スピードウェイ | 250km | ロイック・デュバル | ロイック・デュバル | ロイック・デュバル |
Rd5 | 7月11〜12日 | 鈴鹿サーキット | 250km | ロイック・デュバル | ロイック・デュバル | 小暮卓史 |
Rd6 | 8月8〜9日 | ツインリンクもてぎ | 250km | アンドレ・ロッテラー | 小暮卓史 | 小暮卓史 |
Rd7 | 8月29〜30日 | オートポリス | 250km | 小暮卓史 | 小暮卓史 | 国本京佑 |
Rd8 | 9月26〜27日 | スポーツランドSUGO | 230km | ロイック・デュバル | ロイック・デュバル | ロイック・デュバル |
シリーズポイントランキング
編集ドライバー部門
編集ポイントシステム
順位 | P.P. | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ポイント | 1 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)
ルーキー・オブ・ザ・イヤー
編集順位 | 名前 | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 塚越広大 | 6 | 5 | 4 | 6 | 9 | 10 | Ret | 4 | 20 |
2 | 大嶋和也 | 7 | Ret | Ret | 2 | 10 | 11 | 9 | 6 | 13 |
3 | 国本京佑 | 9 | 9 | DNS | 10 | 11 | Ret | 11 | 8 | 1 |
チーム部門
編集順位 | チーム | No. | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NAKAJIMA RACING | 31 | 4 | 1 | Ret | 1 | 1 | 2 | 3 | 1 | 93 |
32 | 8 | Ret | 1 | 7 | 2 | 6 | 1 | 10 | |||
2 | PETRONAS TEAM TOM'S | 36 | 10 | 3 | 5 | 6 | 7 | 1 | 2 | 2 | 52 |
37 | 7 | Ret | Ret | 2 | 10 | 11 | 9 | 6 | |||
3 | LAWSON TEAM IMPUL | 1 | Ret | Ret | 6 | Ret | 12 | 5 | 7 | 7 | 50 |
2 | 1 | 2 | 2 | Ret | 3 | 3 | 8 | 9 | |||
4 | ahead TEAM IMPUL | 20 | 3 | 4 | Ret | 5 | 5 | 8 | 4 | 3 | 31 |
5 | Team LeMans | 7 | 9 | 9 | DNS | 10 | 11 | Ret | 11 | 8 | 31 |
8 | 11 | 8 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 5 | |||
6 | DoCoMo TEAM DANDELION RACING | 40 | Ret | 6 | 7 | 3 | 13 | Ret | 10 | 13 | 25 |
41 | 2 | 7 | DNS | Ret | 8 | 9 | 6 | 11 | |||
7 | HFDP RACING | 10 | 6 | 5 | 4 | 6 | 9 | 10 | Ret | 4 | 20 |
8 | CERUMO/INGING | 48 | 5 | Ret | Ret | 9 | 6 | 7 | Ret | 12 | 9 |
順位 | チーム | No. | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | ポイント |
※各戦で同一チームのマシンが得た合計点
脚注
編集- ^ ただし実際にSUPER GTで同じエンジンを使うのはトヨタのみ。ホンダは2009年のSUPER GTでは同エンジンは使用しない。
- ^ ドイツツーリングカー選手権では古くから装着が義務づけられており、現在では、世界ラリー選手権やフォーミュラ3・ユーロシリーズ、スーパー耐久などでも装着義務がある。
- ^ FN最終戦でソフトタイヤ導入&ダンパーに関する規制を実施 2009.09.10