2004年サンマリノグランプリ

2004年サンマリノグランプリは、2004年F1世界選手権の第4戦として、2004年4月25日イモラ・サーキットで開催された。

サンマリノの旗 2004年サンマリノグランプリ
レース詳細
日程 2004年シーズン第4戦
決勝開催日 4月25日
開催地 イモラ・サーキット
イタリア エミリア=ロマーニャイモラ
コース長 4.933km
レース距離 62周、305.609km
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'19.753
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ
タイム 1'20.411(Lap 10)
決勝順位
優勝
  • ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ
    1:26'19.670
2位
  • イギリスの旗 ジェンソン・バトン
3位

概要

編集

例年、ヨーロッパラウンドの開幕という位置づけのサンマリノGPである。この年は、アイルトン・セナローランド・ラッツェンバーガーがイモラ・サーキットでの没後10年ということで、両名の友人であるゲルハルト・ベルガーが決勝レース直前にセナが1986年にドライブしたロータス 98Tを駆った[1]。また、グランドスタンド横には、セナのメモリアルアートが新たに製作され、除幕式が行われた[2]

予選

編集

1回目

編集

このセッションはウィリアムズファン・パブロ・モントーヤが好調でこのセッショントップタイムを記録する。また、2番手にはチームメイトのラルフ・シューマッハが入った。6番手にはザウバージャンカルロ・フィジケラが入るも、計測終了後のアウトラップでギヤボックスに異常が発生してしまう[3]

2回目

編集

開幕戦以来エンジントラブルに見舞われているマクラーレンキミ・ライコネンは。今回も排気バルブシールのトラブルに見舞われ[3]、インラップのみでピットインをし、アタックを行わなかった。予選終了後にエンジンを交換し、最後尾からのスタートとなる[3]。また、フィジケラもギヤボックストラブルを修復することができず、19番手スタートとなった[3]

ジェンソン・バトンがすばらしい走りを見せ、暫定トップに立つ。その後にアタックしたミハエル・シューマッハはセクター1,2でバトンより速いラップを刻むも、シケイン(バリアンテ・アルタ)で挙動を乱し、0.258秒届かず2番手となった。この後にアタックしたウィリアムズ勢はタイムが良くなく、バトンとB・A・Rにとって初めての、ホンダにとっては1992年カナダGP以来のポールポジションを獲得した。

結果

編集
 
自身初のポールポジションを獲得したジェンソン・バトン
順位 No ドライバー チーム 1回目 2回目
1 9   ジェンソン・バトン B・A・Rホンダ 1'20.632 1'19.753
2 1   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1'20.440 1'20.011
3 3   ファン・パブロ・モントーヤ ウィリアムズBMW 1'19.805 1'20.212
4 2   ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 1'20.927 1'20.451
5 4   ラルフ・シューマッハ ウィリアムズBMW 1'20.423 1'20.538
6 8   フェルナンド・アロンソ ルノー 1'21.799 1'20.895
7 10   佐藤琢磨 B・A・Rホンダ 1'20.984 1'20.913
8 15   マーク・ウェバー ジャガーコスワース 1'21.458 1'20.921
9 11   ヤルノ・トゥルーリ ルノー 1'21.669 1'21.034
10 16   クリスチアーノ・ダ・マッタ トヨタ 1'21.737 1'21.087
11 5   デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 1'20.566 1'21.091
12 12   フェリペ・マッサ ザウバーペトロナス 1'22.154 1'21.532
13 17   オリビエ・パニス トヨタ 1'21.231 1'21.558
14 15   クリスチャン・クリエン ジャガーコスワース 1'22.246 1'21.949
15 19   ジョルジオ・パンターノ ジョーダンフォード 1'24.643 1'23.352
16 18   ニック・ハイドフェルド ジョーダンフォード 1'23.055 1'23.488
17 20   ジャンマリア・ブルーニ ミナルディコスワース 1'26.563 1'26.899
18 21   ゾルト・バウムガルトナー ミナルディコスワース 1'27.319 1'46.299
19 11   ジャンカルロ・フィジケラ ザウバーペトロナス 1'20.716 No Time
20 6   キミ・ライコネン マクラーレンメルセデス 1'21.181 No Time
  • 予選1回目のタイムが遅いドライバーから予選2回目を行う。

決勝

編集

展開

編集

ポールポジションからスタートしたバトンは順当なスタートを切るも、2番手のミハエル・シューマッハが出遅れる。後続から激しく追い上げを受け、トサコーナーではモントーヤに並ばれるも、何とか2番手を維持する。この時、モントーヤはミハエルによって進路をふさがれてしまったため、マシンをダートに落とした。

この混乱の中、順位を4番手にまで上げた佐藤琢磨だったが、この時、フロントサスペンションのサードダンパーが破損しており、マシンの挙動に手を焼くこととなる。

ブリヂストンタイヤの特性で、序盤苦労していたミハエルだったが、1回目のピットストップを迎えるまでには、1位走行中のバトンの後方0.6秒にまで迫っていた。そして9周目にバトンが1回目のピットストップのためにピットへ戻る。

ミハエルは11周目にピットインするが、10周目と11周目のセクター1と2で最速ラップを刻みピットイン。バトンの前でコースに復帰する。

このころ、琢磨のマシンにギヤボックストラブル(勝手に1段下のギヤに変速してしまう)が発生していた。

1回目のピットを済ませたミハエルとバトンだったが、ミハエルが1分21秒台で走行するのに対し、バトンは1分22秒台でじりじりと両者の差は広がっていく。そして2回目にピットストップ後も両車の位置関係は変わらなかった。

フェルナンド・アロンソとラルフは激しい5番手争いを繰り広げていたが、51周目にトサコーナーでアロンソがラルフのインに飛び込む。両車は接触し、アロンソはそのまま走り続けるが、ラルフはサイドポンツーンを痛め、スピンをしてしまったことで順位を落とした。

残り5周となった所で、琢磨がエンジントラブルでリタイヤ(16位完走扱い)してしまった。前述のギヤボックストラブルの影響でエンジンに負担がかかってしまったことによるトラブルと見られる。

チェッカー。ミハエルが開幕戦からの4連勝。2位のバトンは自身最高位を記録した。8位のライコネンは2004年シーズンの自身初入賞をようやくゲットした。

結果

編集
順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 1   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 62 1:26'19.670 2 10
2 9   ジェンソン・バトン B・A・Rホンダ 62 + 9.698 1 8
3 3   ファン・パブロ・モントーヤ ウィリアムズBMW 62 + 21.564 3 6
4 8   フェルナンド・アロンソ ルノー 62 + 23.654 6 5
5 7   ヤルノ・トゥルーリ ルノー 62 + 36.216 9 4
6 2   ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 62 + 36.683 4 3
7 4   ラルフ・シューマッハ ウィリアムズBMW 62 + 55.730 5 2
8 6   キミ・ライコネン マクラーレンメルセデス 61 +1 Lap 20 1
9 11   ジャンカルロ・フィジケラ ザウバーペトロナス 61 +1 Lap 18  
10 12   フェリペ・マッサ ザウバーペトロナス 61 +1 Lap 12  
11 17   オリビエ・パニス トヨタ 61 +1 Lap 13  
12 5   デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 61 +1 Lap 11  
13 14   マーク・ウェバー ジャガーコスワース 61 +1 Lap 8  
14 15   クリスチャン・クリエン ジャガーコスワース 60 +2 Laps 14  
15 19   ゾルト・バウムガルトナー ミナルディコスワース 58 +4 Laps 19  
16 10   佐藤琢磨 B・A・Rホンダ 56 +6 Laps 7  
リタイヤ 18   ニック・ハイドフェルド ジョーダンフォード 48 ドライブシャフト 16  
リタイヤ 16   クリスチアーノ・ダ・マッタ トヨタ 32 アクシデント 10  
リタイヤ 20   ジャンマリア・ブルーニ ミナルディコスワース 22 ブレーキバランス 17  
リタイヤ 19   ジョルジオ・パンターノ ジョーダンフォード 6 ハイドロリック 15  
  • 予選、決勝順位は、公式サイト[4]より

第4戦終了時点でのランキング

編集
  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

編集
  1. ^ F1速報サンマリノGP号』ニューズ出版、2004年、p.9頁。 
  2. ^ F1速報サンマリノGP号』ニューズ出版、2004年、p.66頁。 
  3. ^ a b c d F1速報サンマリノGP号』ニューズ出版、2004年、p.58頁。 
  4. ^ 2004 San Marino Grand Prix”. 2009年8月6日閲覧。
前戦
2004年バーレーングランプリ
FIA F1世界選手権
2004年シーズン
次戦
2004年スペイングランプリ
前回開催
2003年サンマリノグランプリ
  サンマリノグランプリ 次回開催
2005年サンマリノグランプリ